Version 1.0.15

摩周カルデラ 屈斜路カルデラ 支笏カルデラ 洞爺カルデラ 濁川カルデラ 十和田カルデラ 姶良カルデラ 阿多カルデラ 池田カルデラ 鬼界カルデラ 三瓶山 大山
火山の位置(厳密なカルデラ・火口の位置を示すものではない)

主要な活動

町田・新井 (1979) は,本噴火により小型のカルデラが形成されたと考えたが,現在カルデラの存在を支持する地形は残存していない.

大山の層序概念図
図の詳細に関しては【こちら】
大山の噴火時系列図.横軸は年代(ka),縦軸およびバブルの大きさ・色は構成要素のVEIに対応する.
図の詳細に関しては【こちら】
figure

大山火山の地質図 (山元, 2017).©産総研地質総合調査センター.

figure

大山起源の降下火砕堆積物(大山倉吉,大山関金,大山生竹,大山松江,別府,奥津)の等層厚線図 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.

後カルデラ火山活動

阿弥陀川火砕流噴火

Amidagawa pyroclastic flow eruption
年代: 20.8±0.1 ka
年代手法: 14C年代
年代文献: 山元 (2017)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ: 0.0086 km3,DRE: 0.0067 km3

阿弥陀川火砕流堆積物

あみだがわかさいりゅうたいせきぶつ
Amidagawa pyroclastic flow deposit
名称出典: 山元 (2017)
噴火推移・概要: 溶岩ドーム形成・崩壊→火砕流の発生

三鈷峰溶岩ドームの崩壊によるブロックアンドアッシュフローの発生

分布
大山火山北山腹の阿弥陀川沿いに分布する (山元, 2017).
DRE [km3]
0.0067
VEI
3
噴出量文献

山元 (2017)

岩質
単斜輝石含有直方輝石黒雲母普通角閃石デイサイト
岩相

発泡の悪い多面体型の本質岩片とその細粉からなる基質で構成される.西伯郡大山町草谷原では,本層の基底部に成層した火砕サージ層を伴なう (山元, 2017).

全岩化学組成 (SiO2)
デイサイト
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

阿弥陀川火砕流堆積物と三鈷峰溶岩ドームの等層厚線図 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.


文献

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

三鈷峰溶岩ドーム形成噴火

Sankoho lava dome forming eruption
年代: 20.8±0.1 ka
噴出源: 大山火山

総噴出量: DRE 0.15 km3

三鈷峰溶岩ドーム

さんこほうようがんどーむ
Sankoho lava dome
名称出典: 太田 (1962)
噴火推移・概要: 溶岩ドーム形成・崩壊→火砕流の発生

溶岩ドームの形成

分布
大山火山山頂部の北東に位置する.
DRE [km3]
0.15
VEI
4
噴出量文献

山元 (2017)

岩質
単斜輝石含有直方輝石黒雲母普通角閃石デイサイト
岩相

青灰色を呈し,オパサイト化した鉱物と不透明鉱物を斑晶に含む (津久井, 1984).

全岩化学組成 (SiO2)
デイサイト
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

阿弥陀川火砕流堆積物と三鈷峰溶岩ドームの等層厚線図 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.


文献

太田良平 (1962) 5万分の1地質図幅「赤碕・大山」および同説明書. 地質調査所, 37p. https://www.gsj.jp/Map/JP/docs/5man_doc/12/12_019.htm.

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

草谷原火砕噴火

Kusatanihara pyroclastic eruption
年代: 21±1 ka
年代手法: 14C年代
年代文献: 堂満ほか (2002)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ: 0.098 km3,DRE: 0.034 km3

草谷原降下火砕堆積物

くさたにはらこうかかさいたいせきぶつ
Kusatanihara pyroclastic fall deposit
名称出典: 津久井 (1984)
噴火推移・概要: 降下火砕物の噴出

降下火砕物の噴出

分布
草谷原北麓より北東-息坂峠方向へ分布主軸をもつ (津久井, 1984).
DRE [km3]
0.034
VEI
3
噴出量文献

山元 (2017)

岩相

石質岩片を多く含み,複数のfall unitで構成される (津久井, 1984).

層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

草谷原降下火砕堆積物および阿弥陀川火砕流堆積物の露頭写真 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.


文献

堂満華子・椎原美紀・鳥井真之・塚脇真二・尾田太良 (2002) 日本海南部KT96-17P-2コ アの火山灰層序: 大山草谷原軽石層 (KsP) の噴出年代. 地質雑, 108, 545-556. https://doi.org/10.5575/geosoc.108.545.

