主要な活動
後カルデラ火山活動
桜島新期南岳
総噴出量: 合計見かけ体積 >1.7 km3; DRE 5.4 km3
桜島新期南岳噴出物
噴火推移・概要: ブルカノ式噴火,プリニー式噴火,火砕流,マグマ水蒸気噴火,溶岩流
天平宝字噴火
南岳東山麓で発生した.給源に火砕丘 (鍋山火砕丘) を形成し,溶岩 (長崎鼻溶岩) を流出した (本間, 1935; 小林, 1982; 味喜, 1999; 小林ほか, 2013).鍋山火砕丘と長崎鼻溶岩の位置関係から,天平宝字噴火はマグマ水蒸気噴火発生後に溶岩が流出する噴火推移であったと考えられている (小林ほか, 2013).鍋山火砕丘は多面体型の軽石と火山灰で構成されており,急冷による黒曜岩片も多い (小林ほか, 2013).火砕丘形成時には細粒の火山灰と軽石を主体とするテフラ (P4/Sz-Tk1テフラ) が飛散し,薄層にも関わらず鍋山より南東方向の広域に分布している (森脇, 1994).
文明噴火
桜島火山北東―南西山腹の火口列で発生したプリニー式噴火および溶岩流出の噴火活動である.プリニー式噴火は北東側の火口列から発生し,火口から北東方向へ広く分布している (小林ほか, 2013).プリニー式噴火として噴出した軽石の量は新期南岳ステージで発生したプリニー式噴火の中で最も多い (小林ほか, 2013).
安永噴火
桜島火山北東―南山腹での陸上噴火と北東沖の海底噴火が発生した.南側山腹および北東山腹で発生したプリニー式噴火に始まり,給源近傍には降下火砕物や火砕流堆積物からなるアグルチネートを形成し,島外へは桜島東方向に分布主軸を持つ降下軽石層 (P2軽石/安永軽石) を堆積させた.文書記録に基づく降灰分布の推定によると,安永噴火に伴う火山灰は桜島から北東方向に飛散したと推定され,宮城県まで到達したと考えられている (津久井, 2011).
桜島北東の沖合では,陸上の火口とは別に生じた割れ目火口により海底噴火が発生した(小林 (2009) およびその引用文献).マグマの大部分は海底の地層中に貫入して海底潜在溶岩ドームを形成することで安永諸島が形成されたが,巨大軽石を噴出する噴火やマグマ水蒸気噴火も発生した (小林, 2009).
大正噴火
南岳火山東-西山腹の火口列で発生したプリニー式噴火および溶岩流出噴火.西側の山腹に生じた割れ目火口で噴火が開始し,約10分後には東側の山腹でも噴火が始まった (小林ほか, 2013).東西の火口列から発生したプリニー式噴火は東南東方向に分布主軸を持つ降下軽石層 (P1軽石/大正軽石) を堆積させた.噴火に伴う降灰は本州太平洋側を中心に日本の広範囲で確認されており,宮城県や小笠原諸島でも確認されている (鹿児島県編, 1927).
- 分布
- 降下火砕物は桜島より東方に分布する (小林ほか, 2013).分布主軸は4回のプリニー式噴火毎に異なる (小林・溜池, 2002).
- 噴出量
テフラ総量: >1.7 km3 (小林ほか, 2013)
溶岩総量: 4.75 km3 (味喜・小林, 2016)
- DRE [km3]
- 5.4
- VEI
- 4
- 噴出量文献
小林ほか (2013); 味喜・小林 (2016)
- 岩質
- 安山岩, デイサイト
- 岩相
天平宝字噴火:多面体形の軽石および火山灰,黒曜石岩片からなり,火砕丘を形成している.また溶岩も認められる.
文明噴火:降下軽石および溶岩からなる.
安永噴火:降下軽石堆積物.火口付近には火砕流や降下火砕物からなるアグルチネートが形成されている.
大正噴火:降下軽石堆積物および火砕流堆積物,溶岩からなる.
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 58-68 wt.% (高橋ほか, 2011)
文献
本間不二夫 (1935) 日本火山誌「桜島」.火山, 第1集, 2, 226-296.
鹿児島県編 (1927) 桜島大正噴火誌. 鹿児島県, p466.
小林哲夫 (1982) 桜島火山の地質: これまでの研究の成果と今後の課題. 火山, 27, 277-292. https://doi.org/10.18940/kazanc.27.4_277
小林哲夫 (2009) 桜島火山,安永噴火 (1779-1782年) で生じた新島 (安永諸島) の成因. 火山, 54, 1-13. https://doi.org/10.18940/kazan.54.1_1
小林哲夫 (2014) 桜島火山. 桜島大正噴火100周年記念誌 (Memorial Magazine for the 100th Anniversary of the 1914 Taisho eruption of Sakurajima Volcano), 桜島大正噴火100周年事業実行委員会, 18-29. http://www.pref.kagoshima.jp/aj01/bosai/sonae/sakura100/documents/38032_20140320114843-1.pdf
小林哲夫・佐々木寿 (2014) 桜島火山, 地質雑, 120, 63-78. https://doi.org/10.5575/geosoc.2014.0020
小林哲夫・溜池俊彦 (2002) 桜島火山の噴火史と火山災害の歴史. 第四紀研究, 41, 269-278. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaqua1957/41/4/41_4_269/_article/-char/ja/
小林哲夫・味喜大介・佐々木 寿・井口正人・山元孝広・宇都浩三 (2013) 桜島火山地質図 (第2版), 火山地質図, no. 1, 産総研地質調査総合センター. https://www.gsj.jp/Map/JP/volcano.html
味喜大介 (1999) 古地磁気方位・強度測定による桜島の溶岩流の年代測定. 火山, 44, 111-122. https://doi.org/10.18940/kazan.44.3_111
味喜大介・小林哲夫 (2016) 桜島火山・南岳の形成過程: 溶岩の古地磁気学的年代と噴出量からの考察. 火山, 61, 237-252. https://www.jstage.jst.go.jp/article/kazan/61/1/61_KJ00010257777/_article/-char/ja/
森脇 広 (1994) 桜島テフラ―層序・分布と細粒火山灰層の層位―.平成4・5年度科学研究費補助金 (一般研究C) 研究成果報告書 (研究代表者 森脇 広)「鹿児島湾周辺における第四紀後期の細粒火山灰層に関する古環境学的研究」, 1-20.
奥野 充 (2002) 南九州に分布する最近約3万年間のテフラの年代学的研究. 第四紀研究, 41, 225-236. https://doi.org/10.4116/jaqua.41.225
高橋正樹・大塚匤・川俣博史・迫寿・安井真也・金丸龍夫・大槻明・島田純・厚地貴文・梅澤孝典・白石哲朗・市来祐美・佐竹紳・小林哲夫・石原和弘・味喜大介 (2011) 桜島火山および姶良カルデラ噴出物の全岩化学組成―分析データ583個の総括―. 日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要, 46, 133-200.
津久井雅志 (2011) 史料にもとづく桜島火山1779年安永噴火の降灰分布. 火山, 56, 89-94. https://doi.org/10.18940/kazan.56.2-3_89
桜島古期南岳
総噴出量: DRE 3.3 km3
桜島古期南岳噴出物
噴火推移・概要: ブルカノ式噴火,溶岩流
断続的にブルカノ式噴火が発生した.また,この時期に溶岩流 (宮元溶岩,観音崎溶岩,有村溶岩,黒神川溶岩) も流出した (味喜・小林, 2016).
- 分布
- 桜島火山の南部に分布する (味喜・小林, 2016)
- 噴出量
合計DRE 3.3 km3
- DRE [km3]
- 3.3
- VEI
- 5
- 噴出量文献
味喜・小林 (2016)
- 岩質
- 安山岩
- 岩相
南岳火山砂は,主に石質の火山砂~火山灰からなり,腐食土壌を挟んで9ユニットに区分できる (小林, 1986).
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 61-63 wt.% (宇都ほか, 2005; 高橋ほか, 2011; Takahashi et al., 2013)
文献
小林哲夫 (1986) 桜島火山の断続噴火によって形成された火山灰層. 鹿児島県南科研資料センター報告書特別号, 1, 1-12.
小林哲夫・江崎真美子 (1997) 桜島火山,噴火史の再検討. 月刊地球, 19, 227-231.
