本堆積物は水沼火砕流噴火直後に発生したラハール堆積物である.
分布・構造 本堆積物は,図幅地域北東部の只見川右岸の柳津町石神周辺の標高290〜300 m の段丘面を構成する.本堆積物の主要な分布はより下流の「喜多方」図幅内にある.
層序関係 下位層を不整合に覆う.
層厚 石神での層厚は約20m .
岩相 本堆積物は,黒雲母カミングトン閃石普通角閃石デイサイト礫と結晶片に富んだ砂からなり,各種基盤岩の円礫を伴う.礫層は塊状,岩片支持で極粗粒-粗粒砂の基質を持っている.礫の最大径は10 cm 前後である.大部分を占める水沼火砕物起源のデイサイトはやや発泡した石質の岩片がほとんどで,発泡した軽石質のものは少ない.砂層は中礫混じりの極粗粒-中粒砂で,連続性の悪い平行層理や低角斜交層理,まれにトラフ型斜交層理を持つ.柳津町石神の広域農道切り割りでは,堆積物の基底から80 cm の位置に,厚さ5 cm で最大径1.5 cm の火山豆石を含んだガラス質の降下粗粒火山灰が挟まれており,ラハール発生の初期には噴火活動(二次爆発を含む)が継続していたことが伺える(第6図).
本堆積物は水沼火砕流噴火直後に只見川流域で発生したラハール堆積物で,黒雲母カミングトン閃石普通角閃石デイサイト礫と結晶片に富んだ礫と平行層理の発達がよい砂からなる.礫と砂の間には層厚5 cmで,最大径1.5 cm の火山豆石を含んだ粗粒砂-中粒砂サイズのガラス質火山灰が挟まれている.柳津町石神.
(図幅第6.5図)
年代・対比 地質学的には,水沼火砕堆積物と一連の堆積物である.