4.2 新期榛名火山
約24万年前の古期榛名火山の活動終了後,活動休止期にあった榛名火山は,約5万年前の八崎降下軽石・白川火砕流の噴出で活動を再開した.八崎降下軽石・白川火砕流を噴出した噴火時に榛名カルデラが形成されたと考えられている.カルデラ形成後現在までに,榛名富士,蛇ヶ岳,相馬山,水沢山,及び二ッ岳の,少なくとも5個の安山岩溶岩ドームが形成された( 第3図).これらの活動によってもたらされた火砕物の一部は再移動し,榛名山東側及び南側山麓に大規模な山麓扇状地を形成した.これら後期更新世から完新世の活動による噴出物を新期榛名火山噴出物と呼ぶ.現在知られている最新の活動は伊香保降下軽石,伊香保火砕流及び二ッ岳溶岩ドームを噴出した6世紀の噴火である.
新期榛名火山噴出物は,安山岩からデイサイトからなり(第18図),普通角閃石を斑晶として含むことが特徴である.
全岩SiO2量に対する全岩Na2O+K2O量を示す.
(図幅第6.2図)