火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)
硫黄島の重力異常図
着色した線は,同じ重力異常値(線の横に示してある)を結んだもので,その間隔は0.5mgalです.重力異常を計算するために用いた仮定密度(測定地域の平均的な密度)は2.0g/cm3としています.赤色→黄色→緑色→水色→青色→紫色の順に,重力異常値が低くなっています.
また,重力測定点を丸印,地形を灰色で示し,等高線間隔は50mです.
重力異常は島の北西から南東へ低くなる傾向があり,鬼界カルデラの構造に起因すると考えられます.すなわち,カルデラの窪みに低密度の火砕堆積物がみたされ,カルデラの中心に向かって重力が小さくなっていると考えられます.
硫黄岳と稲村岳が局所的に重力異常が小さくなっていますが,それはこの場所の表層の密度が仮定密度である2.0g/cm3より小さいためで,仮定密度を1.8g/cm3程度に小さくしたブーゲー異常ではそうした局所的な低重力異常は目立たなくなります.(表層の地質については→薩摩硫黄島地質図へ)
駒澤ほか(2005)の屋久島地域重力図の一部を改変.
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