小林哲夫・味喜大介・佐々木 寿・井口正人・山元孝広・宇都浩三 (2013) 桜島火山地質図 (第2版), 火山地質図, no. 1, 産総研地質調査総合センター. https://www.gsj.jp/Map/JP/volcano.html
味喜大介・小林哲夫 (2016) 桜島火山・南岳の形成過程: 溶岩の古地磁気学的年代と噴出量からの考察. 火山, 61, 237-252. https://www.jstage.jst.go.jp/article/kazan/61/1/61_KJ00010257777/_article/-char/ja/
奥野 充 (2002) 南九州に分布する最近約3万年間のテフラの年代学的研究. 第四紀研究, 41, 225-236. https://doi.org/10.4116/jaqua.41.225
Takahashi, M., Otsuka, T., Sako, H., Kawamata, H., Yasui, M., Kanamaru, T., Otsukim M., Kobayashi, T., Ishihara, K. and Miki, D. (2013) Temporal Variation for Magmatic Chemistry of the Sakurajima Volcano and Aira Caldera Region, Southern Kyushu, Southwest Japan since 61 ka and Its Implications for the Evolution of Magma Chamber System(<Special Section>Sakurajima Special Issue). Bull. Volcanol. Soc. Japan, 58, 19-42. https://doi.org/10.18940/kazan.58.1_19
高橋正樹・大塚匤・川俣博史・迫寿・安井真也・金丸龍夫・大槻明・島田純・厚地貴文・梅澤孝典・白石哲朗・市来祐美・佐竹紳・小林哲夫・石原和弘・味喜大介 (2011) 桜島火山および姶良カルデラ噴出物の全岩化学組成―分析データ583個の総括―. 日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要, 46, 133-200.
宇都浩三・味喜大介・Nguyen, H.・周藤正史・福島大輔・石原和弘 (2005) 桜島火山マグマ化学組成の時間変化. 京都大学防災研究所年報, no. 48 B, 341-347. https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/26514/1/a48b0p35.pdf
桜島新期北岳
総噴出量: 合計見かけ体積 >17.9 km3
桜島新期北岳噴出物
噴火推移・概要: プリニー式噴火,溶岩流
新期北岳期は,12.8 cal ka の大規模プリニー式噴火の発生から開始した.この噴火でもたらされた桜島-薩摩テフラは,見かけの体積が約 11 km3 (小林・溜池, 1999) で,桜島火山の噴火史の中でも最大規模である.この噴火ではベースサージも発生し,桜島から 10 kmの範囲に到達している (小林ほか, 2013).その後,北岳では数百〜数千年間隔で,プリニー式噴火や溶岩が繰り返し発生した.
- 分布
- P14は,南九州のみならず,鬼界カルデラの竹島や種子島にも分布が認められる (小林・溜池, 2002).
- 噴出量
合計見かけ体積 >17.9 km3
- DRE [km3]
- >7.2
- VEI
- 6
- 噴出量文献
小林ほか (2013)
- 岩質
- 安山岩, デイサイト
- 岩相
黄褐色を呈する軽石からなる降下軽石堆積物である.新期北岳期のSz-S (P14) は,降下軽石と火山灰の互層からなる (小林・溜池, 1999).
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 63-68 wt.% (高橋ほか, 2011)
文献
小林哲夫・溜池俊彦 (1999) 桜島火山,薩摩テフラの層厚・粒径の変化. 平成9・10年度科学研究費補助金(基盤研究C(2))研究成果報告書「高密度重力測定による桜島火山体密度構造探査」(代表者:宮町宏樹), 31-97.
小林哲夫・溜池俊彦 (2002) 桜島火山の噴火史と火山災害の歴史. 第四紀研究, 41, 269-278. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaqua1957/41/4/41_4_269/_article/-char/ja/
小林哲夫・味喜大介・佐々木 寿・井口正人・山元孝広・宇都浩三 (2013) 桜島火山地質図 (第2版), 火山地質図, no. 1, 産総研地質調査総合センター. https://www.gsj.jp/Map/JP/volcano.html
奥野 充 (2002) 南九州に分布する最近約3万年間のテフラの年代学的研究. 第四紀研究, 41, 225-236. https://doi.org/10.4116/jaqua.41.225
Okuno, M., Nakaumura, T., Mirowaki, H. and Kobayashi, T. (1997) AMS radiocarbon dating of the Sakurajima tephra group, Southern Kyushu, Japan. Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B: Beam Interactions with Materials and Atoms, 123, 470-474. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168583X96006143
高橋正樹・大塚匤・川俣博史・迫寿・安井真也・金丸龍夫・大槻明・島田純・厚地貴文・梅澤孝典・白石哲朗・市来祐美・佐竹紳・小林哲夫・石原和弘・味喜大介 (2011) 桜島火山および姶良カルデラ噴出物の全岩化学組成―分析データ583個の総括―. 日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要, 46, 133-200.
注釈
新島軽石噴火
新島軽石
噴火推移・概要: 火砕流
水底噴火が発生し,噴煙柱が周囲の水と混合することにより崩壊し,火砕流が発生した (Kano et al., 1996).
- 分布
- 新島において露出が認められる (Kano et al., 1996).
- 岩質
- 流紋岩
- 岩相
不淘汰な火山灰軽石火山礫堆積物である.層厚1~10 mの複数のフローユニットからなり,最上部に層厚2.6~4.2 mの火山灰を伴う.フローユニットの下半部は,平行~波状層理を持つほか,上方粗粒化が認められる.基底部は必ずしも明瞭ではない.最上部を構成する火山灰は,細粒で顕著な波状~低角斜交層理を示す (鹿野ほか, 2020).軽石はブロック状を示し,その表面には収縮割れ目が発達する (Kano et al., 1996).
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 72-75 wt.% (Geshi et al., 2020)
文献
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nisihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44, https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
Kano, K., Yamamoto, T. and Ono, K. (1996) Subaqueous eruption and emplacement of the Shinjima Pumice, Shinjima (Moeshima) Island, Kagoshima Bay, SW Japan. J. Volcanol. Geothrem. Res., 71, 187-206. https://doi.org/10.1016/0377-0273(95)00077-1
鹿野和彦・柳沢幸夫・内村公大・奥村 充・中村俊夫 (2020) 鹿児島湾奥,新島に露出する最上部更新統〜完新統の層序と起源. 地質雑, 126, 519-525. https://doi.org/10.5575/geosoc.2020.0024
森脇 広・永迫俊郎・西澤文勝・松島義章・鈴木毅彦・田中源吾 (2017) テフラ編年と14C年代に基づく鹿児島湾奥,新島 (燃島) の海成堆積物の編年とその意義. 地学雑, 126, 557-579. https://doi.org/10.5026/jgeography.126.557
高野噴火
高野ベースサージ堆積物
噴火推移・概要: ベースサージ
ベースサージを噴出した (小林, 1986).
- 分布
- 大隅半島,高野に分布が認められる.
- 岩質
- デイサイト
- 岩相
やや青灰色の細〜中礫大の軽石と火山灰の基質からなり,全体に低角のクロスラミナが発達する.
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 68.85 wt.% (西村・小林, 2015)
文献
小林哲夫 (1986) 桜島火山の形成史と火砕流.文部省科学研究費自然災害特別研究, 計画研究報告書「火山噴火に伴う乾燥粉体流 (火砕流) の特質と災害」, 137-163.
西村光史・小林哲夫 (2015) 姶良カルデラ,高野ベースサージ堆積物と新島火砕流堆積物の化学的特徴.月刊地球, 37, 259-264.
奥野 充 (2002) 南九州に分布する最近約3万年間のテフラの年代学的研究. 第四紀研究, 41, 225-236. https://doi.org/10.4116/jaqua.41.225
Okuno, M., Nakaumura, T., Mirowaki, H. and Kobayashi, T. (1997) AMS radiocarbon dating of the Sakurajima tephra group, Southern Kyushu, Japan. Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B: Beam Interactions with Materials and Atoms, 123, 470-474. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168583X96006143
桜島古期北岳
総噴出量: 合計見かけ体積 >1.6 km3
桜島古期北岳
噴火推移・概要: プリニー式噴火,溶岩流
プリニー式噴火が複数回発生した.現在の桜島に,古期北岳山体が潜伏している可能性が,観測井から採取された安山岩質の溶岩塊から示唆される.
- 分布
- 古期北岳噴出物は,桜島内に認められない.一方,観測井の深さ約350 mから古期北岳期と同年代の安山岩質溶岩が認められる (宇都ほか, 1999).
- 噴出量
合計見かけ体積 >1.6 km3
- DRE [km3]
- 0.64
- VEI
- 5
- 噴出量文献
小林ほか (2013)
- 岩質
- 安山岩, デイサイト
- 岩相
オレンジ色の軽石を本質物質にもつ (宮坂ほか, 2013) 降下軽石堆積物である.
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 63.5-64.5 wt.% (溶岩; 宇都ほか, 2005)
文献
小林哲夫・味喜大介・佐々木 寿・井口正人・山元孝広・宇都浩三 (2013) 桜島火山地質図 (第2版), 火山地質図, no. 1, 産総研地質調査総合センター. https://www.gsj.jp/Map/JP/volcano.html
宮坂瑞穂・中川光弘・吉本充宏・小林哲夫・奥野 充 (2013) 桜島火山におけるマグマ供給系の変化―姶良カルデラ形成噴火以降のテフラ噴出物からの解析―.「地震及び火山噴火予知観測研究計画」「桜島火山における多項目観測に基づく火山噴火準備過程解明のための研究 (代表 井口正人)」平成24年度成果報告書, 95-104.
