火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)
火口内の高温噴気孔付近のモリブデンブルー
モリブデンブルーとはMo5+とMo6+の混合水和酸化物(吉田ほか, 1972)ですが,化学式は確立していません.硫黄岳では,400℃以上の高温噴気孔付近で白色珪化岩の表面に火山ガスからの昇華物として青く付着するように産します.MoのほかPb, Zn, Bi, Sn, Wなどの金属元素を多量に含有しています(Hamasaki, 2000).また,モリブデンブルー付近の珪化岩中ではクリストバライト,トリディマイトのほかに二次性の石英も形成されています.
Hamasaki (2002)のFig.4aを引用.