Version 1.0.5

摩周カルデラ 支笏カルデラ 洞爺カルデラ 濁川カルデラ 十和田カルデラ 姶良カルデラ 阿多カルデラ 池田カルデラ
火山の位置(厳密なカルデラ・火口の位置を示すものではない)

主要な活動

支笏カルデラの層序概念図
図の詳細に関しては【こちら】
支笏カルデラの噴火時系列図.横軸は年代(ka),縦軸およびバブルの大きさ・色は構成要素のVEIに対応する.
図の詳細に関しては【こちら】

支笏カルデラ形成期噴出物の総合柱状図(中川ほか,2018)©東京地学協会

Unit B(Spfa-1)のおよびUnit C, D, E(Spfl)の分布域(中川ほか,2018) ©東京地学協会

後カルデラ火山活動

樽前

Tarumae (Tarumai)
年代: 9 cal ka - 1981年
年代手法: 14C年代
年代文献: 佐藤(1971),古川ほか(2006)
噴出源: 樽前火山

総噴出量: 見かけ体積 16 km3;DRE5.9km3

樽前火山噴出物

たるまえかざんふんしゅつぶつ
Tarumae Volcanic Products
噴火推移・概要: 第1活動期(2回のプリニー式噴火とそれに伴う小規模火砕流の発生)→第2活動期(断続的に3回のプリニー式噴火の発生)→第3活動期(1667年,1739年に大きなプリニー式噴火,それ以降は小規模噴火を70回以上発生)

樽前火山の活動は,およそ 9000 年前に開始し.1000 年以上の休止期を挟み 3 つステージに分けられる.第 1 活動期はおよそ 9000 年前から,第 2 活動期はおよそ 2500~2000 年前,第 3 活動期は 1667 年から現在までの活動である.第 1 活動期は,2 回のプリニー式噴火 (Ta-d1, 2) が起こり,それに伴い小規模火砕流が発生した.第 2 活動期には,3 回のプリニー式噴火が休止期を挟み断続的に発生した.第 3 活動期では,1667 年と 1739 年に規模の大きなプリニー式噴火が発生した.19 世紀以降は小規模な噴火が主となるが,70 回以上の噴火が発生,記録されている (古川・中川, 2010).

分布
火砕流は樽前火山周辺に,降下火砕物は北海道中部〜東部にかけて幅広く分布する.
噴出量

見かけ体積 >1.61 km3

DRE [km3]
5.92
VEI
5
噴出量文献

古川・中川(2010)

岩質
安山岩, デイサイト
岩相

山頂部に溶岩ドームがあり,山体斜面や山麓には,火砕流堆積物や降下火砕物が分布する.

全岩化学組成 (SiO2)
50.5-63.2 wt.%
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

樽前火山の積算マグマ噴出量階段図 (古川・中川,2010) ©産総研地質調査総合センター


樽前火山噴出物の全岩化学組成 (古川・中川,2010) ©日本地質学会


文献

古川竜太・中川光弘 (2010) 樽前火山地質図.1 : 30,000. 地質調査総合センター. https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/tarumae/index.html

古川竜太・中川光弘・古堅千絵・吉本充宏 (2006) 樽前火山先史時代の噴火活動. 月刊地球, 28, 302-307. https://ci.nii.ac.jp/naid/40007294012

佐藤博之 (1971) 樽前火山灰 d 層の 14C 年代: 日本の第四紀層の 14C 年代 (65). 地球科学, 25, 185-186. https://www.jstage.jst.go.jp/article/agcjchikyukagaku/25/4/25_KJ00005295671/_article/-char/ja/

注釈

VEIは個々の噴火で最も規模の大きなもので代表した.

恵庭

Eniwa
年代: 19-21 cal ka -
年代手法: 14C年代
年代文献: 町田・新井 (2003), 加藤 (1994), 梅津 (1986), 中村 (1973)
噴出源: 恵庭火山

総噴出量: 見かけ体積 (En-a) 8.9 km3;火山体の体積 5.7 km3

恵庭火山噴出物

えにわかざんふんしゅつぶつ
Eniwa Volcanic Products
噴火推移・概要: 火砕噴火?→プリニー式噴火→溶岩流・溶岩ドーム→少なくとも3回のマグマ水蒸気噴火

恵庭火山は,支笏カルデラ北西部で活動し,En-c (>26 ka),En-a (16~13 ka) の火砕噴火を発生させた.En-a は,比較的規模が大きいプリニー式噴火である.この後に溶岩および砕屑物から成る火山体を形成したと考えられる (土井, 1957 ; 春日井ほか,1974).恵庭火山における最後のマグマ噴火は, 約 2000 年前に発生したと考えられ,その後,少なくとも 3 回にわたり水蒸気爆発を発生させた (中村, 1973 ; 中川ほか, 1994).

分布
溶岩流や溶岩ドーム等が山体を構成する,北西山麓にポロピナイ岩屑なだれ堆積物,南西山麓にオコタン岩屑なだれ堆積物が分布する.En-a降下軽石は,東方向に道東付近まで分布する.
噴出量

見かけ体積 (En-a) 8.9 km3;火山体の体積 5.7 km3

DRE [km3]
11.04
VEI
5
噴出量文献

中川 (1993)

岩質
安山岩, デイサイト
岩相

山体は,厚い溶岩流と溶岩ドームからなり,山麓部には岩屑なだれ堆積物が認められる.

全岩化学組成 (SiO2)
56-65 wt.%
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

恵庭火山の地質図 (中川ほか, 1994) ©日本火山学会.