奥野 充 (2002) 南九州に分布する最近約3万年間のテフラの年代学的研究. 第四紀研究, 41, 225-236. https://doi.org/10.4116/jaqua.41.225
Okuno, M., Nakaumura, T., Mirowaki, H. and Kobayashi, T. (1997) AMS radiocarbon dating of the Sakurajima tephra group, Southern Kyushu, Japan. Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B: Beam Interactions with Materials and Atoms, 123, 470-474. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168583X96006143
宇都浩三・味喜大介・内海 茂・石原和弘 (1999) 桜島火山ボーリングコアのK-Ar年代と古地磁気測定―火山活動史解明への複合的取り組み―, 京都大学防災研究所年報, 42, B-1, 27-34.
宇都浩三・味喜大介・Nguyen, H.・周藤正史・福島大輔・石原和弘 (2005) 桜島火山マグマ化学組成の時間変化. 京都大学防災研究所年報, no. 48 B, 341-347. https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/26514/1/a48b0p35.pdf
注釈
カルデラ形成噴火
姶良入戸噴火
総噴出量: 合計見かけ体積 877-1006 km3, DRE 353-414 km3
姶良Tn火山灰
噴火推移・概要: プリニー式噴火→イントラプリニー式噴火 (中規模火砕流) ・マグマ水蒸気噴火 (中規模火砕流) →大規模火砕流 (カルデラ形成)
姶良入戸噴火の一連活動により供給された細粒火山灰が降下し,姶良Tn火山灰 (AT)を堆積させた (町田・新井, 1976).
- 分布
- 日本列島全域を覆い,日本海全域・東シナ海・北太平洋の海底や朝鮮半島からも分布が報告されている (町田・新井,2003).
- 噴出量
見かけの体積 約300 km3, DRE 約120 km3
- DRE [km3]
- 120
- VEI
- 7
- 噴出量文献
宝田ほか (2022)
- 岩質
- 流紋岩
- 岩相
姶良入戸噴火によって噴出し,遠方まで飛散した降下火山灰を姶良Tn火山灰 (AT)と呼ぶ (町田・新井, 1976).AT火山灰は姶良カルデラから約1,500 km離れた北海道や,北太平洋の海底からも報告されている (例えば小田ほか, 2013).AT火山灰は,その岩相からいくつかの降下ユニットに区分されている (Nagaoka, 1988, 河合・三宅,1999).そのうち,基底のAT1層が大隅降下軽石の遠方相,AT2, 3および4層 (Nagaoka, 1988のAT I, ⅡおよびⅢ,町田・新井, 1992のA, BおよびC層) が入戸火砕流からのco-ignimbrite ashと考えられる (河合・三宅,1999).
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 74-77 wt.% (Geshi et al., 2020; 津久井・荒牧, 1990*) *一部特異な組成をもつ軽石は除外した.*姶良入戸噴火の他の堆積物の分析値も含まれる.
文献
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
河合小百合・三宅康幸 (1999) 姶良Tnテフラの粒度・鉱物組成:広域テフラの地域的変異の一例. 地質雑, 105, 597-608. https://doi.org/10.5575/geosoc.105.597
町田 洋・新井房夫 (1976) 広域に分布する火山灰―姶良Tn火山灰の発見とその意義. 科学, 46, 339-347.
町田 洋・新井房夫 (2003) 新編 火山灰アトラス.東京大学出版会. 360p.
Nagaoka, S. (1988) The late quaternary tephra layers from the caldera volcanoes in and around Kagoshima bay, southern Kyusyu, Japan. Geographical Reports of Tokyo Metropolitan University, 23, 49-122. http://hdl.handle.net/10748/3587
小田啓邦・宮城磯治・河合 淳・菅沼悠介・船木 實・今栄直也 (2013) 氷床コアに含まれる微量火山灰の磁気的手法による非破壊検出.第4回極域科学シンポジウム http://id.nii.ac.jp/1291/00011588/
Smith, V.C., Staff, R. A., Blockley, S. P. E., Ramsey, C. B. Nakagawa, T., Mark, D. F., Takemura, K., Danhara, T. and Suigetsu 2006 Project Members. (2013) Identification and correlation of visible tephras in the Lake Suigetsu SG06 sedimentary archive, Japan: chronostratigraphic markers for synchronising of east Asian/west Pacific palaeoclimatic records across the last 150 ka. Quat. Sci. Rev., 67, 121-137. https://doi.org/10.1016/j.quascirev.2013.01.026Get
宝田晋治・西原 歩・星住英夫・山崎 雅・金田泰明・下司信夫 (2022) 姶良カルデラ入戸火砕流堆積物分布図. 大規模火砕流分布図, no.1, 産総研地質調査総合センター, 32p. https://www.gsj.jp/Map/JP/lvi.html
津久井雅志・荒牧重雄 (1990) 姶良火砕噴火のマグマ溜り.火山, 35, 231-248. https://doi.org/10.18940/kazanc.35.2_231
姶良入戸噴火
総噴出量: 合計見かけ体積 877-1006 km3, DRE 353-414 km3
入戸火砕流-亀割坂角礫堆積物
噴火推移・概要: プリニー式噴火→イントラプリニー式噴火 (中規模火砕流) ・マグマ水蒸気噴火 (中規模火砕流) →大規模火砕流 (カルデラ形成)
姶良入戸噴火の主要な噴出物である入戸火砕流が妻屋火砕流に引き続いて噴出した.妻屋火砕流堆積物や垂水火砕流堆積物の上面には軽微な侵食構造がみられることがある.この侵食構造から,入戸火砕流の噴出までにわずかな時間間隙があったとの説 (Aramaki, 1984) と,この侵食は入戸火砕流による侵食であり時間間隙は示さないとする説 (上野,2007) がある.
入戸火砕流堆積物の大部分は塊状で,分布域縁辺部を除き顕著な堆積ユニットはみられないこと (Aramaki, 1984; 上野,2001など) や,火砕流にふくまれる火山灰構成粒子の垂直方向の変化から,火砕流の噴出と堆積が一定時間継続し,乱流状態で四方に流下したとするモデルが提案されている (上野,2001).
入戸火砕流堆積物の下部には,岩片濃集層 (亀割坂角礫層; Aramaki, 1984) が認められるが.これは入戸火砕流噴出初期に,カルデラの陥没開始に伴い破壊された基盤岩の破片が入戸火砕流により運搬され堆積したものと考えられる (荒牧, 1969).
- 分布
- 入戸火砕流は,姶良カルデラの全周にわたって分布する(宝田ほか, 2022).分布が確認された最遠方の地点は,人吉盆地北方の川辺川沿いおよび球磨川沿いで,給源から約90 km離れている (横山, 2000).亀割坂角礫は,カルデラ北東縁沿いで特に大規模に分布する (Aramaki, 1984).
- 噴出量
見かけの体積 500-600 km3, DRE 200-250 km3 *復元体積
- DRE [km3]
- 200-250
- VEI
- 7
- 噴出量文献
宝田ほか (2022)
- 岩質
- 流紋岩
- 岩相
入戸火砕流堆積物は,カルデラ近傍では垂水火砕流堆積物や妻屋火砕流堆積物を,遠方では大隅降下軽石堆積物を直接被覆し分布する火砕流堆積物である.下位の堆積物との境界には,軽微な侵食間隙がしばしば認められる (Aramaki, 1984).
入戸火砕流堆積物は,姶良カルデラ北部の一部地域では強溶結の層相を示すものの,大部分は,非溶結〜弱溶結の軽石流堆積物として認められる.大部分は塊状で,分布域縁辺部を除き顕著な堆積ユニットはみられない (Aramaki, 1984; 上野,2001など).本堆積物の下部には,しばしば岩片濃集層 (亀割坂角礫; Aramaki, 1984) が認められる.
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 74-77 wt.% (Geshi et al., 2020; 津久井・荒牧, 1990*) *一部特異な組成をもつ軽石は除外した.*姶良入戸噴火の他の堆積物の分析値も含まれる.
