火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)

高温火山ガスの採取

火口内の高温噴気孔から火山ガスを採取しています.噴気孔に耐熱性の採取器具(パイプ)を挿入し,そこに入った火山ガスをシリコンゴム製チューブで採取容器まで導入しています.採取容器は氷水で冷やし,火山ガスを凝縮させて採取します.

なお,木綿製の服は酸性ガスによってぼろぼろになるため,化繊のジャケットを着ています.

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また,噴気孔の周囲に見られる青色の物質は,「モリブデンブルー」と呼ばれ,モリブデン(Mo)の酸化物が水和したものです.火山ガス中に数ppm程度含まれるモリブデンが,噴気孔出口で温度低下・空気との混合による酸素分圧の上昇により,酸化され,水和物として沈積したと考えられています(吉田ほか,1972).

1996年3月10日に斎藤元治が撮影.

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