文献

土井繁雄 (1957) 5万分の1地質図幅「樽前山」および説明書. 北海道地下資源調査所, 51. http://www.hro.or.jp/list/environmental/research/gsh/publication/map/map04/area/explanation_leaflet_pdf/sapporo41.pdf

藤山広武・田沼穣 (1972) 十勝平野に分布する内陸古砂丘の 14C 年代 日本の第四紀層の 14 C 年代 (72). 地球科学, 26, 136-137. https://www.jstage.jst.go.jp/article/agcjchikyukagaku/26/3/26_KJ00005295728/_article/-char/ja/

春日井昭・石橋教子・大貫康行・柏原信・鈴木久恵・田中秀樹・松田紘一 (1974) 恵庭火山の降下軽石層-分布と層準についての改定―. 地球科学, 28, 115-127. https://doi.org/10.15080/agcjchikyukagaku.28.4_115

加藤茂弘 (1994) 恵庭 a 降下軽石層の降下年代とその降下前後の古気候. 地理学評論 Ser. A, 67, 45-54. https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj1984a/67/1/67_1_45/_article/-char/ja/

町田洋・新井房夫 (2003) 新編火山灰アトラス-日本列島とその周辺. 東京大学出版会, 336.

中川光弘 (1993) 後支笏カルデラ火山群の形成史・活動様式及びマグマ系. 計画研究「火山災害の規模と特性」報告書, 文部科学省研究費自然災害特別研究, 27-42.

中川光弘・増田健介・勝井義雄 (1994) 後支笏カルデラ,恵庭火山の最新の噴火活動. 火山, 39, 237-241. https://doi.org/10.18940/kazan.39.5_237

中村忠久 (1973) 恵庭火山の中期噴出物の14C年代―日本の第四紀層の14C年代 (82)―.地球科学, 27, 42-43. https://doi.org/10.15080/agcjchikyukagaku.27.1_42

梅津 譲 (1987) 恵庭 a 降下軽石及び樽前 d 降下軽石の年代に関する資料. 東北地理, 39, 141-143. https://www.jstage.jst.go.jp/article/tga1948/39/2/39_2_141/_article

風不死

Fuppushi
年代: 25-26 cal ka - *
年代手法: 14C年代
年代文献: 古川・中川 (2010), 石橋ほか(1973)
噴出源: 風不死火山

総噴出量: 見かけ体積 (n.En-b) 4.5 km3;火山体の体積 5.7 km3

風不死火山噴出物

ふっぷしかざんふんしゅつぶつ
Fuppushi Volcanic Products
噴火推移・概要: 安山岩溶岩?→プリニー式噴火→溶岩,マグマ水蒸気噴火→水蒸気噴火

不風死火山の活動は,支笏カルデラ形成後に始まったとされる.不風死火山は,大きく古期火山体と新期火山体に分けることができる.古期火山体は,新期火山体により覆われている複数の火山体を指す.新期火山体は,溶岩流及び溶岩ドーム,それらの崩落による火砕流堆積物と flow foot breccia から成る (中川, 1993).26~25 cal ka のプリニー式噴火以降は,溶岩主体の活動に移行したと考えられる (石橋ほか, 1973) が,少なくとも一回はマグマ水蒸気噴火を発生させたと考えられる (古川・中川, 2009).また,最新期の噴火は,完新世中葉の水蒸気噴火である可能性が高い (古川・中川, 2009).

分布
溶岩および溶岩ドームは,山体を構成する.火砕流は風不死火山山麓に分布する.降下火砕物は社台台地において認められる
噴出量

見かけ体積 (nEn-b) 4.5 km3;火山体の体積 5.7 km3

DRE [km3]
8.4
VEI
5
噴出量文献

中川 (1993)

岩質
安山岩, デイサイト
岩相

山体中心部は,厚い溶岩流と溶岩ドーム群からなり,山麓部では火砕流堆積物が認められる.

全岩化学組成 (SiO2)
59-65 wt.%
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

恵庭火山及び風不死火山噴出物の分布 (春日井ほか, 1974) ©地学団体研究会. 図中のn.En-bは,風不死火山起源の降下軽石である.


文献

石橋教子・大貫安行・柏原信・春日井昭・鈴木久恵・田中秀樹 (1973) 北海道月寒丘陵に分布する恵庭降下軽石層の14C年代―日本の第四紀層の14C年代 (86)―. 地球科学, 27, 208-210. https://doi.org/10.15080/agcjchikyukagaku.27.5_208

古川竜太・中川光弘 (2010) 樽前火山地質図.1 : 30,000. 地質調査総合センター. https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/tarumae/index.html

中川光弘 (1993) 後支笏カルデラ火山群の形成史・活動様式及びマグマ系. 計画研究「火山災害の規模と特性」報告書, 文部科学省研究費自然災害特別研究, 27-42.

注釈

*n.En-b (26-25 ka) には,風不死起源と考えられる類質岩片が含まれることから,風不死火山はそれ以前にも活動していた可能性がある (古川・中川, 2009).

カルデラ形成噴火

支笏噴火 (Sp-1)

Shikotsu Eruption (Sp-1)
年代: 46 cal ka
年代手法: 14C年代
年代文献: Uesawa et al. (2016)
噴出源: 支笏カルデラ

総噴出量: 見かけ体積 350-390 km3,DRE 120-128 km3

支笏火砕流堆積物 (Unit F)

しこつかさいりゅうたいせきぶつ (ゆにっと F)
Unit F
名称出典: 中川ほか (2018)
噴火推移・概要: マグマ水蒸気噴火→プリニー式噴火・小規模火砕流→小休止→大規模火砕流 (カルデラ形成) →小休止→断続的な火砕流発生→小規模プリニー式噴火・火砕サージ

噴煙柱を形成,その後噴煙柱が崩壊し火砕サージが発生したと考えられる

分布
カルデラより南方の覚生(おぼっぷ)地域において認められる (中川ほか, 2018).詳細な分布域は不明.
噴出量

-

DRE [km3]
-
岩質
安山岩, デイサイト, 流紋岩
岩相

岩相により下位の降下軽石堆積物と上位の火砕サージ堆積物に区分される.降下軽石堆積物は,暗褐色を呈し,円磨度の悪い軽石が主体であり,わずかに 岩片を含む.火砕サージ堆積物は,シルトサイズの火山灰を基質にもち,円磨度の高い軽石・および岩片,火山豆石を含む.成層構造が認められ,下部から上部にかけて色調が変化する (暗褐色→灰褐色).最上部の火砕サージ堆積物は,赤褐色の砂サイズ火山灰を基質にもち,円磨度の高い軽石を含む.

