火山麓扇状地2堆積物(vf2)
本堆積物は,MIS4に形成された火山麓扇状地堆積物である.
分布・構造 北塩原村裏磐梯スキー場西の急崖に露出するほか,猪苗代町ファミリースノーパークばんだい×2スキー場駐車場(東経140˚07′18.1″,北緯37˚35′33.2″)の標高607.3 m地点で地質調査所が掘削したGS-BAD-1コア(第13図)で確認できる.本来は北麓や東麓に扇状地として分布していたものが,後の山体崩壊により1888年岩屑なだれ堆積物や琵琶沢岩屑なだれ堆積物に被覆されている.
層序関係 磐梯葉山2火砕堆積物を覆い,小磐梯火山噴出物に覆われる.
層厚 本堆積物は,東山麓で地質調査所が掘削したGS-BAD-1コア(第13図)で,13 mの層厚を持つ(山元・須藤,1996).
岩相 本堆積物は,安山岩の大礫〜巨礫からなる岩片支持,もしくは基質支持で粗粒砂に富む基質を持つ円礫を主体とし,中礫混じりの中粒〜粗粒砂を伴っている.その岩相から,火山麓扇状地に典型的な土石流堆積物と高密度洪水流堆積物と判断されよう.
年代 上下の指標テフラとの層序関係から7〜6万年前頃のMIS4に形成されたと考えられている(山元・須藤,1996).
下位から,赤埴−櫛ヶ峰火山噴出物(孔底30.0 m〜深度26.2 m),磐梯葉山2火砕堆積物を挟む風成火山灰土(深度26.2 m〜23.0 m),火山麓扇状地2堆積物(深度23.0 m〜9.9 m),小磐梯火山噴出物・磐梯葉山1火砕堆積物・大磐梯火山噴出物を挟む風成火山灰土(深度9.9 m〜6.9 m),琵琶沢岩屑なだれ堆積物(深度6.9 m〜0.5 m),盛り土(深度0.5 m〜地表面)で構成されている.山元・須藤(1996)を一部修正.