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

桝水原火砕流噴火

Masumizuhara pyroclastic flow eruption
年代: 28.6 ka
年代手法: 14C年代
年代文献: 山元 (2017)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ: 0.94 km3,DRE: 0.73 km3

桝水原火砕流堆積物

ますみずはらかさいりゅうたいせきぶつ
Masumizuhara pyroclastic flow deposit
名称出典: 山元 (2017)
噴火推移・概要: 溶岩ドーム形成・崩壊→火砕流・降下火砕物の発生

溶岩ドームの崩壊によるブロックアンドアッシュフローとそれに伴なう降下火砕物の発生

分布
大山火山の西及び南西山腹に分布する (山元, 2017).
DRE [km3]
0.73
VEI
4
噴出量文献

山元 (2017)

岩質
黒雲母直方輝石普通角閃石デイサイト
岩相

デイサイト質の本質岩片とその細粉からなる基質で構成される.不明瞭な成層構造,逆級化構造が認められる (津久井, 1984).

全岩化学組成 (SiO2)
デイサイト
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

桝水原火砕流堆積物と弥山溶岩ドームの等層厚線図 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.


文献

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

東大山火砕噴火

Higashidaisen pyroclastic eruption
年代: 28.923±0.358 ka
年代手法: 14C年代
年代文献: Katoh et al. (2007)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ: 0.37 km3,DRE: 0.13 km3

東大山降下火砕物

ひがしだいせんこうかかさいぶつ
Higashidaisen pyroclastic fall deposit
名称出典: 津久井 (1984)
噴火推移・概要: 溶岩ドーム形成・崩壊→火砕流・降下火砕物の発生

溶岩ドームの崩壊によるブロックアンドアッシュフローとそれに伴なう降下火砕物の発生

分布
東〜東南麓に広く分布する (津久井, 1984).
DRE [km3]
0.13
VEI
4
噴出量文献

山元 (2017)

岩相

石質岩片を多く含む火山灰層である.粒度・構成物比から約30枚のfall unitに区分できる (津久井, 1984).

層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

文献

Katoh, S., Handa, K., Hyodo, M., Sato, H., Nakamura, T., Yamashita, T. and Danhara, T. (2007) Estimation of eruption ages of the Sambe Volcanos based on AMS-14C dating of the moor sediments at Ohnuma Moor in the Chugoku Mountains, Western Japan. Nature and Human Activities, 11, 29-50. https://www.hitohaku.jp/publication/r-bulletin-eng.html

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

弥山溶岩ドーム形成噴火

Misen lava dome forming eruption
年代: 28.6 ka
噴出源: 大山火山

総噴出量: DRE 1.9 km3

弥山溶岩ドーム

みせんようがんどーむ
Misen lava dome
名称出典: 太田 (1962)
噴火推移・概要: 溶岩ドーム形成・崩壊→火砕流・降下火砕物の発生

溶岩ドームの形成

DRE [km3]
1.9
VEI
5
噴出量文献

山元 (2017)

岩質
黒雲母直方輝石普通角閃石デイサイト
岩相

黒雲母斜方輝石普通角閃石デイサイトの溶岩ドームである (山元, 2017).

全岩化学組成 (SiO2)
デイサイト
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

桝水原火砕流堆積物と弥山溶岩ドームの等層厚線図 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.


文献

太田良平 (1962) 5万分の1地質図幅「赤碕・大山」および同説明書. 地質調査所, 37p. https://www.gsj.jp/Map/JP/docs/5man_doc/12/12_019.htm.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

笹ヶ平火砕流噴火

Sasaganaru pyroclastic flow eruption
年代: 29.320±0.274 ka
年代手法: 14C年代
年代文献: Katoh et al. (2007)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 1.3 km3

笹ヶ平火砕流堆積物,オドリ降下火砕物

ささがなるかさいりゅうたいせきぶつ,おどりこうかかさいぶつ
Sasaganaru pyroclastic flow deposit,Odori pyroclastic fall deposit
名称出典: 津久井 (1984),荒川 (1984)
噴火推移・概要: 溶岩ドーム形成・崩壊→火砕流・降下火砕物の発生

溶岩ドームの崩壊によるブロックアンドアッシュフローとそれに伴なう降下火砕物の発生

分布
笹ヶ平火砕流堆積物は,大山火山南東山腹の烏ヶ山溶岩ドームから東,南南東,南西方向の3つの谷地形を埋めて分布する (山元, 2017).
DRE [km3]
笹ヶ平火砕流堆積物:1.0,オドリ降下火砕物:0.44
VEI
5
噴出量文献

山元 (2017)

岩相

笹ヶ平火砕流堆積物は,低発泡の本質岩片とその細粉からなるブロックアンドアッシュフロー堆積物.不明瞭な成層構造が発達する.オドリ降下火砕物は,主に荒い火山砂からなる降下火砕堆積物である (津久井, 1984).

層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

笹ヶ平火砕流堆積物の等層厚線図 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.


