峰路山火山(Mi)
新島本村集落の北東にある峰路山(海抜182 m)の主体を構成する流紋岩溶岩を峰路山火山と呼ぶことにする.この火山は津屋(1938)の峰路熔岩に相当し,南北及び東西径ともに1km,平面形がほぼ四角,厚さ100mの低平な溶岩円頂丘である.溶岩流出に先立って放出されたと考えられる火砕物は露出していない.溶岩円頂丘の地形や分布からみて,扇山に露出する島分沢火山砕屑性堆積物相当層を覆い,後述する赤崎峰火山溶岩円頂丘に覆われているようであるが,直接の関係は見いだされていない.
蜂路山火山溶岩円頂丘の北東腹の崩壊地( 巻末付図,4525 b 地点,北緯34°22.7 ′,東経139°16.2′)では,溶岩円頂丘を覆って帯桃灰色ないし灰色,無層理でしまった火山灰層が露出しており,その上部約1.5m は帯桃白色粘土ないし黒色腐植土化している.その中に埋没していた木片(GSJ Fl1900) の14C 年代は11970 ± 300y.B.P.(GaK-5394)であり,峰路山火山形成年代はこの値より古い.