新島山火山(Nj)
新島の北端,根浮岬(ねぶさき)から淡井浦(あわいうら)にかけ,若郷集落の東に露出し,新島山(海抜231.4m)の主体を構成する流紋岩溶岩を山名をとって新島山火山と呼ぶことにする.この火山は津屋(1938)の新島山熔岩に相当し,南北径2 km,東西径1.1km,平面形が半円で,海面上の厚さ約150m の溶岩円頂丘である.淡井浦の北端では,下部塊状部が露出しており,溶岩円頂丘の下底が海面下浅い所にあることを示唆している.しかしながら,溶岩流出に先立って放出されたと考えられる火砕物は露出していない.北部では,溶岩円頂丘の酸化表面を後述する若郷火山の火砕サージ堆積物が覆っている.また,奥ノ磯と若郷集落との間では,海食された円頂丘溶岩の崖に火砕サージ堆積物がアスファルトのようにへばり着いている.