文献

荒川 宏(1984) 大山火山北西部における火山麓扇状地の形成,地理学評論,Series A,57,831–855. https://doi.org/10.4157/grj1984a.57.12_831

Katoh, S., Handa, K., Hyodo, M., Sato, H., Nakamura, T., Yamashita, T. and Danhara, T. (2007) Estimation of eruption ages of the Sambe Volcanos based on AMS-14C dating of the moor sediments at Ohnuma Moor in the Chugoku Mountains, Western Japan. Nature and Human Activities, 11, 29-50. https://www.hitohaku.jp/publication/r-bulletin-eng.html

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

烏ヶ山溶岩ドーム形成噴火

Karasugasen lava dome forming eruption
年代: 29.3 ka
噴出源: 大山火山

烏ヶ山溶岩ドーム

からすがせんようがんどーむ
Karasugasen lava dome
名称出典: 津久井 (1984)
噴火推移・概要: 溶岩ドーム形成・崩壊→火砕流・降下火砕物の発生

溶岩ドームの形成

分布
大山火山の南東山腹の烏ヶ山山頂部を形成する .
岩相

黒雲母斜方輝石普通角閃石デイサイトの溶岩ドームである (山元, 2017).

層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

文献

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

槇原火砕流噴火

Makibara pyroclastic flow eruption
年代: 41.632±0.203 ka
年代手法: 14C年代
年代文献: Katoh et al. (2007)
噴出源: 大山火山

総噴出量: DRE 0.23 km3

鴨ヶ丘降下火砕物,槇原火砕流堆積物

かもがおかこうかかさいぶつ,まきばらかさいりゅうたいせきぶつ
Kamogaoka pyroclastic fall deposit,Makibara pyroclastic flow deposit
名称出典: 津久井 (1984)
噴火推移・概要: 溶岩ドームの崩壊→火砕流・降下火砕物の発生

溶岩ドームの崩壊によるブロックアンドアッシュフローとそれに伴なう降下火砕物の発生

分布
鴨ヶ丘降下火砕物は大山火山東麓に,槇原火砕流堆積物は大山火山西麓に分布する (津久井, 1984).
DRE [km3]
槇原火砕流堆積物:0.19,鴨ヶ丘降下火砕物:0.035
VEI
4
噴出量文献

山元 (2017)

岩質
黒雲母含有直方輝石普通角閃石デイサイト
岩相

鴨ヶ灰降下火砕物は,色の粗粒火山灰と細粒火山灰の互層である.十数枚のfall unitに区分される (津久井, 1984).槇原火砕流堆積物は,本質岩片とその細粉からなるブロックアンドアッシュフロー堆積物.不明瞭な成層構造,逆級化が認められる (山元, 2017).

全岩化学組成 (SiO2)
デイサイト
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

槇原火砕流堆積物の等層厚線図 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.


文献

Katoh, S., Handa, K., Hyodo, M., Sato, H., Nakamura, T., Yamashita, T. and Danhara, T. (2007) Estimation of eruption ages of the Sambe Volcanos based on AMS-14C dating of the moor sediments at Ohnuma Moor in the Chugoku Mountains, Western Japan. Nature and Human Activities, 11, 29-50. https://www.hitohaku.jp/publication/r-bulletin-eng.html

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

カルデラ形成噴火

大山倉吉噴火

Daisenkurayoshi eruption
年代: 60 ka
年代手法: 層序
年代文献: 長橋ほか (2016)
噴出源: 大山火山

総噴出量: >40 km3

大山倉吉降下火砕堆積物

だいせんくらよしこうかかさいたいせきぶつ
Daisenkurayoshi pyroclastic fall deposit
名称出典: 町田・新井 (1979)
別名・呼称: DKP, key b (小畑, 1966)
噴火推移・概要: 火砕流→プリニー式噴火

火砕流の発生に引き続きプリニー式噴火が発生

分布
大山火山より東に広く分布する (山元, 2017).
噴出量

20 km3

DRE [km3]
11
VEI
6
噴出量文献

山元 (2017)

岩相

橙色の軽石とごく僅かな石質岩片からなる単一の降下軽石層.逆級化が認められる (津久井,1984).重鉱物は,緑色普通角閃石が主であり,直方輝石を多く含む.また,黒雲母もやや多く認められる (古澤・梅田, 2002).

層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

大山倉吉降下軽石の分布図 (町田・新井, 1979) ©東京地学協会.


文献

古澤 明・梅田浩司 (2002) 新期大山テフラDNP, DSP, DKPの岩石記載的特徴の再検討. 第 四紀研究, 41, 123-129. https://doi.org/10.4116/jaqua.41.123.

長橋良隆・深谷桃子・木村純一・常 青・佐川拓也・中川 毅・池原 研・KR15-10乗客船研究者一同・SG06プロジェクトメンバー一同 (2016) 大山倉吉テフラと山陰 1 テフラの層序 と年代: 若狭湾沖堆積物コアと水月湖SG06コアによる検討. 日本地質学会第123年学術大会講演要旨, 154. https://doi.org/10.14863/geosocabst.2016.0_301.

町田 洋・新井房夫 (1979) 大山倉吉軽石層―分布の広域性と第四紀編年上の意義. 地学雑, 88, 313-330. https://doi.org/10.5026/jgeography.88.5_313.

小畑 浩 (1966) 大山周縁の地形と火山灰. 地理評, 39, 787-801. https://doi.org/10.4157/grj.39.787.