全岩化学組成 (SiO2)
<67 wt.%(CR-type), >67 wt.%(CP-type)
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

Unit Fの露頭写真(中川ほか,2018) ©東京地学協会


文献

中川光弘・宮坂瑞穂・富島千春・松本亜希子・長谷龍一 (2018) 支笏湖南方地域の火口近傍堆積物層序からみた46 ka支笏カルデラ形成噴火推移. 地学雑, 127, 247-271. https://doi.org/10.5026/jgeography.127.247

Uesawa S., Nakagawa M., Umetsu A. (2016) Explosive eruption activity and temporal magmatic changes at Yotei Volcano during the last 50,000 years, southwest Hokkaido, Japan. J. Volcanol. Geotherm. Res., 325, 27-44. https://doi.org/10.1016/j.jvolgeores.2016.06.008

支笏噴火 (Sp-1)

Shikotsu Eruption (Sp-1)
年代: 46 cal ka
年代手法: 14C年代
年代文献: Uesawa et al. (2016)
噴出源: 支笏カルデラ

総噴出量: 見かけ体積 350-390 km3,DRE 120-128 km3

支笏火砕流堆積物 (Unit E)

しこつかさいりゅうたいせきぶつ (ゆにっと E)
Unit E
名称出典: 中川ほか (2018)
噴火推移・概要: マグマ水蒸気噴火→プリニー式噴火・小規模火砕流→小休止→大規模火砕流 (カルデラ形成) →小休止→断続的な火砕流発生→小規模プリニー式噴火・火砕サージ

短い休止期を挟み断続的に小規模な火砕流が発生したと考えられる.

分布
本カルデラより南西から東部にかけて分布する (中川ほか, 2006). *中川ほか (2006) はUnit Dも含めた分布域である.
噴出量

150 km3 *ただしUnit-C, Dも含める

80 DRE km3 *ただしUnit-C, Dも含める

DRE [km3]
80
VEI
7
噴出量文献

山元 (2016)

岩質
安山岩, デイサイト, 流紋岩
岩相

桃色から赤褐色を呈する火砕流堆積物.従来のSpflの一部に対比される.非溶結である.円磨度が良好な軽石が主体で,シルト質成分に乏しい火山灰を基質にもつ.また,経7 cm以下の石質岩片を含む.Unit Eでは,Unit-Dで見られたガス抜けパイプ構造が認められず,ガス抜け構造がUnit間をまたぐことがないことから,Unit Eは,火砕流 (Unit-D) からのガス抜けが収まったのちに堆積したと考えられる.

全岩化学組成 (SiO2)
<67 wt.%(CR-type), >67 wt.%(CP-type)
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

Unit D, Eの露頭写真およびスケッチ(中川ほか, 2018) ©東京地学協会


文献

中川光弘・宮坂瑞穂・富島千春・松本亜希子・長谷龍一 (2018) 支笏湖南方地域の火口近傍堆積物層序からみた46 ka支笏カルデラ形成噴火推移. 地学雑, 127, 247-271. https://doi.org/10.5026/jgeography.127.247

中川光弘・北川淳一・若佐寛子 (2006) 北海道,支笏火山のマグマ供給系の構造と噴火推移―カルデラ形成期の複数マグマ溜りの同時噴火―. 月刊地球, 28, 88-93. https://ci.nii.ac.jp/naid/40007125632

Uesawa S., Nakagawa M., Umetsu A. (2016) Explosive eruption activity and temporal magmatic changes at Yotei Volcano during the last 50,000 years, southwest Hokkaido, Japan. J. Volcanol. Geotherm. Res., 325, 27-44. https://doi.org/10.1016/j.jvolgeores.2016.06.008

山元孝広 (2016) 支笏カルデラ形成噴火のマグマ体積. 地質調査総合センター研究資料集, no.632, 産総研地質調査総合センター. https://www.gsj.jp/publications/pub/openfile/openfile0632.html

支笏噴火 (Sp-1)

Shikotsu Eruption (Sp-1)
年代: 46 cal ka
年代手法: 14C年代
年代文献: Uesawa et al. (2016)
噴出源: 支笏カルデラ

総噴出量: 見かけ体積 350-390 km3,DRE 120-128 km3

支笏火砕流堆積物 (Unit D)

しこつかさいりゅうたいせきぶつ (ゆにっと D)
Unit D
名称出典: 中川ほか (2018)
噴火推移・概要: マグマ水蒸気噴火→プリニー式噴火・小規模火砕流→小休止→大規模火砕流 (カルデラ形成) →小休止→断続的な火砕流発生→小規模プリニー式噴火・火砕サージ

短い休止期を挟み小規模な火砕流が発生したと考えられる.

分布
本カルデラより南西から東部にかけて分布する (中川ほか, 2006). * Unit Eも含めた分布域
噴出量

150 km3 *ただしUnit-C, Eも含める

80 DRE km3 *ただしUnit-C, Eも含める

DRE [km3]
80
VEI
7
噴出量文献

山元 (2016)

岩質
安山岩, デイサイト, 流紋岩
岩相

再堆積層を挟みUnit Cを覆う塊状の火砕流堆積物.従来のSpflの一部に対比される.淘汰度は悪い.基質は粗粒の火山灰であり,円磨度の高い軽石を含む.わずかに石質岩片も認められる.軽石は斑晶に乏しいタイプが多いが,斑晶に富むタイプも認められる.上部には,ガス抜けパイプ構造が多く,その周辺では,基質および軽石の硫気変質が認められる.

