西之島は、2003年時点で標高25m、東西約760m、南北約600mの大きさであり、その形は正方形に近い。第5図は1999年測量の地形図である。周囲に高度8m以下、最大長が数10m以下の岩礁群が分布する( 第6図)。
海上保安庁水路部作成(海域火山データベースより)
(海野・中野(2007)の第4.1図)
第6図 西之島周辺の岩礁群
A:北沖の岩礁群 右から2番目が最も大きい高度8mの岩礁
佐藤(1974b)によれば、右から星島、月江島、日光島、銀河島などの名称が付けられている
B:南沖の岩礁群 1973年に形成された第1火口の溶岩が岩礁として残されている
(海野・中野(2007)の第4.3図)
北北東-南南西に細長い西之島西側の旧島は、2段に分かれたほぼ平坦な地形面を有し、その最高高度が標高25mとなっている。面積では北部は南部の台地の1/3程度である。南側の平坦面は高度10-25mである。北側の平坦面は高度7-10mで平坦性がよく、海食により形成された可能性がある(浅海,1970)。旧島の高度は噴火前後で変化していない。新島は、1973年12月時点では最高地点が標高52mに達していたが、波浪浸食により1999年には標高15mと低くなっている(大谷ほか,2004,海域火山通覧第3版)。新島のうち、東端の1973-74年噴出物を除く部分は1973年以降に形成された高度5m以下の平坦面が広がり、旧島と連結している。中心部には埋め立てによる湾の閉塞で形成された池(塩水湖)が残されている。海岸線は、旧島の西岸や新島の東岸では数mないし15mの海食崖になっているが、それ以外は礫浜である。