文献
荒牧重雄 (1964) 鹿児島県国分付近の地質 (その2), 火山, 9, 101-102. https://doi.org/10.18940/kazanc.9.2-3_101_2
荒牧重雄 (1969) 鹿児島県国分地域の地質と火砕流堆積物.地質雑, 75, 425-442. https://doi.org/10.5575/geosoc.75.425
Amaraki, S. (1984) Formation of the Aira Caldera, southern Kyushu, ~22,000 years ago. J. Geophys. Res., 89, 8485-8501. https://doi.org/10.1029/JB089iB10p08485
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
Smith, V.C., Staff, R. A., Blockley, S. P. E., Ramsey, C. B. Nakagawa, T., Mark, D. F., Takemura, K., Danhara, T. and Suigetsu 2006 Project Members. (2013) Identification and correlation of visible tephras in the Lake Suigetsu SG06 sedimentary archive, Japan: chronostratigraphic markers for synchronising of east Asian/west Pacific palaeoclimatic records across the last 150 ka. Quat. Sci. Rev., 67, 121-137. https://doi.org/10.1016/j.quascirev.2013.01.026Get
宝田晋治・西原 歩・星住英夫・山崎 雅・金田泰明・下司信夫 (2022) 姶良カルデラ入戸火砕流堆積物分布図. 大規模火砕流分布図, no.1, 産総研地質調査総合センター, 32p. https://www.gsj.jp/Map/JP/lvi.html
津久井雅志・荒牧重雄 (1990) 姶良火砕噴火のマグマ溜り.火山, 35, 231-248. https://doi.org/10.18940/kazanc.35.2_231
上野龍之 (2001) 火山灰粒子組成の垂直変化から見た側方・入戸火砕流の堆積機構.火山, 46, 257-268. https://doi.org/10.18940/kazan.46.5_257
上野龍之 (2007) 入戸火砕流堆積物に認められる石質岩片濃集部の特徴と形成機構.日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要, 42, 129-147.
横山勝三 (2000) 入戸火砕流堆積物の分布北限. 火山, 45, 209-216. https://doi.org/10.18940/kazan.45.4_209
姶良入戸噴火
総噴出量: 合計見かけ体積 877-1006 km3, DRE 353-414 km3
妻屋火砕流堆積物
噴火推移・概要: プリニー式噴火→イントラプリニー式噴火 (中規模火砕流) ・マグマ水蒸気噴火 (中規模火砕流) →大規模火砕流 (カルデラ形成)
大隅降下軽石の噴出の後,妻屋火砕流堆積物をもたらした火砕噴火が発生した.妻屋火砕流堆積物は大隅降下軽石堆積物を直接覆っており両堆積物間に顕著な時間間隙を示す証拠が認められないことから,一連の活動によるものと考えられる.分布から,姶良カルデラ内から噴出したと推測される.すなわち,噴出中心が大隅降下軽石噴火時の姶良カルデラ南端部から,妻屋火砕流噴出時にはカルデラ中心部に移動したことが推測される.妻屋火砕流と垂水火砕流の直接の関係は分布域が異なるため不明である.
妻屋火砕流堆積物の下部には斜交層理が発達する火砕サージ堆積物が認められること,火山豆石が堆積物中に多量に含まれること,堆積物がすべて非溶結の層相を示すことから,本噴火は,外来水の影響を受けたマグマ水蒸気噴火であった可能性が高い.
- 分布
- 姶良カルデラ周辺部,姶良カルデラから約20 km以内の領域に分布する.このうちカルデラ内部の標高400 m以下の地域が,主な分布域である.
- 噴出量
見かけ体積13.3 km3,噴出量15×1012 kg
- DRE [km3]
- 5.3
- VEI
- 6
- 噴出量文献
Aramaki (1984)
- 岩質
- 流紋岩
- 岩相
妻屋火砕流堆積物は,大隅降下軽石堆積物を直接被覆する非溶結の火砕物密度流堆積物である.妻屋火砕流堆積物と大隅降下軽石堆積物との間に顕著ない時間間隙を示す証拠は認められない.本堆積物は,淡桃褐色のガラス質火山灰を基質にもち,直径1 cmに及ぶ大型の火山豆石を多量に含み,軽石や岩片は少量認められる (Aramaki, 1984).本堆積物は,複数のフローユニットからなり,下部は斜交層理が発達する火砕サージ堆積物と解釈できる.
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 74-77 wt.% (Geshi et al., 2020; 津久井・荒牧, 1990*) *一部特異な組成をもつ軽石は除外した.*姶良入戸噴火の他の堆積物の分析値も含まれる.
文献
Amaraki, S. (1984) Formation of the Aira Caldera, southern Kyushu, ~22,000 years ago. J. Geophys. Res., 89, 8485-8501. https://doi.org/10.1029/JB089iB10p08485
荒牧重雄 (1964) 鹿児島県国分付近の地質 (その2), 火山, 9, 101-102. https://doi.org/10.18940/kazanc.9.2-3_101_2
福島大輔・小林哲夫 (2000) 大隅降下軽石に伴う垂水火砕流の発生・堆積様式. 火山, 45, 225-240. https://doi.org/10.18940/kazan.45.4_225
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
Smith, V.C., Staff, R. A., Blockley, S. P. E., Ramsey, C. B. Nakagawa, T., Mark, D. F., Takemura, K., Danhara, T. and Suigetsu 2006 Project Members. (2013) Identification and correlation of visible tephras in the Lake Suigetsu SG06 sedimentary archive, Japan: chronostratigraphic markers for synchronising of east Asian/west Pacific palaeoclimatic records across the last 150 ka. Quat. Sci. Rev., 67, 121-137. https://doi.org/10.1016/j.quascirev.2013.01.026Get
津久井雅志・荒牧重雄 (1990) 姶良火砕噴火のマグマ溜り.火山, 35, 231-248. https://doi.org/10.18940/kazanc.35.2_231
上野龍之 (2016) 姶良カルデラ妻屋火砕流堆積物の特徴,噴出量と給源. 火山, 61, 533-544. https://doi.org/10.18940/kazan.61.3_533
注釈
姶良入戸噴火
総噴出量: 合計見かけ体積 877-1006 km3, DRE 353-414 km3
垂水火砕流堆積物
噴火推移・概要: プリニー式噴火→イントラプリニー式噴火 (中規模火砕流) ・マグマ水蒸気噴火 (中規模火砕流) →大規模火砕流 (カルデラ形成)
プリニー式噴火の継続中に噴煙柱が部分的に崩壊し垂水火砕流が発生した (福島・小林,2000).垂水火砕流は複数回発生し,噴出地点から主に南側に流下し鹿児島地溝内に広がったと考えられる.垂水火砕流は,噴火後期のフローユニットほど遠方及び高所まで到達していることから,噴火が進行するにつれて,規模が大きくなったと考えられる (福島・小林,2000).
- 分布
- 鹿児島地溝東縁の垂水市海岸部.より後期に発生したフローユニットほど,遠方及び高所まで到達している (福島・小林2000).
- 噴出量
陸上に分布する火砕流の体積は1 km3以上,海域も含めた最大見積もりは約20 km3
- DRE [km3]
- 0.4-8
- VEI
- 6
- 噴出量文献
福島・小林 (2000)
- 岩質
- 流紋岩
- 岩相
垂水火砕流堆積物は,複数のフローユニットからなる軽石流堆積物である.これらのフローユニットは,大隅降下軽石堆積物と指交関係にある.上部にフローユニットほど,遠方および高所にまで分布している (福島・小林, 2000).
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 74-77 wt.% (Geshi et al., 2020; 津久井・荒牧, 1990*) *一部特異な組成をもつ軽石は除外した.*姶良入戸噴火の他の堆積物の分析値も含まれる.
文献
Amaraki, S. (1984) Formation of the Aira Caldera, southern Kyushu, ~22,000 years ago. J. Geophys. Res., 89, 8485-8501. https://doi.org/10.1029/JB089iB10p08485
福島大輔・小林哲夫 (2000) 大隅降下軽石に伴う垂水火砕流の発生・堆積様式. 火山, 45, 225-240. https://doi.org/10.18940/kazan.45.4_225
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
Smith, V.C., Staff, R. A., Blockley, S. P. E., Ramsey, C. B. Nakagawa, T., Mark, D. F., Takemura, K., Danhara, T. and Suigetsu 2006 Project Members. (2013) Identification and correlation of visible tephras in the Lake Suigetsu SG06 sedimentary archive, Japan: chronostratigraphic markers for synchronising of east Asian/west Pacific palaeoclimatic records across the last 150 ka. Quat. Sci. Rev., 67, 121-137. https://doi.org/10.1016/j.quascirev.2013.01.026Get
津久井雅志・荒牧重雄 (1990) 姶良火砕噴火のマグマ溜り.火山, 35, 231-248. https://doi.org/10.18940/kazanc.35.2_231
注釈
姶良入戸噴火
総噴出量: 合計見かけ体積 877-1006 km3, DRE 353-414 km3
大隅降下軽石堆積物
噴火推移・概要: プリニー式噴火→イントラプリニー式噴火 (中規模火砕流) ・マグマ水蒸気噴火 (中規模火砕流) →大規模火砕流 (カルデラ形成)
噴火は姶良カルデラ南縁部,現在の桜島付近から開始した (Kobayashi et al., 1983).
