開聞岳 Kaimondake Volcano


icon 概要

icon 地質図

icon 研究史

icon 地形及び地質概説

icon 開聞岳火山の噴出物
  icon 開聞岳テフラ
    icon Km1, Km2, Km3, Km4
    icon Km5, Km6, Km7, Km8
    icon Km9, Km10, Km11, Km12
  icon 川尻凝灰角礫岩(Ksb)
  icon 松原田溶岩(Mbl)
  icon 花瀬溶岩(Hsl)
  icon 開聞岳南溶岩(Ksl)
  icon 十町溶岩(Jcl)
  icon 横瀬火砕丘噴出物(Ykp)
  icon 横瀬溶岩(Ykl)
  icon 開聞岳主山体(Kme)
  icon 874年火砕流・土石流堆積物(874p)
  icon 885年噴火噴出物
    icon 田ノ崎溶岩(Tsl)
    icon 885年火砕流堆積物(885p)
    icon 885年スコリア丘(885s)
    icon 885年溶岩流・885年溶岩ドーム

icon 自然災害

icon 引用文献

2014/07/15
このデータ集は5万分の1地質図幅 「開聞岳地域の地質」(川辺・阪口,2005)から抜粋,再構成したものである.

このデータ集を引用する場合,次のように引用してください.
川辺禎久・阪口圭一(2005)詳細火山データ集:開聞岳.日本の火山,産総研地質調査総合センター
https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/kaimondake/
index.html)

開聞岳火山の噴出物  
   885年溶岩流・885年溶岩ドーム(885l,885d)

命名 新称.藤野・小林(1997)の中央火口丘溶岩流,溶岩ドーム.
模式地 開聞岳山頂.922 m標高点付近.
分布・層厚 885年溶岩流は885年スコリア丘斜面を鉢窪火口縁や西側へ流下しており,小岳[こたけ]も885年溶岩流で構成されている.層厚は小岳付近で約50mである.885年溶岩ドームは標高900m付近以上に,比高20mほどのプラグ状の高まりを作る.
層序関係 885年スコリア丘を覆うように分布する.885年溶岩ドームはKm12b10の溶岩破片からなるテフラにわずかに覆われる.
岩相 山頂南,海抜約600 m付近の登山道付近では,多面体ブロックに覆われた安山岩溶岩流を横切る.空中写真を見ると,885年スコリア丘の斜面を,複数の比較的粘性の低い溶岩流(885年溶岩流)が流下しているのがわかる.山頂西方,海抜500 m付近に開聞岳山体斜面からこぶのように突出した小岳溶岩(桑代,1967)も,この885年溶岩流に属する溶岩流の末端部である.さらに山頂部標高900 m付近に傾斜変換点があり,それより上が,粘性に富む溶岩がプラグ状に隆起した溶岩ドーム (885年溶岩ドーム)と判断される.
 885年溶岩流,885年溶岩ドームの岩石は,径1〜4 mm程度の斜長石斑晶を大量(30 vol.%以上)に含み,斜方輝石・単斜輝石斑晶を数 %含む,開聞岳火山のなかで最もSiO2が多い斜方輝石単斜輝石安山岩溶岩(SiO2=57.02 wt%;図11 第1表)である.
地質年代 西暦885年のKm12b噴火後期に噴出した溶岩流及び溶岩ドームと考えられる.


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