丸島峰火山(Mj)
新島の南端近くにある丸島峰(海抜230m)の主体を構成する流紋岩溶岩を丸島峰火山と呼ぶことにする.この火山は津屋(1938)の丸嶋山熔岩に相当し,現在観察される限りでは南北径500 m,東西径350m,海面上の厚さが約200 mの溶岩円頂丘である.津屋(1938)によれば,上部は灰白色浮石(軽石)質,中部以下は灰色で緻密,石質であるか黒曜石質であるという.現著者の観察によれば,海に面する崖の下部では,溶岩は塊状(blocky)であることから,溶岩下底部は海面下それ程深くない位置にあると推定される.溶岩流出に先立って放出されたと考えられる火砕物は露出していない.溶岩円頂丘頂部には後述する向山火山火砕丘が載り,中・下部の垂直に近い崖には同火山の火砕サージ堆積物がアバットしている.ほかの単成火山の噴出物との関係は今までのところ知られていない.