噴火はプリニー式噴火で開始し,噴火地点から南東方向に多量の軽石が降下した (大隅降下軽石).大隅降下軽石内に噴火の休止や噴火強度の低下を示すような降下ユニットはほとんど見られないことから,降下軽石の噴出はほぼ連続的であった.大隅降下軽石は全体として上方粗粒化を示す (Kobayashi et al., 1983) ことから,噴火が進行するにつれて噴出率が増加したことが示唆される.
- 分布
- おおよそ南東方向に主軸を持ち,九州南部に広く分布する.
- 噴出量
見かけ体積63-73 km3 ,DRE 27-31 km3
- DRE [km3]
- 27-31
- VEI
- 6
- 噴出量文献
Geshi and Miyabuchi (2016)
- 岩質
- 流紋岩
- 岩相
降下軽石層.最下部に細粒部があり,上方粗粒化する傾向にある (Kobayashi et al., 1983).
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 74-77 wt.% (Geshi et al., 2020; 津久井・荒牧, 1990*) *一部特異な組成をもつ軽石は除外した.*姶良入戸噴火の他の堆積物の分析値も含まれる.
文献
Amaraki, S. (1984) Formation of the Aira Caldera, southern Kyushu, ~22,000 years ago. J. Geophys. Res., 89, 8485-8501. https://doi.org/10.1029/JB089iB10p08485
Aramaki, S. and Ui, T. (1966) The aira and ata pyroclastic flows and related caldera and depressions in southern Kyushu, Japan. Bull. Volcanol., 29, 29-47. https://doi.org/10.1007/BF02597139
Geshi, N. and Miyabuchi, Y. (2016) Conduit enlargement during the precursory Plinian eruption of Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol. 78, 63. https://doi.org/10.1007/s00445-016-1057-9
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
Kobayashi, T., Hayakawa, Y. and Aramaki, S. (1983) Thickness and Grain-size Distribution of the Osumi Pumice Fall Deposit form the Aira Caldera. Bull. Volcanol. Soc. Japan, Ser.2, 28, 129-139. https://doi.org/10.18940/kazanc.28.2_129
Nagaoka, S. (1988) The late quaternary tephra layers from the caldera volcanoes in and around Kagoshima bay, southern Kyusyu, Japan. Geographical Reports of Tokyo Metropolitan University, 23, 49-122. http://hdl.handle.net/10748/3587
Smith, V.C., Staff, R. A., Blockley, S. P. E., Ramsey, C. B. Nakagawa, T., Mark, D. F., Takemura, K., Danhara, T. and Suigetsu 2006 Project Members. (2013) Identification and correlation of visible tephras in the Lake Suigetsu SG06 sedimentary archive, Japan: chronostratigraphic markers for synchronising of east Asian/west Pacific palaeoclimatic records across the last 150 ka. Quat. Sci. Rev., 67, 121-137. https://doi.org/10.1016/j.quascirev.2013.01.026Get
津久井雅志・荒牧重雄 (1990) 姶良火砕噴火のマグマ溜り.火山, 35, 231-248. https://doi.org/10.18940/kazanc.35.2_231
短期的前駆活動
なし
長期的前駆活動
毛梨野噴火
総噴出量: 見かけ体積 0.4 km3,噴出量0.44×1012 kg
毛梨野テフラ
噴火推移・概要: マグマ水蒸気噴火
姶良カルデラ北縁部の国分市毛梨野付近においてマグマと地下水が接触しマグマ水蒸気噴火が発生した.噴火は,火口の開口を示唆する爆発角礫と降下火山灰の噴出に始まり,さらに降下軽石,火口拡大による爆発角礫,火砕サージ,降下軽石・火山灰の噴出で終了した (長岡ほか, 2001).
- 分布
- 鹿児島県国分市 (現 霧島市) の玄亀庵付近が給源を給源とする.降下火砕堆積物は,毛梨野 (鹿児島県霧島市国分) から南南東方向に輝北町 (現 新鹿屋市) まで到達している (長岡ほか, 2001).
- 噴出量
見かけ体積0.4 km3,噴出量0.44×1012 kg
- DRE [km3]
- 0.17
- VEI
- 4
- 噴出量文献
長岡ほか (2001)
- 岩質
- 流紋岩
- 岩相
給源近傍では火砕サージ堆積物,遠方では降下軽石と火山豆石を含むガラス質降下火山灰層である(長岡ほか, 2001)
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 75-76 wt.% (Geshi et al., 2020)
文献
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
長岡信治 (1984) 大隅半島北部から宮崎平野に分布する後期更新世テフラ. 地学雑, 93, 347-370. https://doi.org/10.5026/jgeography.93.6_347
Nagaoka, S. (1988) The late quaternary tephra layers from the caldera volcanoes in and around Kagoshima bay, southern Kyusyu, Japan. Geographical Reports of Tokyo Metropolitan University, 23, 49-122. http://hdl.handle.net/10748/3587
長岡信治・奥野 充・新井房夫 (2001) 10万〜3万年前の姶良カルデラ火山のテフラ層序と噴火史. 地質雑, 107, 432-450. https://doi.org/10.5575/geosoc.107.432
奥野 充 (2002) 南九州に分布する最近約3万年間のテフラの年代学的研究. 第四紀研究, 41, 225-236. https://doi.org/10.4116/jaqua.41.225
深港噴火
総噴出量: 見かけ体積 7.5 km3,噴出量10.4×1012 kg
深港降下軽石,荒崎火砕流堆積物
噴火推移・概要: プリニー式噴火→火砕流
深港テフラは,プリニー式噴火とそれに続く火砕流噴火によりもたらされたテフラである (長岡ほか, 2001).
- 分布
- 降下軽石 (深港降下軽石) は姶良カルデラ東縁から大隅半島北部・宮崎平野にかけて,火砕流堆積物 (荒崎火砕流) は,姶良カルデラ南部の荒崎付近にのみ分布する.
- 噴出量
見かけ体積7.5 km3,噴出量10.4×1012 kg
- DRE [km3]
- 2
- VEI
- 5
- 噴出量文献
長岡ほか (2001)
- 岩質
- 流紋岩
- 岩相
深港テフラは,降下軽石堆積物 (深港降下軽石) とそれを直接覆う火砕流堆積物 (荒崎火砕流) からなる.深港降下軽石は,複数のフォールユニットで構成される.姶良カルデラ周辺では,7以上のフォールユニットが認められる (長岡ほか, 2001).荒崎火砕流は,無層理の非溶結火砕流堆積物である.軽石と火山灰からなり,黒曜石を特徴的に含む.火砕流最上部には,斜交層理の発達する火砕サージが認められる (長岡ほか, 2001).
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 73-77 wt.% (Geshi et al., 2020)
文献
荒牧重雄 (1977) 姶良カルデラの基盤と桜島の噴出物. 第2回桜島火山の集中総合観測, 京都大学防災研究所, 105-119.
荒牧重雄・宇井忠英 (1976) 南九州の火砕堆積物―斑晶鉱物のCa-Mg-Fe比による対比―.東京大学地震研究所彙報, 51, 151-182. https://doi.org/10.15083/0000033228
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
長岡信治・奥野 充・新井房夫 (2001) 10万〜3万年前の姶良カルデラ火山のテフラ層序と噴火史. 地質雑, 107, 432-450. https://doi.org/10.5575/geosoc.107.432
Nagaoka, S. (1988) The late quaternary tephra layers from the caldera volcanoes in and around Kagoshima bay, southern Kyusyu, Japan. Geographical Reports of Tokyo Metropolitan University, 23, 49-122. http://hdl.handle.net/10748/3587
奥野 充 (2002) 南九州に分布する最近約3万年間のテフラの年代学的研究. 第四紀研究, 41, 225-236. https://doi.org/10.4116/jaqua.41.225
大塚噴火
総噴出量: 見かけ体積 0.9 km3,噴出量0.63×1012 kg
大塚降下軽石堆積物
噴火推移・概要: プリニー式噴火
大塚降下軽石堆積物は,プリニー式噴火によってもたらされたテフラである (長岡, 1984).テフラ分布から推測すると,給源は姶良カルデラ内にあり,カルデラ北部から噴火したものと推測される.
- 分布
- 姶良カルデラ東縁から大隅半島北部・宮崎平野にかけて分布する.
- 噴出量
見かけ体積0.9 km3,噴出量0.63×1012 kg
- DRE [km3]
- 0.25
- VEI
- 4
- 噴出量文献
長岡ほか (2001)
- 岩質
- 流紋岩
- 岩相
大塚降下軽石堆積物は,白色〜黄白色の軽石を含む降下軽石堆積物である.少なくとも4つのフォールユニットに細分できる (長岡ほか, 2001).軽石は中程度に発泡しており,斑晶鉱物として石英,直方輝石,単斜輝石などを含む (長岡ほか, 2001).
