火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)
地下水のヘキサダイヤグラム
地下水,温泉の水質をヘキサダイヤグラムにして示してあります.溶存成分濃度が極端に異なるので,ヘキサダイヤグラムのスケール表示を3種類にして色分けしています.正方形のシンボルが井戸の地下水,青色の円形シンボルが温泉,ピンク色の円形シンボルが火山ガスを示します.
オレンジ色のハッチで示した長浜の井戸の地下水(図中の7〜10)だけが,溶存成分も少なく,pHも6~7であり,飲用に適しています.
海岸付近で湧出している温泉のほとんどは海水の影響を受けています.これらは満潮時は湧出口がわからなくなります.例外は硫黄岳南西に位置する東温泉です.海水準よりも少し高い位置に湧出口があるため,海水がほとんど混入していないと考えられます.SO4濃度が高く,Cl濃度が低い,SO4-Cl型の強酸性(pH2前後)の水質となっています.
各温泉の位置については,こちらの図を参照下さい.