沼沢火山 Numazawa Volcano


icon 概要と地形

icon 研究史

icon 地質図

icon 化学組成と噴出量

icon 地質各節
  icon 尻吹峠火砕物
  icon 木冷沢溶岩
  icon 水沼火砕堆積物
  icon 水沼火砕堆積物起源のラハール堆積物
  icon 惣山溶岩
  icon 沼御前火砕堆積物
  icon 前山溶岩
  icon 沼沢湖火砕堆積物
  icon 沼沢湖火砕物起源のラハール堆積物
  icon 最低位段丘堆積物
  icon 新期地すべり堆積物

icon 引用文献

2014/11/07
このデータ集は5万分の1地質図幅「宮下地
域の地質」(山元・駒澤,2004)から抜粋,
再構成し,加筆したものである.

このデータ集を引用する場合,次のように引用
してください.
山元孝広(2014)詳細火山データ集:沼沢火
山.日本の火山,産総研地質調査総合センター
https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/numazawa/
index.html)

地質各節
 前山溶岩(Me )

地層名 新称.

模式地 金山町の前山山頂北東の沼沢湖湖岸.

分布・構造 本溶岩は沼沢湖南西にある標高835 m の前山を構成する直径約1.5 km の溶岩ドームをなす.沼沢湖に面した部分は火口壁としてえぐられている.

層序関係 上位下位との関係は露頭で直接観察できない.地形的には,会津金山火山岩を覆っている.

層厚 模式地での層厚は7m 以上.

岩相 本溶岩は,黒雲母含有斜方輝石単斜輝石普通角閃石デイサイトの塊状溶岩からなる.模式地を除くと良好な露出はほとんどない.

 鏡下では,斑晶として斜長石(最大長径3.2 mm ),石英(最大長径3.2 mm ),普通角閃石(最大長径1.7 mm),斜方輝石(最大長径2.5 mm),単斜輝石(最大長径0.4 mm),鉄鉱(最大長径0.2 mm),黒雲母(最大長径1.2 mm)を含み,その量比はこの順で少なくなる.斜長石斑晶の一部には汚濁帯を持ち集斑状組織をなすものがあるが,多くは清澄で単独斑晶をなす.普通角閃石斑晶は著しい酸化を受け,黄色-赤褐色と多色性強く,オパサイト縁を持つ.黒雲母斑晶にも厚いオパサイト縁を生じている.斜方輝石,単斜輝石斑晶縁にも不透明化が認められる.石基は,マイクロフェルシック組織を持つ.本溶岩のSiO2 含有量は65 wt%,K2O含有量は1.7 wt%である.

年代・対比 本溶岩流出に先行したと見られる沼御前火砕物基底部の木片の放射年代値から,本溶岩も24 ka に噴出したものと考えられる.


   前をよむ 前を読む 次を読む 次を読む