全岩化学組成 (SiO2)
<67 wt.%(CR-type), >67 wt.%(CP-type)
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

Unit D, Eの露頭写真およびスケッチ(中川ほか, 2018) ©東京地学協会


文献

中川光弘・宮坂瑞穂・富島千春・松本亜希子・長谷龍一 (2018) 支笏湖南方地域の火口近傍堆積物層序からみた46 ka支笏カルデラ形成噴火推移. 地学雑, 127, 247-271. https://doi.org/10.5026/jgeography.127.247

中川光弘・北川淳一・若佐寛子 (2006) 北海道,支笏火山のマグマ供給系の構造と噴火推移―カルデラ形成期の複数マグマ溜りの同時噴火―. 月刊地球, 28, 88-93. https://ci.nii.ac.jp/naid/40007125632

Uesawa S., Nakagawa M., Umetsu A. (2016) Explosive eruption activity and temporal magmatic changes at Yotei Volcano during the last 50,000 years, southwest Hokkaido, Japan. J. Volcanol. Geotherm. Res., 325, 27-44. https://doi.org/10.1016/j.jvolgeores.2016.06.008

山元孝広 (2016) 支笏カルデラ形成噴火のマグマ体積. 地質調査総合センター研究資料集, no.632, 産総研地質調査総合センター. https://www.gsj.jp/publications/pub/openfile/openfile0632.html

支笏噴火 (Sp-1)

Shikotsu Eruption (Sp-1)
年代: 46 cal ka
年代手法: 14C年代
年代文献: Uesawa et al. (2016)
噴出源: 支笏カルデラ

総噴出量: 見かけ体積 350-390 km3,DRE 120-128 km3

支笏火砕流堆積物 (Unit C)

しこつかさいりゅうたいせきぶつ (ゆにっと C)
Unit C
名称出典: 中川ほか (2018)
別名・呼称: Spfl
噴火推移・概要: マグマ水蒸気噴火→プリニー式噴火・小規模火砕流→小休止→大規模火砕流 (カルデラ形成)→小休止→断続的な火砕流発生→小規模プリニー式噴火・火砕サージ

Unit B,C間に再堆積物が介在するほか,Unit Cにブロック状のUnit Bの取り込みが認められることから,Unit B堆積後,ある程度の時間間隙が考えられる.

Unit Cは,最も規模の大きな火砕流堆積物で,始めに塊状で石質岩片に乏しい火砕流堆積物,続いて石質岩片に富み本質物質に乏しい火砕流が堆積した.Unit Cの上位に風化した再堆積物が認められることから,噴火活動はここで一時休止したと考えられる.

分布
本カルデラ周辺において,山地を除き全方位に分布する (中川ほか, 2006)
噴出量

150 km3 *ただしUnit-D, Eも含める

80 DRE km3 *ただしUnit-D, Eも含める

DRE [km3]
80
VEI
7
噴出量文献

山元 (2016)

岩質
安山岩, デイサイト, 流紋岩
岩相

非溶結で塊状を示す火砕流堆積物.層厚・軽石の粒径が支笏火山南方において最も大きく,支笏カルデラ形成噴火における最大規模の火砕流堆積物である.再堆積層を挟み,Unit Bを覆う.従来のSpflの一部に対比される.構成物の違いにより下部 (Unit C1) と上部 (Unit-C2) に分けられる.Unit C1とC2の境界部は,不規則に入り組んだ火炎状構造を示している.また,C1中にC2由来と考えられる岩片が入りこんでいる様子が認められる.

全岩化学組成 (SiO2)
<67 wt.%(CR-type), >67 wt.%(CP-type)
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

Unit Cの露頭写真およびスケッチ(中川ほか,2018) ©東京地学協会.Unit Bをブロック状に取り込む.


文献

中川光弘・宮坂瑞穂・富島千春・松本亜希子・長谷龍一 (2018) 支笏湖南方地域の火口近傍堆積物層序からみた46 ka支笏カルデラ形成噴火推移. 地学雑, 127, 247-271. https://doi.org/10.5026/jgeography.127.247

中川光弘・北川淳一・若佐寛子 (2006) 北海道,支笏火山のマグマ供給系の構造と噴火推移―カルデラ形成期の複数マグマ溜りの同時噴火―. 月刊地球, 28, 88-93. https://ci.nii.ac.jp/naid/40007125632

Uesawa S., Nakagawa M., Umetsu A. (2016) Explosive eruption activity and temporal magmatic changes at Yotei Volcano during the last 50,000 years, southwest Hokkaido, Japan. J. Volcanol. Geotherm. Res., 325, 27-44. https://doi.org/10.1016/j.jvolgeores.2016.06.008

支笏噴火 (Sp-1)

Shikotsu Eruption (Sp-1)
年代: 46 cal ka
年代手法: 14C年代
年代文献: Uesawa et al. (2016)
噴出源: 支笏カルデラ

総噴出量: 見かけ体積 350-390 km3,DRE 120-128 km3

支笏火砕流堆積物 (Unit B)

しこつかさいりゅうたいせきぶつ (ゆにっと B)
Unit B
名称出典: 中川ほか (2018)
別名・呼称: 支笏降下軽石堆積物1, Spfa-1
噴火推移・概要: マグマ水蒸気噴火→プリニー式噴火・小規模火砕流→小休止→大規模火砕流 (カルデラ形成) →小休止→断続的な火砕流発生→小規模プリニー式噴火・火砕サージ

Unit Bを噴火したマグマ噴火に時間間隙なく移行したと考えられる.Unit Bは,塊状で礫支持を示す降下軽石層 (B1) と降下軽石と火砕物密度流の互層 (B2) という2つのサブユニットから構成される.よって,Unit B噴出時はプリニー式噴火による安定した噴煙柱を形成し,その後,噴煙柱が不安定になって火砕流を発生させたと考えられる.

分布
おおよそ東南東方向に主軸を持ち,北海道東部に広く分布する.
噴出量

200~240 km3

40~48 DRE km3

DRE [km3]
40〜48
VEI
7
噴出量文献

山元 (2016)

岩質
流紋岩
岩相

降下軽石堆積物である.一部,火砕サージや火砕流堆積物を含む.従来のSpfa-1に対比される.

