新島を南西上空から見る.左手は利島.鵜渡根島.東京都新島本村役場提供
新島(にいじま)・式根島・地内島(じないじま)・早島(はんしま)及びこれらに伴う小岩礁は,巨視的には,活動的な伊豆-マリアナ島弧上の火山島群である(第1図 及び上写真).これらのうちで最大の新島は東京の都心から南南西約157km,伊豆半島南端から東南東約46km,南北の長軸が11.5km,最大幅3.1kmの細長い島で,周囲28.2km,面積23.42km2 である.本島は多数の火砕丘と溶岩円頂丘とから構成されており,単一の火山体ではないので,地形の起伏が著しい.最高点は島の中央部にそびえる宮塚山にあって,海抜432mに達する.その南には,新島本村集落や畑地のある低地を挟んで,海抜300.7m の大峰-向山山塊が対峙している.大峰-向山は本島では最新の火山で,火砕丘の概形や溶岩円頂丘の表面構造がまだ残されている.
海上保安庁水路部発行(1992)100万分の1海底地形図中部日本(海図 no.6313)による.
水深の単位:m
(図幅第1図)
式根島は新島西岸新島(黒根)港の南西約5km,東西3km,南北2.3km,周囲8km,面積3.8km2 で,湾入に富む,本島は東北東へ緩く傾斜する低平・台状の溶岩円頂丘(第2図)で,最高点は島の西端にあるが,海抜109mにすぎない.
中央後方は神津島天上山
(図幅第3図)
地内島は新島西岸新島(黒根)港の西約1.5km,北北西- 南南東の長軸が1km,最大幅0.25km,面積0.2km2,ひらがなの「く」の字を裏返しにした形の小島で,その最高点は76.6m,付近の大平島(おおびらじま)・ナダラ根・ナツハダなどの小岩礁とともに溶岩円頂丘の残骸である.
早島は新島の南端.神渡鼻(かんどのはな)の南東約0.5km,西北西- 東南東径0.5km,北北東-南南西径0.3km,面積0.1km2 の小島で,最高点はその西北西部にあって海抜90m,島の中央部はややくぼんでいる.これも溶岩円頂丘のなごりである.
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