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 74 wt.% (Geshi et al., 2020)
文献
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
長岡信治 (1984) 大隅半島北部から宮崎平野に分布する後期更新世テフラ. 地学雑, 93, 347-370. https://doi.org/10.5026/jgeography.93.6_347
長岡信治・奥野 充・新井房夫 (2001) 10万〜3万年前の姶良カルデラ火山のテフラ層序と噴火史. 地質雑, 107, 432-450. https://doi.org/10.5575/geosoc.107.432
奥野 充 (2002) 南九州に分布する最近約3万年間のテフラの年代学的研究. 第四紀研究, 41, 225-236. https://doi.org/10.4116/jaqua.41.225
牛根噴火
総噴出量: DRE >0.1 km3
牛根流紋岩溶岩
噴火推移・概要: 溶岩流
牛根流紋岩は, その岩相及び分布から,噴出地点は分布地域とほぼ同じく姶良カルデラ南東縁と考えられる (小林ほか, 1977).
- 分布
- 鹿児島県垂水市早崎付近に分布する.
- 噴出量
DRE >0.1 km3
- DRE [km3]
- >0.1
- 噴出量文献
Geshi et al. (2020)
- 岩質
- 流紋岩
- 岩相
牛根流紋岩溶岩は,鹿児島県垂水市早崎付近に分布する厚さ100 m以下の流紋岩である (小林ほか, 1977).加久藤火砕流堆積物と深港テフラとの間に認められる (周藤ほか, 2000).
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 75-76 wt.% (Geshi et al., 2020)
文献
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
小林哲夫・岩松 暉・露木利貞 (1977) 姶良カルデラ壁の火山地質と山くずれ災害. 鹿児島大学理学部紀要 (地学・生物学), 10, 53-73. http://hdl.handle.net/10232/5891
周藤正史・石原和弘・巽 好幸 (2000) 姶良カルデラ地域の先カルデラ火山活動史 : カルデラ北縁部加治木, 国分地域及び南縁部牛根地域の溶岩流試料のK-Ar年代測定.火山, 45, 1-12. https://doi.org/10.18940/kazan.45.1_1
清水噴火
総噴出量: DRE >0.5 km3
清水流紋岩溶岩
噴火推移・概要: 溶岩流
姶良カルデラの北縁付近で,溶岩流 (清水溶岩) が流出した.
- 分布
- 姶良カルデラ北西縁に断片的に分布する.
- 噴出量
DRE >0.5 km3
- DRE [km3]
- >0.5
- 噴出量文献
Geshi et al. (2020)
- 岩質
- 流紋岩
- 岩相
灰白色を呈する流紋岩質溶岩である (大塚・西井上, 1980).模式地は,鹿児島市清水町の国道10号線沿いの採石場である.模式地では柱状節理が著しく発達し,流理構造が認められる.また,黒川山山頂では黒曜岩となっており,場所による岩相変化が激しい (大塚・西井上, 1980)
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 75-76 wt.% (Geshi et al., 2020)
文献
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
大塚裕之・西井上剛資 (1980) 鹿児島湾北部沿岸地域の第四系.鹿児島大学理学部紀要(地学・生物学), 13, 35-76. http://hdl.handle.net/10232/5916
周藤正史・石原和弘・巽 好幸 (2000) 姶良カルデラ地域の先カルデラ火山活動史 : カルデラ北縁部加治木, 国分地域及び南縁部牛根地域の溶岩流試料のK-Ar年代測定.火山, 45, 1-12. https://doi.org/10.18940/kazan.45.1_1
岩戸噴火
総噴出量: 見かけ体積 (火砕流堆積物 5-10 km3,降下軽石 13 km3),総噴出量14.1〜20.1×1012 kg
岩戸テフラ
噴火推移・概要: プリニー式噴火→火砕流
降下火砕物を噴出するプリニー式噴火に始まり,火砕流堆積物および広域火山灰を飛散させる噴火推移を経たと考えられる(長岡ほか, 2001)
- 分布
- Iw-9: 国分市 (現 霧島市) 北部の重久付近に分布する (長岡ほか, 2001) Iw-8: 国分市 (現 霧島市) 北部の重久付近に分布する (長岡ほか, 2001) Iw-7: 国分市 (現 霧島市) 周辺から,姶良カルデラ東縁に分布する (長岡ほか, 2001). Iw-6: 宮崎平野まで分布が認められる (長岡ほか, 2001). Iw-5: 国分市 (現 霧島市) 城山公園南の周辺に分布する (長岡ほか, 2001). Iw-4: 国分市 (現 霧島市) 周辺半径数kmの狭い地域に分布する (長岡ほか, 2001). Iw-3: 国分市 (現 霧島市) 城山公園南の狭い地域に分布する (長岡ほか, 2001). Iw-2: 国分市 (現 霧島市) 城山公園周辺に分布している (長岡ほか, 2001). Iw-1: 姶良カルデラ北東の国分市 (現 霧島市) から,大隅半島北部の都城市を経て,宮崎平野中部の川南町に達する (長岡ほか, 2001).
- 噴出量
見かけ体積 火砕流堆積物5〜10 km3,
降下軽石13 km3
総噴出量 14.1〜20.1×1012 kg
- DRE [km3]
- ~2.2-4.4
- VEI
- 6
- 噴出量文献
長岡ほか (2001)
- 岩質
- 安山岩,流紋岩
- 岩相
姶良カルデラ北東部の国分平野近辺では,複数の降下ユニットを示す降下軽石層,降下軽石層を挟在する火砕サージ堆積物,火砕流堆積物の層序が確認できる.本質物として白色軽石,褐色~黒色スコリアおよび縞状軽石が認められる.火砕流堆積物(Iwt 7;長岡ほか, 2001)は溶結しているが,堆積物に含まれる軽石やスコリアの大部分は黒曜石レンズ化していない.遠方では降下軽石および広域火山灰の層序が確認でき,黄褐色~黄色を呈することから「第三オレンジ」「キンキラローム」とも呼ばれる(長岡, 1984; 長岡ほか, 2001).
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 57-58, 74-77 wt.% (Geshi et al., 2020)
文献
荒牧重雄 (1969) 鹿児島県国分地域の地質と火砕流堆積物.地質雑, 75, 425-442. https://doi.org/10.5575/geosoc.75.425
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
長岡信治 (1984) 大隅半島北部から宮崎平野に分布する後期更新世テフラ. 地学雑, 93, 347-370. https://doi.org/10.5026/jgeography.93.6_347
長岡信治・奥野 充・新井房夫 (2001) 10万〜3万年前の姶良カルデラ火山のテフラ層序と噴火史. 地質雑, 107, 432-450. https://doi.org/10.5575/geosoc.107.432
大田良平 (1967) 5万分の1地質図幅説明書「加治木」.地質調査所, 13p. https://www.gsj.jp/Map/JP/docs/5man_doc/15/15_081.htm
沢村孝之助 (1956) 5万分の1地質図幅説明書「国分」.地質調査所, 19p. https://www.gsj.jp/Map/JP/docs/5man_doc/15/15_082.htm
敷根噴火
総噴出量: 見かけ体積 約1.3 km3, 3.6×1012 kg
敷根溶岩
噴火推移・概要: 溶岩流
敷根溶岩は,福山降下軽石を覆い,岩戸テフラに覆われる溶岩流である (長岡ほか, 2001).
- 分布
- 鹿児島県国分市 (現 霧島市) 敷根周辺に分布する (長岡, 2001).
- 噴出量
体積約1.3 km3,噴出量3.6×1012 kg
- DRE [km3]
- 1.3
- 噴出量文献
長岡ほか (2001)
- 岩質
- 安山岩
- 岩相
暗灰色緻密な岩石からなり,火砕岩を挟在することから複数のフローユニットから成ると考えられている(新エネルギー総合開発機構, 1987).
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 53-54 wt.% (Geshi et al., 2020)
文献
荒牧重雄 (1969) 鹿児島県国分地域の地質と火砕流堆積物.地質雑, 75, 425-442. https://doi.org/10.5575/geosoc.75.425
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
長岡信治・奥野 充・新井房夫 (2001) 10万〜3万年前の姶良カルデラ火山のテフラ層序と噴火史. 地質雑, 107, 432-450. https://doi.org/10.5575/geosoc.107.432
新エネルギー総合開発機構 (1987) 昭和61年度全国地熱資源総合調査(第2次) 火山性熱水対流系地域タイプ2 (国分地域), 88p.
周藤正史・石原和弘・巽 好幸 (2000) 姶良カルデラ地域の先カルデラ火山活動史 : カルデラ北縁部加治木, 国分地域及び南縁部牛根地域の溶岩流試料のK-Ar年代測定.火山, 45, 1-12. https://doi.org/10.18940/kazan.45.1_1
福山噴火
総噴出量: 見かけ体積 >40 km3, >28×1012 kg
福山降下軽石堆積物
噴火推移・概要: プリニー式噴火
大規模な火砕噴火が発生し,高く安定した噴煙柱が形成され,福山降下軽石がもたらされた (長岡ほか, 2001).