全岩化学組成 (SiO2)
>67 wt.%(CP-type)
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

Unit B(Spfa-1)のおよびUnit C, D, E(Spfl)の分布域(中川ほか,2018) ©東京地学協会


文献

中川光弘・宮坂瑞穂・富島千春・松本亜希子・長谷龍一 (2018) 支笏湖南方地域の火口近傍堆積物層序からみた46 ka支笏カルデラ形成噴火推移. 地学雑, 127, 247-271. https://doi.org/10.5026/jgeography.127.247

中川光弘・北川淳一・若佐寛子 (2006) 北海道,支笏火山のマグマ供給系の構造と噴火推移―カルデラ形成期の複数マグマ溜りの同時噴火―. 月刊地球, 28, 88-93. https://ci.nii.ac.jp/naid/40007125632

Uesawa S., Nakagawa M., Umetsu A. (2016) Explosive eruption activity and temporal magmatic changes at Yotei Volcano during the last 50,000 years, southwest Hokkaido, Japan. J. Volcanol. Geotherm. Res., 325, 27-44. https://doi.org/10.1016/j.jvolgeores.2016.06.008

支笏噴火 (Sp-1)

Shikotsu Eruption (Sp-1)
年代: 46 cal ka
年代手法: 14C年代
年代文献: Uesawa et al. (2016)
噴出源: 支笏カルデラ

総噴出量: 見かけ体積 350-390 km3,DRE 120-128 km3

支笏火砕流堆積物 (Unit A)

しこつかさいりゅうたいせきぶつ (ゆにっと A)
Unit A
名称出典: 中川ほか (2018)
噴火推移・概要: マグマ水蒸気噴火→プリニー式噴火・小規模火砕流→小休止→大規模火砕流 (カルデラ形成) →小休止→断続的な火砕流発生→小規模プリニー式噴火・火砕サージ

最初期の噴出物であるUnit Aは,下部が遊離結晶に富む薄い火砕サージで,上部がシルト質火山灰層と降下軽石層の互層である.シルト質火山灰層は,弱く成層し火山豆石を含むほか,降下軽石層には,火山灰でコーティングされた軽石が含まれており,水蒸気プリニー式噴火による堆積物の特徴を有する.よって支笏カルデラ噴火の初期は,マグマ水蒸気噴火によるベースサージが発生し,その後マグマと水の相互作用による水蒸気プリニー式噴火が発生したと考えられる

分布
カルデラより南方の覚生(おぼっぷ)地域において認められる (中川ほか, 2018).詳細な分布域は不明.
噴出量

-

DRE [km3]
-
岩質
流紋岩
岩相

火砕サージ堆積物および降下軽石堆積物.2つのサブユニットからなり,下位のサブニットは,火砕サージ堆積物.上位のサブユニットは,火砕サージと降下火砕物の互層からなる.礫は,シルトサイズの火山灰でコーティングされた産状を示す.

全岩化学組成 (SiO2)
>67 wt.%(CP-type)
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

Unit Aの露頭写真(中川ほか,2018) ©東京地学協会


文献

中川光弘・宮坂瑞穂・富島千春・松本亜希子・長谷龍一 (2018) 支笏湖南方地域の火口近傍堆積物層序からみた46 ka支笏カルデラ形成噴火推移. 地学雑, 127, 247-271. https://doi.org/10.5026/jgeography.127.247

Uesawa S., Nakagawa M., Umetsu A. (2016) Explosive eruption activity and temporal magmatic changes at Yotei Volcano during the last 50,000 years, southwest Hokkaido, Japan. J. Volcanol. Geotherm. Res., 325, 27-44. https://doi.org/10.1016/j.jvolgeores.2016.06.008

短期的前駆活動

なし

長期的前駆活動

Spfa-5噴火 (Sp-2)

Spfa-5 Eruption
年代: 55 ka
年代手法: 層序
年代文献: Amma-Miyasaka et al. (2020)
噴出源: 支笏カルデラ

総噴出量: 見かけ体積 2 km3 *Spfa-6を含めた体積

Spfa-5

えすぴーえふえー5
Spfa-5
名称出典: 佐藤 (1969)
別名・呼称: -
噴火推移・概要: プリニー式噴火

プリニー式噴火が発生した.

分布
給源である支笏カルデラより東方,安平から振内にかけて分布する (曽屋・佐藤, 1980).
噴出量

2 km3

DRE [km3]
-
VEI
5
噴出量文献

山縣 (2000)

岩相

Spfa-6との間にクッタラ早来(はやきた) (Kt-Hy)を挟み堆積する,降下火砕堆積物.下部の褐色降下軽石堆積物と上部の褐色細粒火山灰からなる.有色鉱物は,斜方輝石,単斜輝石,鉄チタン磁鉄鉱からなる (曽屋・佐藤, 1980).

全岩化学組成 (SiO2)
-
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

Spfa 5, 6の分布図 (曽屋・ 佐藤, 1980) ©産総研地質調査総合センター


文献

Amma-Miyasaka, M., Miura, D., Nakagawa, M., Uesawa, S., and Furukawa, R. (2020) Stratigraphy and chronology of silicic tephras in the Shikotsu-Toya volcanic field, Japan: Evidence of a Late Pleistocene ignimbrite flare-up in southwestern Hokkaido. Quat. International, 562, 58-75. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1040618219308560?via%3Dihub

佐藤博之 (1969) 札幌―苫小牧低地帯の最四紀火山灰. 地質ニュース, 179, 15-20. https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/69_07_05.pdf

曽屋龍典・佐藤博之 (1980) 千歳地域の地質.地域地質研究報告 (5万分の1図幅).地質調査所, 92p. https://www.gsj.jp/data/50KGM/PDF/GSJ_MAP_G050_04042_1980_D.pdf

山縣耕太郎 (2000) 支笏火山40 ka噴火の規模に関する検討.上越教育大学研究紀要, 19, 445-460. http://hdl.handle.net/10513/308

Spfa-6噴火 (Sp-3)

Spfa-6 Eruption
年代: 59 ka
年代手法: 層序
年代文献: Amma-Miyasaka et al. (2020)
噴出源: 支笏カルデラ

総噴出量: 見かけ体積 2 km3 *Spfa-5を含めた体積

Spfa-6

えすぴーえふえー6
Spfa-6
名称出典: 佐藤 (1969)
別名・呼称: Op-2 (春日井ほか, 1978)
噴火推移・概要: プリニー式噴火

プリニー式噴火が発生した.