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

大山倉吉噴火

Daisenkurayoshi eruption
年代: 60 ka
年代手法: 層序
年代文献: 長橋ほか (2016)
噴出源: 大山火山

総噴出量: >40 km3

堀火砕流堆積物

ほりかさいりゅうたいせきぶつ
Hori pyroclastic fall deposit
名称出典: 津久井・柵山 (1981)
別名・呼称: HoF,小鴨川古期火砕流堆積物 (町田・新井, 1979)
噴火推移・概要: 火砕流→プリニー式噴火

火砕流の発生

分布
関金町堀付近の小鴨川砂岩沿いに東西6 kmにわたって分布する (津久井, 1984).
岩相

低発泡の軽石と粗粒な火山灰からなる.上部は赤紫色,下部は灰白色を示す.火砕流の基底部に流走中に取り込んだと考えられる円礫が存在する (津久井,1984).

層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

文献

町田 洋・新井房夫 (1979) 大山倉吉軽石層―分布の広域性と第四紀編年上の意義. 地学雑, 88, 313-330. https://doi.org/10.5026/jgeography.88.5_313.

長橋良隆・深谷桃子・木村純一・常 青・佐川拓也・中川 毅・池原 研・KR15-10乗客船研究者一同・SG06プロジェクトメンバー一同 (2016) 大山倉吉テフラと山陰 1 テフラの層序 と年代: 若狭湾沖堆積物コアと水月湖SG06コアによる検討. 日本地質学会第123年学術大会講演要旨, 154. https://doi.org/10.14863/geosocabst.2016.0_301.

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

津久井志・柵山雅則 (1981) 大山山麓における三瓶山起源の降下軽石層の発見とその意義. 地質雑, 87, 559-562. https://doi.org/10.5575/geosoc.87.559.

短期的前駆活動

なし

長期的前駆活動

大山関金噴火

Daisensekigane eruption
年代: 67.5 ka
年代手法: 層序
年代文献: 山元 (2015)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ 0.85 km3,DRE 0.3 km3

大山関金降下火砕堆積物

だいせんせきがねこうかかさいたいせきぶつ
Daisensekigane pyroclastic fall deposit
名称出典: 町田・新井 (1979)
別名・呼称: DSP
噴火推移・概要: プリニー式噴火

プリニー式噴火の発生

分布
本火山より東方に分布する.長野県木曾地域で層厚1.5 cmが確認されている (山元, 2017).
DRE [km3]
0.3
VEI
4
噴出量文献

山元 (2017)

岩相

橙色の降下軽石層である.石質岩片を大量に含む (津久井, 1984).重鉱物は,緑色普通角閃石及び直方輝石主体であるが,本層の最上部では,角閃石及び不透明鉱物が主となり,黒雲母を含むようになる (古澤・梅田, 2002).

全岩化学組成 (SiO2)
デイサイト
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

大山起源の降下火砕堆積物(大山倉吉,大山関金,大山生竹,大山松江,別府,奥津)の等層厚線図 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.


figure

25万年以降の大山火山噴出物のマグマ噴出量階段図 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.


文献

古澤 明・梅田浩司 (2002) 新期大山テフラDNP, DSP, DKPの岩石記載的特徴の再検討. 第 四紀研究, 41, 123-129. https://doi.org/10.4116/jaqua.41.123.

町田 洋・新井房夫 (1979) 大山倉吉軽石層―分布の広域性と第四紀編年上の意義. 地学雑, 88, 313-330. https://doi.org/10.5026/jgeography.88.5_313.

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2015) 日本の主要第四紀火山の積算マグマ噴出量階段図. 地質調査総合センター研究資料集, no.613, 産総研地質調査総合センター. https://www.gsj.jp/researches/openfile/openfile2014/openfile0613.html.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

大山生竹噴火

Daisennamadake eruption
年代: 80±40 ka
年代手法: FT年代
年代文献: 木村ほか (1999)
噴出源: 大山火山

総噴出量: DRE2.1 km3

大山生竹軽石堆積物

だいせんなまだけかるいしたいせきぶつ
Daisennamadake pumice deposit
名称出典: 佐治ほか (1975)
別名・呼称: DNP
噴火推移・概要: プリニー式噴火

プリニー式噴火の発生

分布
大山火山の東から南東方向に分布し,富士東麓においても分布が確認されている (山元, 2017).
DRE [km3]
2.1
VEI
5
噴出量文献

山元 (2017)

岩質
黒雲母含有直方輝石角閃石デイサイト
岩相

クリーム色を呈する降下軽石層である.風化が激しく粘土化している.

