用語の解説

五十音順

五十音順に並べた用語の解説です。

か行

海溝型地震

海溝やトラフなどのプレートの沈み込み境界で発生する地震。地震の規模が大きく、広域的に強い地震動と、ときに大きな津波を発生させます。発生間隔が内陸地震より短いという特徴もあります。

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海食台

岩石海岸に見られる地形で、海面下に存在する平らな岩の面を海食台といいます。緩やかに沖側に傾いています。

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海成

堆積物が海底で形成されたことを示す用語で、堆積物や堆積岩の記載に使われます。海岸から大洋底まで幅広い堆積環境があります。海成の反対は非海成または陸成で、河口や三角州など中間の環境を示す場合は汽水成と呼びます。

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火炎構造

堆積直後のまだ固まっていない堆積物の上により重い堆積物が重なると、上の堆積物は重みのために沈み込んで、下の堆積物が吹き上がったような堆積構造ができます。この形が炎に似ているので、火炎構造と呼んでいます。このようにしてできる構造を、一般に荷重痕(ロードキャスト)と呼びます。

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鏡肌

断層面に見られるガラスのような光沢をもった面を鏡肌と呼びます。また、鏡肌の表面には条線と呼ばれる線構造が見られることがあります。

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鍵層

離れた地域の地層を比較(広域対比)するときに、指標となる地層を鍵層といいます。鍵層には他の地層と比べて特徴がはっきりしており、広い範囲に同時に形成される地層(火山灰層、石炭層、海緑石層など)が使われます。

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花こう岩

マグマが地下深くで固まってできた岩石です。数mm程度の、ほぼ等量の石英、正長石、斜長石からなり、普通は黒雲母も含みます。

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花崗閃緑岩

マグマが地下深くで固まってできた岩石(深成岩)です。数mm程度の石英、長石(斜長石は正長石よりも多い)からなり、普通は角閃石や黒雲母も含みます。

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火砕岩

火山活動で放出されたさまざまな大きさの砕屑物が固まってできた岩石。

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火砕丘

繰り返し小規模な噴火を起こした火口の周りにできる、円錐形の火山体です。降り積もった火山噴出物の種類や、山体の形の違いを基準に、スコリア丘、タフリングなどと細分されることがあります。

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火砕サージ

噴火によって放出された火山灰が、空気と混ざり合って急速に流れる現象です。火砕流に比べて粒子が細かいのが特徴です。

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火砕流

火山の噴火や溶岩ドームの崩壊によって放出された火山砕屑物と空気が混じり合い、高速で移動する流れ。そのスピードは、時速100 kmを超えることもあります。火砕流は粒子サイズの違いによって、下部と上部で流れ方が異なるため、更に細分して下部を狭義の火砕流、上部を火山灰雲サージと呼ぶることがあります。

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火砕流堆積物

火砕流に運ばれてできた堆積物。噴火で放出された様々な大きさの物質が混在していることが多く、堆積直後は平坦な地形をつくります。

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火山

マグマが地表に噴出したり、マグマによって熱せられた蒸気が地表を吹き飛ばしたりしてできる高まりや陥没地形。

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火山岩屑

マグマから冷えてできた岩石の破片。山体崩壊や土石流などによって、火山体の周囲に運ばれます。

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火山岩類

マグマが急速に冷えてできた岩石。数 mmサイズの結晶 (斑晶) の粒が、微細な鉱物やガラスでできた基質 (石基) の中に散在する組織を示します。

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火山弾

火口から放出されたマグマのうち、地上を流れる溶岩に対し、空中を飛んでくるものが火山弾です。着地するときにつぶれるなど、変形することがあります。

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荷重痕

軟らかい堆積物の上に重い堆積物や溶岩・貫入岩が重なると、不安定なために地層の境界が変形し、凹凸のある形になります。この変形構造を荷重痕と呼びます。荷重痕の変形が進むと、火炎構造が形成されます。

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化石

地層の中に埋積された生物または生物活動の痕跡(足跡や棲み穴、糞など)を化石と呼び、条件によっては石化したり、鉱物に置換されたりしています。ただし、生物起源であってももとの形状や構造を残していない石油・石炭などは、ふつう化石には含めません。また、「雨の化石(雨痕)」、「波の化石(漣痕)」といった使い方をすることがありますが、生物活動と関係のないものは本来は化石とは呼びません。

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活火山

噴火を起こす可能性のある活動的な火山のことで、気象庁・火山噴火予知連絡会では、「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」と定義しています。