分布
給源である支笏カルデラより東方に分布する.北は追分,南は鵡川付近まで分布が認められる (曽屋・佐藤, 1980).
噴出量

2 km3

DRE [km3]
-
VEI
5
噴出量文献

山縣 (2000)

岩相

社台噴火堆積物を覆う降下軽石堆積物.春日井ほか (1978) のOp-2に相当する.赤褐色の降下軽石堆積物.最上部は細粒の褐色火山灰からなる.有色鉱物に富む外観を示す.軽石中に含まれる有色鉱物は,斜方輝石,単斜輝石,鉄チタン磁鉄鉱である (曽屋・佐藤, 1980).最上部の火山灰中には,角閃石が少量認められる (岡田, 1973).

全岩化学組成 (SiO2)
-
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

Spfa 5, 6の分布図 (曽屋・ 佐藤, 1980) ©産総研地質調査総合センター


文献

Amma-Miyasaka, M., Miura, D., Nakagawa, M., Uesawa, S., and Furukawa, R. (2020) Stratigraphy and chronology of silicic tephras in the Shikotsu-Toya volcanic field, Japan: Evidence of a Late Pleistocene ignimbrite flare-up in southwestern Hokkaido. Quat. International, 562, 58-75. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1040618219308560?via%3Dihub

春日井昭・秋葉力・近藤祐弘・小坂利幸・松井愈・松澤逸巳・佐藤博之 (1978) 降下火砕堆積物「十勝平野」. 地図研専報, 22, 193-214. https://ci.nii.ac.jp/naid/110003022937

岡田所明 (1973) 支笏降下軽石層堆積物中の粘土鉱物. 地質雑, 79, 363-375. https://doi.org/10.5575/geosoc.79.363

佐藤博之 (1969) 札幌―苫小牧低地帯の最四紀火山灰. 地質ニュース, 179, 15-20. https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/69_07_05.pdf

曽屋龍典・佐藤博之 (1980) 千歳地域の地質.地域地質研究報告 (5万分の1図幅).地質調査所, 92p. https://www.gsj.jp/data/50KGM/PDF/GSJ_MAP_G050_04042_1980_D.pdf

山縣耕太郎 (2000) 支笏火山40 ka噴火の規模に関する検討.上越教育大学研究紀要, 19, 445-460. http://hdl.handle.net/10513/308

支笏社台噴火 (Sp-4)

Shikotsu-Shadai Eruption
年代: 61 ka
年代手法: 層序
年代文献: Amma-Miyasaka et al. (2020)
噴出源: 支笏カルデラ

総噴出量: 見かけ体積 10-100 km3

*VEI6程度から推察

支笏社台噴火堆積物 (Unit C)

しこつしゃだいふんかたいせきぶつ (ゆにっと C)
Ssfl
名称出典: 宮坂・中川 (2018)
別名・呼称: Ssfl
噴火推移・概要: (軽石質)プリニー式噴火→(スコリア質)プリニー式噴火→火砕流

火砕流が発生し,塊状の火山灰層を堆積させた.火砕流発生後,降下スコリア堆積物を噴出する噴火へ移行した.本フェーズは,Unit A, Bと比べ有意に小規模な噴煙柱が形成されたと推定される.

分布
給源である支笏カルデラより東方に分布する (宮坂・中川, 2018).
噴出量

-

DRE [km3]
-
VEI
6
噴出量文献

町田・新井 (2003)

岩質
安山岩
岩相

B5を直接覆う灰色の塊状火山灰層.細粒物に富み,淘汰は悪い.岩相の違いからC1,C2に細分される (下位よりC1, 2).C1は,岩片農集部を含み,不明瞭な成層構造が認められる,基質支持である.C2は,細粒物に富むスコリア層.C1,C2ともに,灰色軽石,縞状軽石,スコリア,岩片,淡黄色軽石の順に多く含まれる.

全岩化学組成 (SiO2)
52.7 wt.%
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

Ssfa及びSsfl (白色部)の分布図 (宮坂・中川, 2018) ©東京地学協会 Ssfaの等層厚線は町田・新井 (2003) ©東京大学出版会を,Ssflの分布は古川・中川 (2010) ©産総研地質調査総合センターのデータを使用


社台噴火の噴火推移 (宮坂・中川, 2018) ©東京地学協会


文献

Amma-Miyasaka, M., Miura, D., Nakagawa, M., Uesawa, S., and Furukawa, R. (2020) Stratigraphy and chronology of silicic tephras in the Shikotsu-Toya volcanic field, Japan: Evidence of a Late Pleistocene ignimbrite flare-up in southwestern Hokkaido. Quat. International, 562, 58-75. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1040618219308560?via%3Dihub

町田 洋・新井房夫 (2003) 新編火山灰アトラス-日本列島とその周辺. 東京大学出版会, 336.

宮坂瑞穂・中川光弘 (2018) 支笏火山60 ka社台噴火の噴火推移―トレンチ調査およびボーリング調査による再検討―. 地学雑, 127, 229-246. https://doi.org/10.5026/jgeography.127.229

山縣耕太郎 (1994) 支笏およびクッタラ火山のテフロクロノロジー. 地学雑, 103, 268-285. https://doi.org/10.5026/jgeography.103.268

支笏社台噴火 (Sp-4)

Shikotsu-Shadai Eruption
年代: 61 ka
年代手法: 層序
年代文献: Amma-Miyasaka et al. (2020)
噴出源: 支笏カルデラ

総噴出量: 見かけ体積 10-100 km3

*VEI6程度から推察

支笏社台噴火堆積物 (Unit B)

しこつしゃだいふんかたいせきぶつ (ゆにっと B)
Ssfa
名称出典: 宮坂・中川 (2018)
別名・呼称: Ssfa
噴火推移・概要: (軽石質)プリニー式噴火→(スコリア質)プリニー式噴火→火砕流

引き続き,プリニー式噴火が発生する.本質物質は,スコリア主体へと変化する.本フェーズは,噴煙柱高度が一定ではなく,噴出率の増減を繰り返したと考えられる.

