安達太良火山 Adatara Volcano


安達太良火山のあらまし

有史次代の噴火記録
   1900年噴火
   西麓のラハール堆積物

安達太良火山の生い立ち

安達太良火山のテフラ

安達太良火山の岩石・鉱物
   記載岩石学的特徴
   全岩化学組成の特徴

引用文献

著者:藤縄明彦(茨城大学)
作成:2005/7
最終更新:2009/1/23


このデータ集を引用する場合,次のように
引用してください.
藤縄明彦・工藤 崇・星住英夫(2006)
詳細火山データ集:安達太良火山.日本の
火山,産総研地質調査総合センター
(https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/adatara/
index.html).

安達太良火山の岩石・鉱物

全岩化学組成の特徴

 安達太良火山の岩石の組成範囲は全岩SiO2量で53〜64 wt.%です(図1,2,3).これらは組成トレンドの違いから,ソレアイト系列とカルクアルカリ系列の2つの大きなグループに分けることができます(図1).この2つの系列の化学組成の差は,K2O 含有量(図2),Sr同位体比(図3),希土類元素組成(図4)などではっきりと見られます.両系列マグマは噴出時期にも差が見られることがわかっており,カルクアルカリ系列マグマは全ての活動期で噴出していますが,ソレアイト系列マグマは第2期のみで噴出しています.この2つの系列マグマの差は,それぞれの本源マグマや分化過程の違いに起因していると考えられています(Fujinawa, 1988, 1990, 1992; 藤縄,1991).

1900年堆積物
図1 FeO*/MgO-SiO2組成変化図(藤縄ほか,1984)
安達太良火山の岩石はソレアイト系列とカルクアルカリ系列の岩石から成る.
1900年堆積物
図2 SiO2-K2O組成変化図(藤縄ほか,1984)
安達太良火山のソレアイト系列岩とカルクアルカリ系列岩は,同じSiO2量で比較したときにK2O量が異なり,それぞれが固有の組成トレンドを形成する.
1900年堆積物
図3 SiO2-Sr同位体比変化図(Fujinawa, 1988)
安達太良火山のソレアイト系列岩とカルクアルカリ系列岩は,Sr同位体比のレベルが異なる.
1900年堆積物
図4 希土類元素のコンドライト規格化パターン
左がソレアイト系列,右がカルクアルカリ系列(Fujinawa, 1992).両系列岩でパターンが異なっている.



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