太田(1966)は,本地域の地質調査を行い,池田降下軽石と池田軽石流(池田火砕流堆積物)の関係を初めて記載した.宇井(1967)は,本地域に分布する第四紀の火砕流堆積物の詳細を明らかにし,層序を確立するとともに,池田カルデラ形成に関係する噴出物の詳細な記載から,噴火機構・推移を明らかにした.さらにUi(1971)は,本地域を含む火砕流堆積物及び溶岩の化学組成分析を行い,指宿地域火山のマグマ溜りの進化について論じた.小林・成尾(1980,1982,1983)は,池田カルデラ形成に関する噴出物の研究を行い,山川湾からも火砕サージが発生したことを明らかにした.奥野・小林(1991)は,鍋島岳溶岩ドームの噴出物分布を明らかにするとともに噴火推移を論じた.さらに奥野ほか(1993)では鍋島岳テフラの放射性炭素年代を報告した.奥野ほか(1995)は,大隅降下軽石以前の主に大隅半島に分布する新期指宿火山群起源のテフラの記載を行い,噴出年代の推定を行った.これらの成果を受け,奥野(2001)は,本地域を含む南九州に分布するテフラの年代をまとめた.成尾・小林(1995)は,池田湖火山灰内に発達する砕屑岩脈の記載を行い,噴火と地震の関連について述べた.成尾(2001)は,指宿市水迫の旧石器遺跡に分布するテフラについて記載を行った.岩倉ほか(2001)は,池田火砕流堆積物の地質調査から池田火砕流が2つのフローユニットからなることを明らかにし,さらに粒度分析を行い噴出・堆積機構を論じた.