南海地震や東南海地震が発生した後に、道後温泉と湯峯温泉の湧出が止まったり、減ったという記述が古文書などにみられます。9回の南海・東南海地震のうち、道後温泉では4回、湯峯温泉では5回、湧出が止まるか、減ったという報告がなされています。
また、海上保安庁から出版された南海大地震調査報告(1948)のなかで、1946年南海地震の前に、地下水位の低下、温泉湯量の減少や地下水が濁った井戸が合計15か所あったことが示されています。 さらに、その中で「地震前の地下水位低下が古来から言い伝えられており、古老などにより避難準備のなされたところもあった」といった記述が見られます。 古文書にも1854年南海地震の前にも井戸が枯れたという記述があることから、私たちは、南海地震前の地下水位低下という現象は再現性があると考えています。
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