命名 宇井(1967).
模式地 開聞町仙田北方約1 kmの池田湖南西岸沿いの農道沿い.
分布・層厚 仙田溶岩は,開聞町仙田付近に分布する角閃石斑晶を含むデイサイト溶岩流である.池田湖テフラに直接厚く覆われており,露出が断片的で全体の広がりや構造は詳しくはわからないが,西側に緩く傾斜する後期更新世の上野溶岩(宇井,1967)の上面と不調和に南西側に張り出した開聞町上仙田付近の台地を構成すると考えられる.層厚は30 m以上と推定される.
層序関係 後期更新世の(川辺・阪口,2005)指宿火山との関係を示す露頭はない.池田火砕流堆積物に覆われる.
岩相 石英斑晶を含む斜方輝石角閃石デイサイト溶岩流であり,斑晶鉱物は1 mm程度の斜長石,0.2 mm程度の斜方輝石及び0.2 mm程度の角閃石からなり,石英斑晶もまれに含む.
地質年代 年代値を示すデータはない.池田湖テフラに直接覆われること,岩本火山灰や池田湖テフラと同じく,指宿火山には認められない角閃石斑晶を含むことから,池田火山の初期の活動による溶岩流としておく.