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噴火推移を比較してみる

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VUC(縦軸)について

爆発的噴火の時系列を可視化し比較する上では,火山の活動状態を同一の基準で一般化する必要があリます.そこで非噴火時から噴火中,歴史記録とから現代的観測データまでをシームレスに取り扱うことのできる火山活動の強度の定性的指標として,数値-1~7で表される火山活動強度指数(Volcanic Unrest Classification (VUC))を定義しました.VUC は非噴火状態と噴火状態を同時に扱う定性的な指標で,あくまで火山活動の相対的変動を図示するものです.
ここで定義した VUC は,時刻スケールの噴火現象について記述した特定記録・データに与えられる火山活動レベルの分類であり,VUC 1~2 は火山活動に関連する非噴火現象,VUC 3~5 は”Small to moderate eruptions” (Bonadonna et al. 2015),6-7 は典型的なプリニー式噴火から大規模火砕流を噴出するような cataclysmic な噴火現象に対応します.火山活動に関連する現象がなかった/終了した場合は VUC 0 とし,火山活動との直接の関連はわからないが噴火推移等の理解に有用と考えられる現象については VUC -1 としました.噴火の有無と現象の定常・非定常性によって VUC 1~4 を判別する VUC 5~7 の識別は,主に噴煙高度を用いいます.各分類は±1までは不確実性や解釈による評価揺れが容易に起こりうるが,±2 以上に乖離することは極めて考えにくいため可視化した場合に影響が少ないと考えられます.

この試みについて詳細は以下を参照ください:

下司信夫・池上郁彦・西原 歩 (2021) 大規模火砕噴火推移時系列データ集 その1. 産総研地質調査総合センター研究資料集. no. 700, 産総研地質調査総合センター, 60p. https://www.gsj.jp/publications/pub/openfile/openfile0700.html

金田泰明・池上郁彦・宝田晋治・下司信夫 (2021) 大規模噴火データベース・噴火推移データベースと短期的・中長期的前駆活動の傾向. 日本火山学会講演予稿集. 2021巻, P2-09. http://dx.doi.org/10.18940/vsj.2021.0_133

VUC: 7 巨大噴火
噴煙高度が 30 km を超えたり,大規模火砕流(>5 km3 DRE)が噴出したりするような現象が該当する.マグマ質量噴出率は 108 kg/s を超える.殆どのケースでカルデラ陥没を伴う.
VUC: 6 大きな噴火
噴煙高度が 15 km を超えるような典型的プリニー式噴火,或いはそれ以下であってもマグマ質量噴出率が 107 kg/s を遙かに超えるような火砕噴火が該当する.前者の場合,噴煙柱は圏界面を完全に突破し,多量の降下軽石が堆積する.後者および前者の一部では 10 km 以上滑走する火砕流が複数ないしは全周方向に流下する.
VUC: 5 やや大きな噴火
爆発的噴火のうち,噴煙高度が 8-15 km,或いは噴出物に降下軽石が顕著に含まれる噴火が該当する.大気圏界面は低緯度で高く高緯度で低い傾向があり,8-15 km はそのおおよその変動範囲である.いわゆる大きいブルカノ式噴火,激しいストロンボリ式噴火と強いマグマ水蒸気爆発,そして弱いサブプリニー式噴火がこれに含まれる.
VUC: 4 小さな噴火
VUC:3 とは異なり爆発性が高いが,噴煙高度が 8 km を超えない状態に与えられる.水蒸気爆発やブルカノ式噴火の多くがこれに含まれる.降灰は数十 km の範囲に限られる.
VUC: 3 弱い噴火
火道において,毎時程度の時間スケールである程度の定常性が伴っている噴火現象に与えられる.溶岩噴出が最も典型であり,一般的な溶岩噴泉,浅いマグマヘッドからの灰噴火,暴噴状態の噴気もこれに含まれる.より強度の高い噴火と同時に起きている場合は異なるレコードとして記載される.
VUC: 2 急激な変状
火山活動に関連する変状で,主に日単位かそれ以下の時間スケールで現象がエスカレートを示しているものに与えられる.有感地震の多発,地割れの開口,噴気活動の活発化などが含まれる典型的現象である.また>1000 t/日の SO2 放出,噴火と時空間的に近接した規模の大きな火山構造性地震もこれに含む.
VUC: 1 ゆるやかな変状
火山活動に由来する変状が見られているが,定常的・準定常的な現象で日~週単位でエスカレートする様子がみられない場合に与えられる.継続的な地熱活動による噴気,年単位での緩やかな地殻変動,火山周辺の定常的な地震活動(基本的に無感)とその緩やかな変化などが該当する.噴気活動以外は計器観測によって検知されるものであり,目撃記録からは検知困難である.
VUC: 0 活動なし
>観察として,火山活動がみとめられなかった場合,あるいは噴火活動が一時的・永続的に停止したことをレコード上で明確にする必要がある際に与えられる.具体例としては,直接的観察による静穏である旨の記述,継続していた降灰や連続微動の停止などが該当する.
VUC: -1 関係不明な特記現象
調査対象である噴火と直接的関係は不明だが,時系列を把握する上で有用,或いは未科学的関心の対象となっているような特記現象に与えられる.現在採録されているデータのうち該当するレコードは,すべて比較的近傍(< 200 km 程度)を震源として起きたと考えられる海溝型および内陸型の大きな地震である.これらの事象は活動推移図には表示されず,レコード内にのみ存在する.

噴火推移の傾向について