- 分布
- 姶良カルデラ北東部から北東方向への分布軸をもち,大隅半島南部から宮崎平野までの広範囲に分布している (奥野ほか, 1995; 成尾, 1997).
- 噴出量
見かけ体積 > 40 km3,噴出量 > 28×1012 kg
- DRE [km3]
- 11
- VEI
- 6
- 噴出量文献
長岡ほか (2001)
- 岩質
- 流紋岩
- 岩相
発泡度がやや低く特徴的に角閃石を含む白色軽石が主体の降下軽石層である(長岡, 1984; 長岡ほか, 2001).少なくとも8層以上の降下ユニットが認められており,遠方ではごま塩状の粗粒火山灰堆積物として産出する.
- 全岩化学組成 (SiO2)
- 68-70 wt.% (Geshi et al., 2020)
文献
荒牧重雄 (1969) 鹿児島県国分地域の地質と火砕流堆積物.地質雑, 75, 425-442. https://doi.org/10.5575/geosoc.75.425
荒牧重雄・宇井忠英 (1976) 南九州の火砕堆積物―斑晶鉱物のCa-Mg-Fe比による対比―.東京大学地震研究所彙報, 51, 151-182. https://doi.org/10.15083/0000033228
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
長岡信治 (1984) 大隅半島北部から宮崎平野に分布する後期更新世テフラ. 地学雑, 93, 347-370. https://doi.org/10.5026/jgeography.93.6_347
長岡信治・奥野 充・新井房夫 (2001) 10万〜3万年前の姶良カルデラ火山のテフラ層序と噴火史. 地質雑, 107, 432-450. https://doi.org/10.5575/geosoc.107.432
成尾英仁 (1997) 鹿児島県輝北町における阿多以降のテフラ.鹿児島県博物館研究報告, 16, 57-64.
奥野 充・成尾英仁・新井房夫・小林哲夫 (1995) 大隅半島南部に分布する後期更新世テフラ.鹿児島大学理学部紀要 (地学・生物学), 28, 101-110.
金剛寺噴火
総噴出量: 見かけ体積 0.08 km3, 0.088×1012 kg
金剛寺火砕サージ堆積物
噴火推移・概要: マグマ水蒸気噴火
比較的小規模なマグマ水蒸気噴火が発生し,火砕サージを堆積させた.一部は,降下火山灰として堆積したと考えられる (長岡ほか, 2001).金剛寺火砕サージ堆積物の分布から,噴火口の位置は姶良カルデラ北東部の国分市市街の載る天降川左岸の沖積平野下と考えられる (長岡ほか, 2001).
- 分布
- 鹿児島県国分市 (現 霧島市) 周辺10-15 kmの範囲に分布する (長岡, 2001).
- 噴出量
見かけ体積 0.08 km3,噴出量 0.088×1012 kg
- DRE [km3]
- 0.032
- VEI
- 3
- 噴出量文献
長岡ほか (2001)
- 岩質
- デイサイト, 流紋岩
- 岩相
金剛寺火砕サージ堆積物は,角礫混じりの不淘汰な石質火山灰からなり,灰色のデイサイト質岩片を含む火砕サージ堆積物である.模式地 (国分市 (現霧島市) 城山公園登山道付近, 長岡ほか, 2001のFig. 3における地点3) では,層厚140 cm以上であり,弱い斜交層理が発達する.一方層厚100 cm以下の地点では,層理は見られず淘汰が良い (長岡ほか, 2001).
文献
長岡信治・奥野 充・鳥井真之 (1997) 2万5千年以前の姶良カルデラの噴火史. 月刊地球, 19, 257-269
長岡信治・奥野 充・新井房夫 (2001) 10万~3万年前の姶良カルデラ火山のテフラ層序と噴火史. 地質雑, 107, 432-450. https://doi.org/10.5575/geosoc.107.432
注釈
引用文献
荒牧重雄 (1964) 鹿児島県国分付近の地質 (その2), 火山, 9, 101-102. https://doi.org/10.18940/kazanc.9.2-3_101_2
荒牧重雄 (1969) 鹿児島県国分地域の地質と火砕流堆積物.地質雑, 75, 425-442. https://doi.org/10.5575/geosoc.75.425
荒牧重雄 (1977) 姶良カルデラの基盤と桜島の噴出物. 第2回桜島火山の集中総合観測, 京都大学防災研究所, 105-119.
Amaraki, S. (1984) Formation of the Aira Caldera, southern Kyushu, ~22,000 years ago. J. Geophys. Res., 89, 8485-8501. https://doi.org/10.1029/JB089iB10p08485
Aramaki, S. and Ui, T. (1966) The aira and ata pyroclastic flows and related caldera and depressions in southern Kyushu, Japan. Bull. Volcanol., 29, 29-47. https://doi.org/10.1007/BF02597139
荒牧重雄・宇井忠英 (1976) 南九州の火砕堆積物―斑晶鉱物のCa-Mg-Fe比による対比―.東京大学地震研究所彙報, 51, 151-182. https://doi.org/10.15083/0000033228
福島大輔・小林哲夫 (2000) 大隅降下軽石に伴う垂水火砕流の発生・堆積様式. 火山, 45, 225-240. https://doi.org/10.18940/kazan.45.4_225
Geshi, N. and Miyabuchi, Y. (2016) Conduit enlargement during the precursory Plinian eruption of Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol. 78, 63. https://doi.org/10.1007/s00445-016-1057-9
Geshi, N., Yamada, I., Matsumoto, K., Nishihara, A. and Miyagi, I. (2020) Accumulation of rhyolite magma and triggers for a caldera-forming eruption of the Aira Caldera, Japan. Bull. Volcanol., 82, 44. https://doi.org/10.1007/s00445-020-01384-6
本間不二夫 (1935) 日本火山誌「桜島」.火山, 第1集, 2, 226-296.
鹿児島県編 (1927) 桜島大正噴火誌. 鹿児島県, p466.
Kano, K., Yamamoto, T. and Ono, K. (1996) Subaqueous eruption and emplacement of the Shinjima Pumice, Shinjima (Moeshima) Island, Kagoshima Bay, SW Japan. J. Volcanol. Geothrem. Res., 71, 187-206. https://doi.org/10.1016/0377-0273(95)00077-1
鹿野和彦・柳沢幸夫・内村公大・奥村 充・中村俊夫 (2020) 鹿児島湾奥,新島に露出する最上部更新統〜完新統の層序と起源. 地質雑, 126, 519-525. https://doi.org/10.5575/geosoc.2020.0024
河合小百合・三宅康幸 (1999) 姶良Tnテフラの粒度・鉱物組成:広域テフラの地域的変異の一例. 地質雑, 105, 597-608. https://doi.org/10.5575/geosoc.105.597
小林哲夫 (1982) 桜島火山の地質: これまでの研究の成果と今後の課題. 火山, 27, 277-292. https://doi.org/10.18940/kazanc.27.4_277
小林哲夫 (1986) 桜島火山の断続噴火によって形成された火山灰層. 鹿児島県南科研資料センター報告書特別号, 1, 1-12.
小林哲夫 (1986) 桜島火山の形成史と火砕流.文部省科学研究費自然災害特別研究, 計画研究報告書「火山噴火に伴う乾燥粉体流 (火砕流) の特質と災害」, 137-163.
小林哲夫 (2009) 桜島火山,安永噴火 (1779-1782年) で生じた新島 (安永諸島) の成因. 火山, 54, 1-13. https://doi.org/10.18940/kazan.54.1_1
小林哲夫 (2014) 桜島火山. 桜島大正噴火100周年記念誌 (Memorial Magazine for the 100th Anniversary of the 1914 Taisho eruption of Sakurajima Volcano), 桜島大正噴火100周年事業実行委員会, 18-29. http://www.pref.kagoshima.jp/aj01/bosai/sonae/sakura100/documents/38032_20140320114843-1.pdf
小林哲夫・江崎真美子 (1997) 桜島火山,噴火史の再検討. 月刊地球, 19, 227-231.
小林哲夫・佐々木寿 (2014) 桜島火山, 地質雑, 120, 63-78. https://doi.org/10.5575/geosoc.2014.0020
小林哲夫・溜池俊彦 (1999) 桜島火山,薩摩テフラの層厚・粒径の変化. 平成9・10年度科学研究費補助金(基盤研究C(2))研究成果報告書「高密度重力測定による桜島火山体密度構造探査」(代表者:宮町宏樹), 31-97.
