新期地すべり堆積物(ly )
分布・構造 本図幅地域には,背後の上部斜面に滑落崖があり,表面には大小の凹凸を持つ舌状の地形をつくる本堆積物が点在する.ただし,堆積物の広がりが1 km を越えるような規模の大きなものは,存在しない.
層序関係 下位層を不整合に覆う.
岩相 各地すべり堆積物の背後にある滑落崖を構成する岩石が角礫化して堆積物を構成している( 第15図).その固結度は低く,地すべりの表面には岩塊が散乱している.
第15図 新期地すべり堆積物
沼沢火山惣山溶岩ドームの北面が崩れてできた地すべり堆積物.惣山溶岩の角礫からなるが,礫の形態は鋭角な破断面で規制され,溶岩に普通見られる冷却節理面とは全く異なっている.この地すべりは,沼沢湖噴火の起きた紀元前BC 3,400 年頃以降に発生したものである.金山町大栗山.
(図幅第6.14図)
沼沢火山惣山溶岩ドームの北面が崩れてできた地すべり堆積物.惣山溶岩の角礫からなるが,礫の形態は鋭角な破断面で規制され,溶岩に普通見られる冷却節理面とは全く異なっている.この地すべりは,沼沢湖噴火の起きた紀元前BC 3,400 年頃以降に発生したものである.金山町大栗山.
(図幅第6.14図)
年代・対比 只見川沿いに分布する地すべりはいずれも沼沢湖火砕物堆積後に発生したもので,西暦紀元前 3,400 年頃よりも新しい.これら以外の地域に分布する地すべりのほとんどはこれを覆う黒色土壌中に沼沢湖火砕物を挟んでおり,最終氷期末から完新世の初頭にかけて形成されている.