火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)


硫黄島のSO2放出量の繰り返し観測データ

縦軸はSO2放出量(トン/日),横軸は年.各観測法(定点観測法,トラバース法)による放出量データがプロットされています.

1990年から島内において定点観測が始められ,1994年からはほぼ毎年観測値が得られています(Kazahaya et al., 2002).

薩摩硫黄島火山では,観測地点に制約があったため,定点観測法が多用されてきました.2003年以降,トラバース法も併用して,定点観測法の誤差の見積りを行っています.その結果,これまでの定点観測法による放出量値(青色)は大幅に過小評価されており,実際の放出量は定点観測値の約2.5倍の平均1300トン/日(暫定値; Ohwada, unpublished data)であることがわかりました.補正後の定点観測法の値(赤色)はトラバース法による値(緑色)とよく一致しています.

1990年以降,2004年まで放出量に大きな変動はなく,1000―1500トン/日で安定しているように見えます.

以下の1ファイルが,このファイルと内容が同一です(詳細):