分布
給源である支笏カルデラより東方に分布する (宮坂・中川, 2018).
噴出量

-

DRE [km3]
-
VEI
6
噴出量文献

町田・新井 (2003)

岩質
安山岩
岩相

A3を直接覆うスコリア層.全体的に成層構造が発達し,上方粗粒化を示す.また,本ユニットは,色調・粒径の違いから5つのサブユニットに細分される (下位よりB1, 2, 3, 4, 5).B1は,暗赤褐色~淡赤褐色のスコリア層.礫支持で,淡黄色軽石,縞状軽石,灰色軽石,スコリアを含む.わずかに岩片も認められる.B2は,遊離結晶に富む粗粒火山灰層.下位から上位に向かい,暗灰色から灰白色に色調が変化する.B3は,淡赤褐色火山灰の薄層を狭在する赤褐色のスコリア層.礫支持である.構成物比は,淡黄色軽石>縞状軽石,灰色軽石であり,スコリア,岩片を1~2割程度含む.B4は,淡赤褐色火山灰の薄層を狭在する赤褐色~黒褐色スコリア層.縞状軽石,灰色軽石,淡黄色軽石,スコリアの礫支持層である.岩片を1割程度含む.上位に向かうにつれ,淡黄色軽石の量比が増える.B5は,上方粗粒化を示す,礫支持の黒色スコリア層である.黒色部と赤黒色部が成層している.両者に構成物の違いはなく,スコリア,縞状軽石,灰色軽石,岩片,淡黄色軽石の順に多く含む.

全岩化学組成 (SiO2)
52.3 wt.%
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

文献

Amma-Miyasaka, M., Miura, D., Nakagawa, M., Uesawa, S., and Furukawa, R. (2020) Stratigraphy and chronology of silicic tephras in the Shikotsu-Toya volcanic field, Japan: Evidence of a Late Pleistocene ignimbrite flare-up in southwestern Hokkaido. Quat. International, 562, 58-75. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1040618219308560?via%3Dihub

町田 洋・新井房夫 (2003) 新編火山灰アトラス-日本列島とその周辺. 東京大学出版会, 336.

宮坂瑞穂・中川光弘 (2018) 支笏火山60 ka社台噴火の噴火推移―トレンチ調査およびボーリング調査による再検討―. 地学雑, 127, 229-246. https://doi.org/10.5026/jgeography.127.229

支笏社台噴火 (Sp-4)

Shikotsu-Shadai Eruption
年代: 61 ka
年代手法: 層序
年代文献: Amma-Miyasaka et al. (2020)
噴出源: 支笏カルデラ

総噴出量: 見かけ体積 10-100 km3

*VEI6程度から推察

支笏社台噴火堆積物 (Unit A)

しこつしゃだいふんかたいせきぶつ (ゆにっと A)
Ssfa
名称出典: 宮坂・中川 (2018)
別名・呼称: Ssfa
噴火推移・概要: (軽石質)プリニー式噴火→(スコリア質)プリニー式噴火→火砕流

プリニー式噴火による降下火砕物の噴出に始まる. 本質物質は,デイサイト質の軽石である.本噴火は,安定的な噴煙柱を形成し降下軽石を堆積させたが,その後,噴煙柱が急激に衰退し,小規模な噴火を繰り返すことで,降下火山灰を噴出した.

分布
給源である支笏カルデラより東方に分布する (宮坂・中川, 2018).
噴出量

-

DRE [km3]
-
VEI
6
噴出量文献

町田・新井 (2003)

岩質
安山岩
岩相

軽石および火山灰層.岩相の違いからさらに3つに細分される (下位よりA1, 2, 3).A1は,淡灰色~暗灰色の軽石層.礫支持である.遊離結晶や岩片にやや富む部分が存在する.A2は,黄褐色~淡灰色の軽石層.礫支持である.A1よりも粗粒.黄褐色軽石が主体だが,A1よりも岩片・遊離結晶に富む.岩片の多くは,変質し赤褐色~茶褐色を呈する.A3は,赤褐色~淡褐色の火山灰層.下部は,軽石質であり,上部は,火山灰質を示す.

全岩化学組成 (SiO2)
62.1 wt.%
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

文献

Amma-Miyasaka, M., Miura, D., Nakagawa, M., Uesawa, S., and Furukawa, R. (2020) Stratigraphy and chronology of silicic tephras in the Shikotsu-Toya volcanic field, Japan: Evidence of a Late Pleistocene ignimbrite flare-up in southwestern Hokkaido. Quat. International, 562, 58-75. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1040618219308560?via%3Dihub

町田 洋・新井房夫 (2003) 新編火山灰アトラス-日本列島とその周辺. 東京大学出版会, 336.

宮坂瑞穂・中川光弘 (2018) 支笏火山60 ka社台噴火の噴火推移―トレンチ調査およびボーリング調査による再検討―. 地学雑, 127, 229-246. https://doi.org/10.5026/jgeography.127.229

Sp-5噴火

Sp-5 Eruption
年代: 85 ka
年代手法: 層序
年代文献: Amma-Miyasaka et al. (2020)
噴出源: 支笏カルデラ

総噴出量: -

Sp-5

えすぴー5
Sp-5
名称出典: Amma-Miyasaka (2020)
別名・呼称: Sp-5
噴火推移・概要: プリニー式噴火

プリニー式噴火が発生した.

分布
給源である支笏カルデラより東方で認められる (Amma-Miyasaka et al., 2020)
噴出量

-

DRE [km3]
-
岩相

明灰色~白色の降下軽石層である.カルデラ中心より30 km以上遠方の地域では,明黄褐色の降下火山灰として認められる.軽石の最大粒径は,カルデラ中心から東に約20 kmの地点で30 mmである.軽石は斑晶に富む.

