命名 新称.藤野・小林(1997)のKm12b火砕流堆積物と同義.
模式地 南東山麓一周道路の川尻へのトンネル西入り口付近.
分布・層厚 開聞岳南東鉢窪火口東縁を覆って,山腹から山麓まで分布する.層厚は4m以上である.
層序関係 開聞岳主山体及び874年火砕流・土石流堆積物を覆う.
岩相 885年火砕流堆積物は,開聞岳山麓を一周する自動車道沿いに点々と露出する,亜角礫-亜円礫の発泡が悪い黒色スコリアからなる火砕流堆積物である.スコリアは礫支持で淘汰が悪く,平均径2〜3 cm,最大径15 cm程度の粒径で,粗粒砂程度の粒径の暗灰色火山灰からなる基質は比較的少ない.本調査では1フローユニットからなる露頭しか確認していないが,藤野・小林(1997)は間に降下スコリアを挟む2フローユニットを記述している.高温酸化による赤色化が堆積物上部に認められる.
地質年代 西暦885年のKm12b噴火時に山頂から流下した火砕流堆積物と考えられる.