小林哲夫・溜池俊彦 (2002) 桜島火山の噴火史と火山災害の歴史. 第四紀研究, 41, 269-278. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaqua1957/41/4/41_4_269/_article/-char/ja/
Kobayashi, T., Hayakawa, Y. and Aramaki, S. (1983) Thickness and Grain-size Distribution of the Osumi Pumice Fall Deposit form the Aira Caldera. Bull. Volcanol. Soc. Japan, Ser.2, 28, 129-139. https://doi.org/10.18940/kazanc.28.2_129
小林哲夫・岩松 暉・露木利貞 (1977) 姶良カルデラ壁の火山地質と山くずれ災害. 鹿児島大学理学部紀要 (地学・生物学), 10, 53-73. http://hdl.handle.net/10232/5891
小林哲夫・味喜大介・佐々木 寿・井口正人・山元孝広・宇都浩三 (2013) 桜島火山地質図 (第2版), 火山地質図, no. 1, 産総研地質調査総合センター. https://www.gsj.jp/Map/JP/volcano.html
町田 洋・新井房夫 (1976) 広域に分布する火山灰―姶良Tn火山灰の発見とその意義. 科学, 46, 339-347.
町田 洋・新井房夫 (2003) 新編 火山灰アトラス.東京大学出版会. 360p.
味喜大介 (1999) 古地磁気方位・強度測定による桜島の溶岩流の年代測定. 火山, 44, 111-122. https://doi.org/10.18940/kazan.44.3_111
味喜大介・小林哲夫 (2016) 桜島火山・南岳の形成過程: 溶岩の古地磁気学的年代と噴出量からの考察. 火山, 61, 237-252. https://www.jstage.jst.go.jp/article/kazan/61/1/61_KJ00010257777/_article/-char/ja/
宮坂瑞穂・中川光弘・吉本充宏・小林哲夫・奥野 充 (2013) 桜島火山におけるマグマ供給系の変化―姶良カルデラ形成噴火以降のテフラ噴出物からの解析―.「地震及び火山噴火予知観測研究計画」「桜島火山における多項目観測に基づく火山噴火準備過程解明のための研究 (代表 井口正人)」平成24年度成果報告書, 95-104.
森脇 広 (1994) 桜島テフラ―層序・分布と細粒火山灰層の層位―.平成4・5年度科学研究費補助金 (一般研究C) 研究成果報告書 (研究代表者 森脇 広)「鹿児島湾周辺における第四紀後期の細粒火山灰層に関する古環境学的研究」, 1-20.
森脇 広・永迫俊郎・西澤文勝・松島義章・鈴木毅彦・田中源吾 (2017) テフラ編年と14C年代に基づく鹿児島湾奥,新島 (燃島) の海成堆積物の編年とその意義. 地学雑, 126, 557-579. https://doi.org/10.5026/jgeography.126.557
長岡信治 (1984) 大隅半島北部から宮崎平野に分布する後期更新世テフラ. 地学雑, 93, 347-370. https://doi.org/10.5026/jgeography.93.6_347
Nagaoka, S. (1988) The late quaternary tephra layers from the caldera volcanoes in and around Kagoshima bay, southern Kyusyu, Japan. Geographical Reports of Tokyo Metropolitan University, 23, 49-122. http://hdl.handle.net/10748/3587
長岡信治・奥野 充・新井房夫 (2001) 10万〜3万年前の姶良カルデラ火山のテフラ層序と噴火史. 地質雑, 107, 432-450. https://doi.org/10.5575/geosoc.107.432
長岡信治・奥野 充・鳥井真之 (1997) 2万5千年以前の姶良カルデラの噴火史.月刊地球, 19, 257-262.
成尾英仁 (1997) 鹿児島県輝北町における阿多以降のテフラ.鹿児島県博物館研究報告, 16, 57-64.
西村光史・小林哲夫 (2015) 姶良カルデラ,高野ベースサージ堆積物と新島火砕流堆積物の化学的特徴.月刊地球, 37, 259-264.
小田啓邦・宮城磯治・河合 淳・菅沼悠介・船木 實・今栄直也 (2013) 氷床コアに含まれる微量火山灰の磁気的手法による非破壊検出.第4回極域科学シンポジウム http://id.nii.ac.jp/1291/00011588/
奥野 充 (2002) 南九州に分布する最近約3万年間のテフラの年代学的研究. 第四紀研究, 41, 225-236. https://doi.org/10.4116/jaqua.41.225
奥野 充・成尾英仁・新井房夫・小林哲夫 (1995) 大隅半島南部に分布する後期更新世テフラ.鹿児島大学理学部紀要 (地学・生物学), 28, 101-110.
Okuno, M., Nakaumura, T., Mirowaki, H. and Kobayashi, T. (1997) AMS radiocarbon dating of the Sakurajima tephra group, Southern Kyushu, Japan. Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B: Beam Interactions with Materials and Atoms, 123, 470-474. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168583X96006143
大田良平 (1967) 5万分の1地質図幅説明書「加治木」.地質調査所, 13p. https://www.gsj.jp/Map/JP/docs/5man_doc/15/15_081.htm
大塚裕之・西井上剛資 (1980) 鹿児島湾北部沿岸地域の第四系.鹿児島大学理学部紀要(地学・生物学), 13, 35-76. http://hdl.handle.net/10232/5916
沢村孝之助 (1956) 5万分の1地質図幅説明書「国分」.地質調査所, 19p. https://www.gsj.jp/Map/JP/docs/5man_doc/15/15_082.htm
新エネルギー総合開発機構 (1987) 昭和61年度全国地熱資源総合調査(第2次) 火山性熱水対流系地域タイプ2 (国分地域), 88p.
Smith, V.C., Staff, R. A., Blockley, S. P. E., Ramsey, C. B. Nakagawa, T., Mark, D. F., Takemura, K., Danhara, T. and Suigetsu 2006 Project Members. (2013) Identification and correlation of visible tephras in the Lake Suigetsu SG06 sedimentary archive, Japan: chronostratigraphic markers for synchronising of east Asian/west Pacific palaeoclimatic records across the last 150 ka. Quat. Sci. Rev., 67, 121-137. https://doi.org/10.1016/j.quascirev.2013.01.026Get
周藤正史・石原和弘・巽 好幸 (2000) 姶良カルデラ地域の先カルデラ火山活動史 : カルデラ北縁部加治木, 国分地域及び南縁部牛根地域の溶岩流試料のK-Ar年代測定.火山, 45, 1-12. https://doi.org/10.18940/kazan.45.1_1
高橋正樹・大塚匤・川俣博史・迫寿・安井真也・金丸龍夫・大槻明・島田純・厚地貴文・梅澤孝典・白石哲朗・市来祐美・佐竹紳・小林哲夫・石原和弘・味喜大介 (2011) 桜島火山および姶良カルデラ噴出物の全岩化学組成―分析データ583個の総括―. 日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要, 46, 133-200.
Takahashi, M., Otsuka, T., Sako, H., Kawamata, H., Yasui, M., Kanamaru, T., Otsukim M., Kobayashi, T., Ishihara, K. and Miki, D. (2013) Temporal Variation for Magmatic Chemistry of the Sakurajima Volcano and Aira Caldera Region, Southern Kyushu, Southwest Japan since 61 ka and Its Implications for the Evolution of Magma Chamber System(<Special Section>Sakurajima Special Issue). Bull. Volcanol. Soc. Japan, 58, 19-42. https://doi.org/10.18940/kazan.58.1_19
宝田晋治・西原 歩・星住英夫・山崎 雅・金田泰明・下司信夫 (2022) 姶良カルデラ入戸火砕流堆積物分布図. 大規模火砕流分布図, no.1, 産総研地質調査総合センター, 32p. https://www.gsj.jp/Map/JP/lvi.html
津久井雅志 (2011) 史料にもとづく桜島火山1779年安永噴火の降灰分布. 火山, 56, 89-94. https://doi.org/10.18940/kazan.56.2-3_89
津久井雅志・荒牧重雄 (1990) 姶良火砕噴火のマグマ溜り.火山, 35, 231-248. https://doi.org/10.18940/kazanc.35.2_231
上野龍之 (2001) 火山灰粒子組成の垂直変化から見た側方・入戸火砕流の堆積機構.火山, 46, 257-268. https://doi.org/10.18940/kazan.46.5_257
上野龍之 (2007) 入戸火砕流堆積物に認められる石質岩片濃集部の特徴と形成機構.日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要, 42, 129-147.
上野龍之 (2016) 姶良カルデラ妻屋火砕流堆積物の特徴,噴出量と給源. 火山, 61, 533-544. https://doi.org/10.18940/kazan.61.3_533
宇都浩三・味喜大介・内海 茂・石原和弘 (1999) 桜島火山ボーリングコアのK-Ar年代と古地磁気測定―火山活動史解明への複合的取り組み―, 京都大学防災研究所年報, 42, B-1, 27-34.
宇都浩三・味喜大介・Nguyen, H.・周藤正史・福島大輔・石原和弘 (2005) 桜島火山マグマ化学組成の時間変化. 京都大学防災研究所年報, no. 48 B, 341-347. https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/26514/1/a48b0p35.pdf
横山勝三 (2000) 入戸火砕流堆積物の分布北限. 火山, 45, 209-216. https://doi.org/10.18940/kazan.45.4_209