噴出物の全岩化学組成変化には,下位の流紋岩から上位のデイサイトへと年代とともにSiO2含有量が減少するトレンドが認められる(第3図;Yamamoto, 2007).
第3図 沼沢火山噴出物の全岩化学組成
Nm-SB(gl) = 沼沢芝原テフラの火山ガラス;Nm-MK = 沼沢木冷沢溶岩;Nm-MZ = 沼沢水沼テフラ;Nm-SO = 沼沢惣山溶岩;Nm-ME = 沼沢前山溶岩;Nm-NK(da) = 沼沢沼沢湖テフラのデイサイト軽石;Nm-NK(an) = 沼沢沼沢湖テフラの安山岩軽石. 矢印は時間変化のトレンドを示す.
Yamamoto (2007) による.
Nm-SB(gl) = 沼沢芝原テフラの火山ガラス;Nm-MK = 沼沢木冷沢溶岩;Nm-MZ = 沼沢水沼テフラ;Nm-SO = 沼沢惣山溶岩;Nm-ME = 沼沢前山溶岩;Nm-NK(da) = 沼沢沼沢湖テフラのデイサイト軽石;Nm-NK(an) = 沼沢沼沢湖テフラの安山岩軽石. 矢印は時間変化のトレンドを示す.
Yamamoto (2007) による.
噴出物のSr-Nd同位体比には変化が認められず,微量元素の組成変化は同一起源物質の部分溶融度の違いで説明可能である(Yamamoto, 2007).沼沢火山のマグマ噴出量の時間変化については,山元(2003)が既に明らかにしているが,一部の噴出物の噴出年代には暦年校正が必要で,修正したものを第4図に示している.前半よりも後半の噴出率が大きい特徴は山元(2003)の指摘通りで,化学組成変化が示すマグマ発生域での部分溶融度上昇トレンドと関連しているものとみられる.
第4図 沼沢火山噴出物の時間積算マグマ体積
Nm-ME = 沼沢前山溶岩;Nm-MK = 沼沢木冷沢溶岩;Nm-MZ = 沼沢水沼テフラ;Nm-NK = 沼沢沼沢湖テフラ;Nm-SZ = 沼沢惣山溶岩.
山元( 2003) を一部改変.
Nm-ME = 沼沢前山溶岩;Nm-MK = 沼沢木冷沢溶岩;Nm-MZ = 沼沢水沼テフラ;Nm-NK = 沼沢沼沢湖テフラ;Nm-SZ = 沼沢惣山溶岩.
山元( 2003) を一部改変.