火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)


海底湧水・遊離ガス採取

硫黄島沿岸の海底湧水と海底遊離ガスの同時採取は,左図のようなガラス器具(通称”ぼうし”)を使って行っています. 側頭部には遊離ガス採取用の口がついており,”ぼうし”の中にたまった海底遊離ガスはこの口を通して海中に逃げていきます.ここに採取ボトルをつなぐことによって,海底遊離ガスが採取できます. ”ぼうし”は,頂部から真下にむけてガラス管が伸びています.これを海底に突き刺し,ガラス管上部にシリンジを装着します.シリンジを引くことによって海底から湧水を採取することができます.

右の写真は,海底遊離ガスの希ガス分析用試料を銅管に封入しているところです. 海底においてガス試料を分析用ボトルに直接採取しているため,空気の混入量をより低減できます.

海底ガスの組成の測定は,火山ガスと同様の方法によって行われます(→火山ガス).

原図及び写真提供:F. LeGuern氏.

この画像へのリンク: