新島周辺の地形

新島周辺の地質概説
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文献

巻末付図

2013/10/11

このデータ集は5万分の1地質図幅 「新島地域の地質」（一色，1987）から抜粋，再構成したものである．
このデータ集を引用する場合，次のように引用すること．
一色直記 (1987) 新島地域の地質．地域地質研究報告（5万分の1地質図幅），地質調査所，85p．

旗城鼻火山（Hs）
　新島の東岸北部，旗城鼻の海食崖に露出する流紋岩溶岩を旗城鼻火山と呼ぶことにする．津屋(1938) はこの岩体を彼のアツチ山熔岩に含めており，宮地(1965)も彼のアッチ山トロイデに含めている．この火山の現在確認されている分布範囲は南北0.5 km，東西0.3 km，平面形は東に頂点を向けた三角形をなし，海面上の厚さは約90m であるが，阿土山火山噴出物に覆われている部分を考慮すれば，実際にはもっと規模の大きな溶岩円頂丘である．溶岩流出に先立って放出されたと考えられる火砕物は露出していない．この溶岩円頂丘は後述する阿土山火山火砕丘及び火砕サージ堆積物に厚く覆われているが，両者の接触面は観察されていない．溶岩円頂丘の頂部と推定される所はややくぼんでおり，その東には径 約100m，深さ90m以上の井戸状の穴〔佐藤(1957)の火口状の深穴〕があいており，東から刻まれた海食洞とつながって，穴の底は海水に満たされている(第8図)．この穴が火山爆発によって生じたとする 積極的な証拠，すなわち穴の周辺に爆発によって放出された角礫が分布するというような証拠は現在まで見いだされていない．

第8図　旗城鼻火山溶岩円頂丘にうがたれた井戸状の穴
（図幅第12図）