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活断層

過去に繰り返し活動し、今後も活動する可能性のある断層を活断層と呼びます。過去の活動の発生間隔を調べることが重要になります。

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軽石

たくさんの穴のあいた (多孔質な) ガラス質の火山噴出物で、マグマが発泡してできます。白色、淡褐色、淡灰色などの明るい色を呈します。密度が小さいため水に浮くことが普通です。

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軽石凝灰岩

軽石を多く含む火砕岩を指す日本独特の用語ですが、定義があいまいなので使わないほうが良いとされています。軽石を主体とする火砕岩は、正確には軽石火山礫凝灰岩といいます。

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割れ目噴火

地表の割れ目を火口として起きる噴火を割れ目噴火といいます。玄武岩質のマグマでは、溶岩がカーテンのように吹き上げる様子が見られることがあります。

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カルデラ

巨大噴火で地下のマグマが一気に放出されたりすると、支えを失った地表が陥没して数 kmから数十 kmに及ぶ凹地をつくります。このような巨大な陥没地形をカルデラと呼びます。

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カレントリップル

一方向に流れる水流によって堆積物の表面にできる凹凸模様。一般に砂の堆積物の表面につくられます。断面を見ると下流側へ傾く縞模様(葉理)が観察できます。

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完新世

11,700年前から現在までを表し、第四紀を二分したうちの後半の時代です。最後の氷期が終わり、温暖化した時代です。

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貫入岩

地下のマグマが地表に到達することなく、地下で冷えて固まった岩石を貫入岩といいます。貫入岩は形態と規模によって区分され、岩脈、シルなどの用語が使われることがあります。

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崖錐堆積物

崖や急斜面から崩落した岩屑類が、その斜面の下部に堆積したもの。半円錐状を呈した地形を形成します。

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岩屑なだれ堆積物

山体崩壊などで発生する岩屑なだれは、山体の一部であった岩塊が粉砕化しながら山麓を高速で流れ下る現象です。岩屑なだれが落ち着いてできた堆積物は、大型の岩塊を多数含み、流れ山と呼ばれる巨大な岩塊 (粉砕されなかった山体の一部) を伴うことが知られています。

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級化構造

地層をつくる砕屑粒子のサイズが、下から上へ次第に小さくなることを級化(または正級化)といいます。反対に、下から上へ粒子サイズが次第に大きくなることを逆級化といいます。

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球状風化

岩石が風化により玉ねぎのように同心円状に割れていくような風化を指します.たまねぎ状風化とも言い,できた構造を玉ねぎ状構造といいます。花こう岩やはんれい岩、砂岩によく見られます。

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強変成

変成岩が形成されたときの温度または圧力が比較的高いことを示します。

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暁新世

6,550万年前から5,580万年前年前までを表し、古第三紀を三分したうちの最初の時代です。

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偽礫

下の地層の一部がまだ十分固結しないうちに、上の地層の中に取り込まれたものを偽礫といいます。通常の礫と違って不規則な形をしています。英語ではrip-up clastといい、日本語でも侵食礫と呼ぶこともあります。

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苦鉄質

岩石の組成を表す用語で、「苦」はマグネシウムを表します。すなわち鉄やマグネシウムを多く含むことを意味します。苦鉄質の反対は珪長質で、火成岩の記載によく使われます。

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クリッペ

ナップが侵食されると、山の頂部だけ全く別の地層が残ることがあります。これをクリッペといいます。ドイツ語で崖を表します。

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クリンカー

アア溶岩の表面に見られる、表面のけば立った荒れた岩塊。流動する溶岩の表面が引きちぎられるときに、糸を引くように割れるためにできます。

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黒雲母帯-菫青石帯

変成岩分布地域を変成の強さにより分帯するときに使う用語で、泥岩起源の変成岩に黒雲母や菫青石がみられる地域を指します。珪線石帯に比べると変成度が低い地域です。

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グラブ採泥器

調査船から海底に降ろし、表層の未固結堆積物を掴み採る器具。ショベルカーのバケットを2つ合わせたような構造になっており、開いたまま海底に降ろし、引き上げるときにとじ合わせて堆積物をすくい取ります。

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グリーンタフ

グリーンタフとは変質した火山岩類を示す日本独特の用語で、緑色凝灰岩と呼ぶこともあります。特に秋田~新潟油田地域に分布する、漸新世から中新世の中頃 (およそ3300~1300万年前頃) に形成された火山岩類を指すのが一般的です。ただし、グリーンタフと呼ばれてきた岩石には、実際には凝灰岩ではない岩相 (溶岩や貫入岩など) も多く含まれるため、用語として正確ではなく、近年ではあまり使われなくなっています。