全岩化学組成 (SiO2)
デイサイト
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

文献

木村純一・岡田昭明・中山勝博・梅田浩司・草野高志・麻原慶憲・舘野満美子・檀原 徹 (1999) 大山および三瓶火山起源テフラのフィッショントラック年代とその火山活動史における意義. 第四紀研究, 38, 145-155. https://doi.org/10.4116/jaqua.38.145

佐治孝弌・田崎和江・赤木三郎・麻田 斉 (1975) 大山火山降下堆積物の層序とその特徴.地球科学, 29, 199–210. https://doi.org/10.15080/agcjchikyukagaku.29.5_199

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

大山荒田2噴火

Daisen-arata2 eruption
年代: -
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ 0.23 km3,DRE 0.08 km3

大山荒田2降下火砕堆積物

だいせんあらた2こうかかさいたいせきぶつ
Daisen-arata2 pyroclastic fall deposit
名称出典: 岡田・谷本 (1986)
別名・呼称: DAP2
噴火推移・概要: プリニー式噴火

プリニー式噴火の発生

分布
東南東方向に主軸をもち,東西に細長く分布する (岡田・谷本, 1986).
DRE [km3]
0.08
VEI
4
噴出量文献

山元 (2017)

岩相

黄橙色に風化した軽石と岩片からなる降下火砕堆積物.上部は褐色ロームに漸移している (岡田・谷本 ,1986).

層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

大山荒田2降下火砕堆積物の分布図
figure

大山荒田2降下火砕堆積物の等層厚線図 (岡田・石賀, 2000) ©日本地質学会.


文献

岡田昭明・谷本慎一 (1986) 大山下部火山灰から新たに発見された2 枚の降下軽石層について. 鳥取大学教育学部研究報告, 自然科学, 35, 33-42. https://repository.lib.tottori-u.ac.jp/records/1335

岡田昭明・石賀 敏 (2000) 大山テフラ. 日本地質学会第107年学術大会見学旅行案内書, 81-90.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

大山荒田1噴火

Daisen-arata1 eruption
年代: -
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ 0.07,DRE 0.024 km3

大山荒田1降下火砕堆積物

だいせんあらた1こうかかさいたいせきぶつ
Daisen-arata1 pyroclastic fall deposit
名称出典: 岡田・谷本 (1986)
別名・呼称: DAP1
噴火推移・概要: プリニー式噴火

プリニー式噴火の発生

分布
東南東方向に主軸をもち,東西に細長く分布する (岡田・谷本, 1986).
DRE [km3]
0.024
VEI
3
噴出量文献

山元 (2017)

岩相

黄橙色に風化した軽石からなる降下火砕堆積物である.上部は岩片に富んだ暗灰色軽石層に漸移する (岡田・谷本 ,1986).

層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

大山荒田1降下火砕堆積物の分布図
figure

大山荒田1降下火砕堆積物の等層厚線図 (岡田・石賀, 2000) ©日本地質学会.


文献

岡田昭明・谷本慎一 (1986) 大山下部火山灰から新たに発見された2 枚の降下軽石層について. 鳥取大学教育学部研究報告, 自然科学, 35, 33-42. https://repository.lib.tottori-u.ac.jp/records/1335

岡田昭明・石賀 敏 (2000) 大山テフラ. 日本地質学会第107年学術大会見学旅行案内書, 81-90.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

八束軽石噴火

Yatsuka pumice eruption
年代: -
噴出源: 大山火山

総噴出量: -

八束軽石堆積物

やつかかるいしたいせきぶつ
Yatsuka pumice deposit
名称出典: 津久井 (1984)
別名・呼称: YtP
噴火推移・概要: プリニー式噴火?

プリニー式噴火の発生?

分布
大山火山東方から南東にかけて分布主軸を持つと考えられるが,その詳細は不明である.蒜山原宇野において層厚約20 cmである (津久井, 1984).
噴出量文献

-

岩相

黄橙色の軽石からなる降下軽石堆積物である (津久井, 1984).

層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

文献

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

名和火砕流噴火

Nawa pyroclastic flow eruption
年代: 100±40 ka
年代手法: FT年代
年代文献: 木村ほか (1999)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ 1.7 km3,DRE 1.3 km3

名和火砕流堆積物

なわかさいりゅうたいせきぶつ
Nawa pyroclastic flow deposit
名称出典: 津久井 (1984)
別名・呼称: NwF
噴火推移・概要: 火砕流

ブロックアンドアッシュフローの発生

分布
大山火山より北麓に分布する (木村ほか 1999).
DRE [km3]
1.3
VEI
5
噴出量文献

山元 (2017)

岩質
黒雲母直方輝石普通角閃石デイサイト
岩相

多面体形を示し,低発泡の本質物質とその細粉からなる火砕流堆積物である.岩相変化が著しく,露頭によって堆積物に礫の占める割合や発泡度が大きく異なる.不明瞭な成層構造や逆級化構造,ガス抜けパイプ構造が認められる (山元, 2017 ; 木村ほか, 1999).

全岩化学組成 (SiO2)
デイサイト
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

名和火砕流堆積物と振子山溶岩ドームの等層厚線図 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.


