早島火山(Ha)
新島の南端,神渡鼻の南東にある早島(海抜90m)を構成する流紋岩溶岩を早島火山と呼ぶことにする.この火山は辻村(1918)が「原形ヲ存スル流紋岩床」の一つとして挙げたものに相当し,南北径300m,東西径600m,海面上の厚さが90mの溶岩円頂丘で,頂部中央がくぼんでいる.円頂丘の下底は海面上には露出しておらず,したがって溶岩流出に先立って放出されたと考えられる火砕物も露出していない.
船上からの観察によると,南部の海食崖上部に火砕物層が認められたが,周囲すべてが断崖であるため,上陸調査はできなかった.これは恐らく向山火山に関係した火砕物であろう.