沼沢火山 Numazawa Volcano


icon 概要と地形

icon 研究史

icon 地質図

icon 化学組成と噴出量

icon 地質各節
  icon 尻吹峠火砕物
  icon 木冷沢溶岩
  icon 水沼火砕堆積物
  icon 水沼火砕堆積物起源のラハール堆積物
  icon 惣山溶岩
  icon 沼御前火砕堆積物
  icon 前山溶岩
  icon 沼沢湖火砕堆積物
  icon 沼沢湖火砕物起源のラハール堆積物
  icon 最低位段丘堆積物
  icon 新期地すべり堆積物

icon 引用文献

2014/11/07
このデータ集は5万分の1地質図幅「宮下地
域の地質」(山元・駒澤,2004)から抜粋,
再構成し,加筆したものである.

このデータ集を引用する場合,次のように引用
してください.
山元孝広(2014)詳細火山データ集:沼沢火
山.日本の火山,産総研地質調査総合センター
https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/numazawa/
index.html)

化学組成と噴出量

 噴出物の全岩化学組成変化には,下位の流紋岩から上位のデイサイトへと年代とともにSiO2含有量が減少するトレンドが認められる(第3図;Yamamoto, 2007).

fig3
第3図 沼沢火山噴出物の全岩化学組成
Nm-SB(gl) = 沼沢芝原テフラの火山ガラス;Nm-MK = 沼沢木冷沢溶岩;Nm-MZ = 沼沢水沼テフラ;Nm-SO = 沼沢惣山溶岩;Nm-ME = 沼沢前山溶岩;Nm-NK(da) = 沼沢沼沢湖テフラのデイサイト軽石;Nm-NK(an) = 沼沢沼沢湖テフラの安山岩軽石. 矢印は時間変化のトレンドを示す.
Yamamoto (2007) による.


 噴出物のSr-Nd同位体比には変化が認められず,微量元素の組成変化は同一起源物質の部分溶融度の違いで説明可能である(Yamamoto, 2007).沼沢火山のマグマ噴出量の時間変化については,山元(2003)が既に明らかにしているが,一部の噴出物の噴出年代には暦年校正が必要で,修正したものを第4図に示している.前半よりも後半の噴出率が大きい特徴は山元(2003)の指摘通りで,化学組成変化が示すマグマ発生域での部分溶融度上昇トレンドと関連しているものとみられる.

fig3
第4図 沼沢火山噴出物の時間積算マグマ体積
Nm-ME = 沼沢前山溶岩;Nm-MK = 沼沢木冷沢溶岩;Nm-MZ = 沼沢水沼テフラ;Nm-NK = 沼沢沼沢湖テフラ;Nm-SZ = 沼沢惣山溶岩.
山元( 2003) を一部改変.

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