文献

木村純一・岡田昭明・中山勝博・梅田浩司・草野高志・麻原慶憲・舘野満美子・檀原 徹 (1999) 大山および三瓶火山起源テフラのフィッショントラック年代とその火山活動史における意義. 第四紀研究, 38, 145-155. https://doi.org/10.4116/jaqua.38.145

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

振子山溶岩ドーム形成噴火

Furikosen lava dome forming eruption
年代: 0.11±0.02 Ma
年代手法: K-Ar
年代文献: Kimura et al. (2003)
噴出源: 大山火山

総噴出量: DRE 0.36 km3

振子山溶岩ドーム

ふりこせんようがんどーむ
Furikosen lava dome
名称出典: 山元 (2017)
別名・呼称: FR
噴火推移・概要: 溶岩ドーム

溶岩ドームの形成

分布
大山火山の東方を構成する.
DRE [km3]
0.36
VEI
4
噴出量文献

山元 (2017)

岩質
黒雲母直方輝石普通角閃石デイサイト
岩相

黒雲母直方輝石普通角閃石デイサイトの溶岩ドームである.地理的位置や岩石学的特徴から名和火砕流堆積物の給源であると考えられる (山元, 2017).

全岩化学組成 (SiO2)
デイサイト
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

名和火砕流堆積物と振子山溶岩ドームの等層厚線図 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.


文献

木村純一・岡田昭明・中山勝博・梅田浩司・草野高志・麻原慶憲・舘野満美子・檀原 徹 (1999) 大山および三瓶火山起源テフラのフィッショントラック年代とその火山活動史における意義. 第四紀研究, 38, 145-155. https://doi.org/10.4116/jaqua.38.145

Kimura, J., Kunikiyo, T., Osaka, I., Nagao, T., Yamauchi, S., Kakubuchi, S., Okada, S., Fujibayashi, N., Okada, R., Murakami, H., Kusano, T., Umeda, K., Hayashi, S., Ishimaru, T., Ninomiya, A. and Tanase, A. (2003) Late Cenozoic volcanic activity in the Chugoku area, southwest Japan arc during back-arc basin opening and reinitiating of subduction. The Island Arc, 12, 22-45. https://www.hitohaku.jp/publication/r-bulletin-eng.html.

太田良平 (1962) 5万分の1地質図幅「赤碕・大山」および同説明書. 地質調査所, 37p. https://www.gsj.jp/Map/JP/docs/5man_doc/12/12_019.htm.

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

大山蒜山原噴火

Daisenhiruzenbara eruption
年代: 140±50 ka
年代手法: FT年代
年代文献: 木村ほか (1999)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ 0.25 km3,DRE 0.087 km3

蒜山原軽石堆積物

ひるぜんばらかるいしたいせきぶつ
Hiruzenbara pumice deposit
名称出典: 町田・新井 (1979)
別名・呼称: DHP
噴火推移・概要: プリニー式噴火

プリニー式噴火の発生

分布
大山火山より東麓および東南蒜山原に分布する (岡田, 1996).大山火山南麓の岡山県真庭郡八束村上長田三谷川において層厚105 cmである.
DRE [km3]
0.087
VEI
4
噴出量文献

山元 (2017)

岩相

黄色から橙褐色の降下軽石層 (津久井, 1984 ; 木村ほか, 1999) である.小さな岩片に富む.上部を除き風化鉱物に著しく富む .含まれる重鉱物は,緑色普通角閃石が多く,少量の直方輝石,不透明鉱物,微量の黒雲母を含む.また,極微量の淡褐色と褐色の普通角閃石,カミングトン閃石を含む (加藤ほか, 2004).

層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

蒜山原軽石堆積物の分布図
figure

大山蒜山原軽石の分布 (岡田, 1996) ©島根大学.


文献

加藤茂弘・山下 透・檀原 徹 (2004) 大山テフラの岩石記載的特徴と大山最下部テフラ層中の テフラ対比. 第四紀研究, 43, 435-445. https://doi.org/10.4116/jaqua.43.435.

木村純一・岡田昭明・中山勝博・梅田浩司・草野高志・麻原慶憲・舘野満美子・檀原 徹 (1999) 大山および三瓶火山起源テフラのフィッショントラック年代とその火山活動史における意義. 第四紀研究, 38, 145-155. https://doi.org/10.4116/jaqua.38.145

町田 洋・新井房夫 (1979) 大山倉吉軽石層―分布の広域性と第四紀編年上の意義. 地学雑, 88, 313-330. https://doi.org/10.5026/jgeography.88.5_313.

岡田昭明 (1996) 大山蒜山原軽石 (DHP) と大山最下部火山灰hpm2軽石について. 島根 大学地球資源環境学研究報告, 15, 53-60. https://ir.lib.shimane-u.ac.jp/31103.

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

大山松江噴火

Daisenmatsue eruption
年代: 180±60 ka
年代手法: FT年代
年代文献: 木村ほか (1999)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ 2.9 km3,DRE 0.99 km3

松江軽石堆積物

まつえかるいしたいせきぶつ
Matsue pumice deposit
名称出典: 町田・新井 (1979)
別名・呼称: DMP
噴火推移・概要: プリニー式噴火

プリニー式噴火の発生

分布
大山火山より西方に分布主軸を持ち,西麓に厚く堆積する.西麓上槇原で層厚2.8 m (津久井, 1984).また,東麓においても,対比可能とみなされる降下軽石層が見いだされている (津久井, 1984).
DRE [km3]
0.99
VEI
5
噴出量文献

山元 (2017)

岩相

黄色軽石から成る降下火砕堆積物である.粘土化が進んでいる.石質岩片は少なく,下底において,厚さ2~3 cmで黒色を呈する粘土質堆積物がしばしば認められる (津久井, 1984).また,上槙原,樋谷,旧奈和では,本層の直上に火砕流堆積物が認められる.本火砕流堆積物の詳細な分布域は不明であるが,DMPに引き続き発生した火砕流と考えられる (津久井, 1984).含まれる斑晶鉱物は,斜長石,普通角閃石,カミングトン閃石,黒雲母,磁鉄鉱,チタン鉄鉱である (町田・新井, 1979).