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珪質

変成岩の接頭辞の場合、二酸化珪素(石英)に富む変成岩をさします。日本では、変成を受ける前は付加コンプレックス中のチャートである場合が多いです。

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珪質シルト岩

陸から離れた海では、例えば珪藻や放散虫などのプランクトンの殻だけが堆積しており、長い年月をかけて珪藻または放散虫軟泥がつくられます。これが続成作用を受けると、珪藻質シルト岩、珪質シルト岩、チャートと次第に硬い石に変わっていきます。

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珪質片岩

主にチャートなどの珪質堆積岩を起源とする結晶片岩で、広域変成作用を受けてできる岩石です。

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珪線石帯

変成岩分布地域を変成の強さにより分帯するときに使う用語で、泥岩起源の変成岩に珪線石がみられる地域を指します。黒雲母帯に比べると変成度が高い地域です。

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珪長質

岩石の組成を表す用語で、「珪」は二酸化珪素(すなわち石英)、「長」は長石を表します。すなわち石英や長石に富み、鉄やマグネシウムには乏しいことを意味します。珪長質の反対は苦鉄質で、火成岩の記載によく使われます。

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結晶片岩

広域変成作用を受けて片理と呼ばれる顕著な面構造が発達した変成岩で、薄く割れる特徴があります。また、変成する以前の岩石(原岩)の違いにより色が異なり、苦鉄質火成岩などを起源とする緑色片岩、泥岩などを起源とする黒色片岩、砂岩などを起源とする珪質片岩(淡色系)などが区別されています。

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頁岩

シルトや粘土を主体とする泥岩のうち、特に薄く剥離しやすい性質の岩石。剥離面はふつう堆積面と一致しています。

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顕生代

5億4,200万年前から現在までを表し、地球上に多くの生物が生存していた時代です。

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玄武岩

火成岩の一種。マグマが急速に冷えてできた岩石のうち、黒っぽい色をした重い石。鉄やマグネシウムを多く含み、シリカは少ないという特徴があります。海洋島の火山や海底火山の多くは玄武岩からできています。

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高圧型変成岩

変成作用の過程で、温度と圧力のうち、相対的に圧力の影響を強く受けてできた広域変成岩。高圧型変成岩に特徴的な鉱物として、藍閃石、ひすい輝石などが形成されます。

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広域応力場

3次元的に見て、地層にどのような力が加わっているかを示すもので、水平方向を基準にして押されていれば圧縮応力場、引っ張られていれば引張応力場といいます。

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高位段丘

川や海または湖などの周辺で、末端に崖を伴う平坦面が連続している地形を段丘といいます。平坦面は堆積作用または侵食作用のいずれでも形成され、それぞれ堆積段丘、侵食段丘と区別されることもあります。段丘の形成時期は、一般に、高い位置にあるものほど古いです。

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降下火砕堆積物

火山噴火で空中に放出された砕屑物が、降り積もってできる堆積物。テフラと呼ばれるものの多くは降下火砕堆積物で、広域に分布するために、離れた地域の地質を比較する (地層の対比) とき、鍵層として役に立ちます。

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降下テフラ

火山噴火で空中に放出された砕屑物が、降り積もってできる堆積物。降下火砕堆積物。広域に分布するために、離れた地域の地質を比較する (地層の対比) とき、鍵層として役に立ちます。

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更新世

258万8千年前から11,700年前までを表し、第四紀を二分したうちの前半の時代です。氷河期の時代です。

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黒色片岩

黒色片岩は主に泥質岩を起源とする結晶片岩で、このため泥質片岩と呼ばれることもあります。広域変成作用を受けてできる岩石です。

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湖成

堆積物が湖の底で形成されたことを示す用語で、堆積物や堆積岩の記載に使われます。

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古生代

5億4,200万年前から2億5,100万年前までを表し、顕生代を三分したうちの最初時代です。生物が爆発的に進化した時代です。

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古第三紀

6,550万年前から2,303万年前までを表し、新生代を三分したうちの最初の時代です。貨幣石が栄えた時代です。

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コンボルート葉理

堆積岩に見られる葉理で、波打ったように乱れているものをコンボルート葉理といいます。葉理は比較的よく連続し、細かくちぎれたり、ブロック状になっていることはあまりありません。タービダイトによく見られます。

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互層

性質の異なる地層が、交互に繰り返し堆積している地層を互層といいます。砂岩と泥岩の繰り返しならば砂岩泥岩互層と呼び、どちらか一方が卓越する場合は"砂岩優勢"砂岩泥岩互層などと呼びます。

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