火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)
硫黄島港から見る長浜溶岩流
硫黄島西部の平坦部を構成する流紋岩質溶岩流で,基底は海面下にあるため観察できませんが,厚さは海面上だけで80m以上あり,ほぼ垂直な崖をつくって露出しています.下部はほぼ垂直で太く不規則な柱状節理が発達した緻密な溶岩流だですが,上部は節理が不明瞭となり,表層部の数mほどは黒曜岩からなる岩塊で構成されています.緻密部上部は波長10m程度の波状になっており,その凹凸面を小アビ山火砕流堆積物や竹島火砕流堆積物が埋めています.
岩石は斜長石,単斜輝石,斜方輝石斑晶を4%程度含む,SiO2=71wt%の流紋岩です.
手前に見える硫黄島港では,港内に温泉が湧出し,その温泉が海水と反応し,赤茶色に変色しています.
2000年10月23日に斎藤元治が撮影.
LINKS
以下の1ファイルが,このファイルと内容が同一です(詳細):