全岩化学組成 (SiO2)
デイサイト
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

松江軽石堆積物の分布図
figure

樋谷軽石 (HdP) 及び大山松江軽石 (DMP) の等層厚線図 (岡田・石賀, 2000) ©日本地質学会.


文献

木村純一・岡田昭明・中山勝博・梅田浩司・草野高志・麻原慶憲・舘野満美子・檀原 徹 (1999) 大山および三瓶火山起源テフラのフィッショントラック年代とその火山活動史における意義. 第四紀研究, 38, 145-155. https://doi.org/10.4116/jaqua.38.145

町田 洋・新井房夫 (1979) 大山倉吉軽石層―分布の広域性と第四紀編年上の意義. 地学雑, 88, 313-330. https://doi.org/10.5026/jgeography.88.5_313.

岡田昭明・石賀 敏 (2000) 大山テフラ. 日本地質学会第107年学術大会見学旅行案内書, 81-90.

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

大山樋谷噴火

Daisenhidani eruption
年代: 170±60 ka
年代手法: FT年代
年代文献: 木村ほか (1999)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ 0.64 km3,DRE 0.22 km3

樋谷軽石堆積物

ひだにかるいしたいせきぶつ
Hidani pumice deposit
名称出典: 津久井 (1984)
別名・呼称: HdP
噴火推移・概要: プリニー式噴火

プリニー式噴火の発生

分布
大山火山より北方から西方にかけて分布する (津久井, 1984).
DRE [km3]
0.22
VEI
4
噴出量文献

山元 (2017)

岩相

服部健西迫群中町泰久寺樋谷の露頭において150cmのロームを挟みDMPの下位に堆積する (木村ほか, 1999).塊上無層理の降下火砕堆積物.経1~3 cmの黄色軽石,青灰色の岩片で構成される (木村ほか, 1999).

層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

樋谷軽石堆積物の分布図
figure

樋谷軽石 (HdP) 及び大山松江軽石 (DMP) の等層厚線図 (岡田・石賀, 2000) ©日本地質学会.


文献

木村純一・岡田昭明・中山勝博・梅田浩司・草野高志・麻原慶憲・舘野満美子・檀原 徹 (1999) 大山および三瓶火山起源テフラのフィッショントラック年代とその火山活動史における意義. 第四紀研究, 38, 145-155. https://doi.org/10.4116/jaqua.38.145

岡田昭明・石賀 敏 (2000) 大山テフラ. 日本地質学会第107年学術大会見学旅行案内書, 81-90.

津久井志 (1984) 大山火山の地質. 地質雑, 90, 643-658. https://doi.org/10.5575/geosoc.90.643.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

大山別所噴火

Daisenbessho eruption
年代: 150 ka
年代手法: 層序
年代文献: 山元 (2015)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ 2.9 km3,DRE 1.0 km3

別所降下火砕堆積物

べっしょこうかかさいたいせきぶつ
Bessho pyroclastic fall deposit
名称出典: 岡田 (1996)
別名・呼称: DBP
噴火推移・概要: プリニー式噴火

プリニー式噴火の発生

分布
大山火山より東方に広く分布する (山元, 2017).
DRE [km3]
1
VEI
5
噴出量文献

山元 (2017)

岩相

複数のユニットから成る降下火砕堆積物である.上部ユニットは,ゲーサイト等の風化鉱物に富む.重鉱物として,緑色普通角閃石を多く含み,直方輝石と不透明鉱物を伴う.また,少量の黒雲母,極少量のジルコンを含む (加藤ほか, 2004).下部ユニット及び上部ユニットの下部は,カミングトン閃石,褐色普通角閃石をほとんど含まない.その一方直方輝石は下部ユニットに多く認められる.

全岩化学組成 (SiO2)
デイサイト
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

文献

加藤茂弘・山下 透・檀原 徹 (2004) 大山テフラの岩石記載的特徴と大山最下部テフラ層中の テフラ対比. 第四紀研究, 43, 435-445. https://doi.org/10.4116/jaqua.43.435.

岡田昭明 (1996) 大山蒜山原軽石 (DHP) と大山最下部火山灰hpm2軽石について. 島根 大学地球資源環境学研究報告, 15, 53-60. https://ir.lib.shimane-u.ac.jp/31103.

山元孝広 (2015) 日本の主要第四紀火山の積算マグマ噴出量階段図. 地質調査総合センター研究資料集, no.613, 産総研地質調査総合センター. https://www.gsj.jp/researches/openfile/openfile2014/openfile0613.html.

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

hpm2火砕噴火

hpm2 eruption
年代: 200 ka
年代文献: 山元 (2017)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ 0.46 km3,DRE 0.16 km3

hpm2降下火砕堆積物

えいちぴーえむ2こうかかさいたいせきぶつ
hpm2 deposit
名称出典: 岡田ほか (1990)
噴火推移・概要: プリニー式噴火?

プリニー式噴火の発生?

分布
大山火山より東方及び東南東に広く分布する (岡田, 1996).
DRE [km3]
0.16
VEI
4
噴出量文献

山元 (2017)

岩質
-
岩相

風化し金色を呈する黒雲母を含む事で特徴づけられる降下火砕堆積物である.重鉱物として緑色角閃石を多く含み,不透明鉱物,黒雲母を伴う.一方でカミングトン閃石は含まれない (加藤ほか, 2004).

全岩化学組成 (SiO2)
-
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

hpm2降下火砕堆積物の分布図 (岡田, 1996) ©島根大学.


文献

加藤茂弘・山下 透・檀原 徹 (2004) 大山テフラの岩石記載的特徴と大山最下部テフラ層中の テフラ対比. 第四紀研究, 43, 435-445. https://doi.org/10.4116/jaqua.43.435.

岡田昭明 (1996) 大山蒜山原軽石 (DHP) と大山最下部火山灰hpm2軽石について. 島根 大学地球資源環境学研究報告, 15, 53-60. https://ir.lib.shimane-u.ac.jp/31103.

岡田昭明・谷口恵・木下直美 (1990) 模式地における大山最下部火山灰層中の強磁性鉱物の 熱磁気特性. 鳥取大学教育学部研究報告, 自然科学, 39, 143-160. https://repository.lib.tottori-u.ac.jp/record/1307/files/jfens39(2)_143(1).pdf

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

大山奥津噴火

Daisen-okutsu eruptoin
年代: 210 ka
年代手法: FT年代
年代文献: 木村ほか (1999)
噴出源: 大山火山

総噴出量: 見かけ 5.5 km3,DRE 1.9 km3

奥津降下火砕堆積物

おくつこうかかさいたいせきぶつ
Okutsu pyroclastic fall deposit
名称出典: 岡田ほか (1990), 岡田 (1996)
別名・呼称: DOP, hpm1
噴火推移・概要: プリニー式噴火

プリニー式噴火の発生

分布
大山火山より東方及び東南東に広く分布し,約10 km東南東の地点での層厚は3 m以上である (岡田・石賀, 2000; 山元, 2017).
DRE [km3]
1.9
VEI
5
噴出量文献

山元 (2017)

岩相

大山火山南麓の上長田三谷川の露頭において層厚400 cm 以上の降下火砕堆積物である.径3~5 cmの黄橙色を呈する軽石からなる (木村ほか, 1999).重鉱物は,主として緑色普通角閃石を含む,カミングトン閃石,直方輝石を伴うほか,少量の黒雲母,極微量のジルコンを含む (加藤ほか, 2004).

全岩化学組成 (SiO2)
デイサイト
層序概念図における本構成要素(クリックで飛ぶ)

figure

大山起源の降下火砕堆積物(大山倉吉,大山関金,大山生竹,大山松江,別府,奥津)の等層厚線図 (山元, 2017) ©産総研地質調査総合センター.


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hpm1降下火砕堆積物の分布図 (岡田・石賀, 2000) ©日本地質学会.


文献

加藤茂弘・山下 透・檀原 徹 (2004) 大山テフラの岩石記載的特徴と大山最下部テフラ層中の テフラ対比. 第四紀研究, 43, 435-445. https://doi.org/10.4116/jaqua.43.435.

木村純一・岡田昭明・中山勝博・梅田浩司・草野高志・麻原慶憲・舘野満美子・檀原 徹 (1999) 大山および三瓶火山起源テフラのフィッショントラック年代とその火山活動史における意義. 第四紀研究, 38, 145-155. https://doi.org/10.4116/jaqua.38.145

岡田昭明 (1996) 大山蒜山原軽石 (DHP) と大山最下部火山灰hpm2軽石について. 島根 大学地球資源環境学研究報告, 15, 53-60. https://ir.lib.shimane-u.ac.jp/31103.

岡田昭明・石賀 敏 (2000) 大山テフラ. 日本地質学会第107年学術大会見学旅行案内書, 81-90.

岡田昭明・谷口恵・木下直美 (1990) 模式地における大山最下部火山灰層中の強磁性鉱物の 熱磁気特性. 鳥取大学教育学部研究報告, 自然科学, 39, 143-160. https://repository.lib.tottori-u.ac.jp/record/1307/files/jfens39(2)_143(1).pdf

山元孝広 (2017) 大山火山噴火履歴の再検討. 地質調査研究報告, 68, 1-16. https://doi.org/10.9795/bullgsj.68.1.

引用文献

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