地層名 本堆積物は沼沢湖火砕流噴火直後に発生したラハール堆積物である.すなわち只見川を始めとした河川に堆積した沼沢湖火砕流堆積物がその後の降雨や堰き止め湖の決壊などにより大規模なラハールとなり,河川氾濫を起こしながら最下流の新潟平野にまで広がったものである(Kataoka et al., 2008).
分布・構造 本堆積物は,図幅地域西部の金山町川口よりも下流域の只見川両岸の段丘面を構成する.金山町水沼では標高390〜380m ,三島町宮下では標高 300〜290 m,同町檜原では標高270〜260 m の段丘面が,本堆積物で構成されている.
層序関係 下位層を不整合に覆う.
層厚 下位層を侵食して埋めているため厚さは一定しない.図幅地域内での最大層厚は 6m 程度.ただし,図幅地域内での最大層厚は6 m 程度.ただし,図幅外のより下流域(「喜多方」図幅地域内)では層厚が20 m を越える.
岩相 本堆積物は,単斜輝石含有斜方輝石普通角閃石デイサイト及び単斜輝石斜方輝石普通角閃石安山岩軽石円礫と結晶片に富んだ砂からなり,各種基盤岩の円礫を伴う(第14図).礫層は塊状,岩片支持で極粗粒-粗粒砂の基質を持っている.礫の最大径は 15 cm 前後である.大部分を占める沼沢湖火砕物起源のデイサイト軽石は良く円磨され,密度差による逆級化が発達する.砂層は中礫混じりの極粗粒-中粒砂で,連続性の悪い平行層理や低角斜交層理,まれにトラフ型斜交層理を持つ.
下位の埋没低位段丘堆積物と沼沢湖火砕流堆積物を顕著な浸食面を持って覆う.ラハール堆積物内にも浸食面が存在する.ラハール堆積物の厚さは6 m.柳津町牧沢.
(図幅第6.13図)
年代・対比 地質学的には,沼沢湖火砕堆積物と一連の堆積物である.