全岩化学組成 (SiO2)
-
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

文献

Amma-Miyasaka, M., Miura, D., Nakagawa, M., Uesawa, S., and Furukawa, R. (2020) Stratigraphy and chronology of silicic tephras in the Shikotsu-Toya volcanic field, Japan: Evidence of a Late Pleistocene ignimbrite flare-up in southwestern Hokkaido. Quat. International, 562, 58-75. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1040618219308560?via%3Dihub

引用文献

Amma-Miyasaka, M., Miura, D., Nakagawa, M., Uesawa, S., and Furukawa, R. (2020) Stratigraphy and chronology of silicic tephras in the Shikotsu-Toya volcanic field, Japan: Evidence of a Late Pleistocene ignimbrite flare-up in southwestern Hokkaido. Quat. International, 562, 58-75. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1040618219308560?via%3Dihub

土井繁雄 (1957) 5万分の1地質図幅「樽前山」および説明書. 北海道地下資源調査所, 51. http://www.hro.or.jp/list/environmental/research/gsh/publication/map/map04/area/explanation_leaflet_pdf/sapporo41.pdf

藤山広武・田沼穣 (1972) 十勝平野に分布する内陸古砂丘の 14C 年代 日本の第四紀層の 14 C 年代 (72). 地球科学, 26, 136-137. https://www.jstage.jst.go.jp/article/agcjchikyukagaku/26/3/26_KJ00005295728/_article/-char/ja/

古川竜太・中川光弘・古堅千絵・吉本充宏 (2006) 樽前火山先史時代の噴火活動. 月刊地球, 28, 302-307. https://ci.nii.ac.jp/naid/40007294012

古川竜太・中川光弘 (2009) 後支笏カルデラ,風不死火山の爆発的噴火活動と年代. 日本火山学会講演予稿集, 41. https://www.jstage.jst.go.jp/article/vsj/2009/0/2009_41/_pdf

古川竜太・中川光弘 (2010) 樽前火山地質図.1 : 30,000. 地質調査総合センター. https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/tarumae/index.html

許成 基・山崎 誠・佐高裕之・中川昌巳・秋山泰祐・平野令緒 (2001) 支笏火山噴出層年代の再検討. 地球科学, 55, 145-156. https://doi.org/10.15080/agcjchikyukagaku.55.3_145

石橋教子・大貫安行・柏原信・春日井昭・鈴木久恵・田中秀樹 (1973) 北海道月寒丘陵に分布する恵庭降下軽石層の14C年代―日本の第四紀層の14C年代 (86)―. 地球科学, 27, 208-210. https://doi.org/10.15080/agcjchikyukagaku.27.5_208

春日井昭・石橋教子・大貫康行・柏原信・鈴木久恵・田中秀樹・松田紘一 (1974) 恵庭火山の降下軽石層-分布と層準についての改定―. 地球科学, 28, 115-127. https://doi.org/10.15080/agcjchikyukagaku.28.4_115

春日井昭・秋葉力・近藤祐弘・小坂利幸・松井愈・松澤逸巳・佐藤博之 (1978) 降下火砕堆積物「十勝平野」. 地図研専報, 22, 193-214. https://ci.nii.ac.jp/naid/110003022937

加藤茂弘 (1994) 恵庭 a 降下軽石層の降下年代とその降下前後の古気候. 地理学評論 Ser. A, 67, 45-54. https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj1984a/67/1/67_1_45/_article/-char/ja/

町田 洋・新井房夫 (2003) 新編火山灰アトラス-日本列島とその周辺. 東京大学出版会, 336.

宮坂瑞穂・中川光弘 (2018) 支笏火山60 ka社台噴火の噴火推移―トレンチ調査およびボーリング調査による再検討―. 地学雑, 127, 229-246. https://doi.org/10.5026/jgeography.127.229

中川光弘 (1993) 後支笏カルデラ火山群の形成史・活動様式及びマグマ系. 計画研究「火山災害の規模と特性」報告書, 文部科学省研究費自然災害特別研究, 27-42.

中川光弘・増田健介・勝井義雄 (1994) 後支笏カルデラ,恵庭火山の最新の噴火活動. 火山, 39, 237-241. https://doi.org/10.18940/kazan.39.5_237

中川光弘・北川淳一・若佐寛子 (2006) 北海道,支笏火山のマグマ供給系の構造と噴火推移―カルデラ形成期の複数マグマ溜りの同時噴火―. 月刊地球, 28, 88-93. https://ci.nii.ac.jp/naid/40007125632

中川光弘・宮坂瑞穂・富島千春・松本亜希子・長谷龍一 (2018) 支笏湖南方地域の火口近傍堆積物層序からみた46 ka支笏カルデラ形成噴火推移. 地学雑, 127, 247-271. https://doi.org/10.5026/jgeography.127.247

中村忠久 (1973) 恵庭火山の中期噴出物の14C年代―日本の第四紀層の14C年代 (82)―. 地球科学, 27, 42-43. https://doi.org/10.15080/agcjchikyukagaku.27.1_42

岡田所明 (1973) 支笏降下軽石層堆積物中の粘土鉱物. 地質雑, 79, 363-375. https://doi.org/10.5575/geosoc.79.363

佐藤博之 (1969) 札幌―苫小牧低地帯の最四紀火山灰. 地質ニュース, 179, 15-20. https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/69_07_05.pdf

佐藤博之 (1971) 樽前火山灰 d 層の 14C 年代: 日本の第四紀層の 14C 年代 (65). 地球科学, 25, 185-186. https://www.jstage.jst.go.jp/article/agcjchikyukagaku/25/4/25_KJ00005295671/_article/-char/ja

曽屋龍典・佐藤博之 (1980) 千歳地域の地質.地域地質研究報告 (5万分の1図幅).地質調査所, 92p. https://www.gsj.jp/data/50KGM/PDF/GSJ_MAP_G050_04042_1980_D.pdf

Uesawa S., Nakagawa M., Umetsu A. (2016) Explosive eruption activity and temporal magmatic changes at Yotei Volcano during the last 50,000 years, southwest Hokkaido, Japan. J. Volcanol. Geotherm. Res., 325, 27-44. https://doi.org/10.1016/j.jvolgeores.2016.06.008

梅津 譲 (1987) 恵庭 a 降下軽石及び樽前 d 降下軽石の年代に関する資料. 東北地理, 39, 141-143. https://www.jstage.jst.go.jp/article/tga1948/39/2/39_2_141/_article

山縣耕太郎 (1994) 支笏およびクッタラ火山のテフロクロノロジー. 地学雑, 103, 268-285. https://doi.org/10.5026/jgeography.103.268

山縣耕太郎 (2000) 支笏火山40 ka噴火の規模に関する検討.上越教育大学研究紀要, 19, 445-460. http://hdl.handle.net/10513/308

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