このデータベースは次の4種類のデータから構成されています。
 (1)日本全国の活断層(活動セグメント)の分布とそのパラメータ
 (2)日本の活断層に関係する文献の書誌データ
 (3)文献から採録された、調査地点ごとの調査結果データ
 (4) 地下数十キロメートルまでの地下構造データ

ご近所にどんな活断層があるのか調べたり、自治体や企業の皆さんの地震防災計画の基礎資料としたり、地震学・地質学・地震工学などの研究の足掛かりにも、使い道は様々です。柔軟な検索システムで絞り込んだり並べ替えたりしながら、自由に検索を進めてください。

引用例:
産業技術総合研究所(2024) 活断層データベース 2024年8月23日版. https://gbank.gsj.jp/activefault/

National Institute of Advanced Industrial Science and Technology. 2024. Active Fault Database of Japan, August 23, 2024 version. https://gbank.gsj.jp/activefault/index_e_gmap.html


■統一的な観点から活断層を区分・評価


活断層の区分・分布図作成

地表で観察される活断層は、所々途切れたり、枝分かれしたり、並んだりしています。どこまでが一続きで、どこが切れ目なのか、決めるのはなかなか難しく、研究者の間でも統一見解はありません。そこで産総研は、各種資料を編纂し、全国の活断層を一定の基準を用いて主要な活断層群を区分し、「起震断層」として抽出しました。更に起震断層を「活動セグメント」という単位に区切りました。
「活動セグメント」とはほぼ同じ性質を持つ活断層の範囲で、活動の最小単位と考えられるもの、「起震断層」とは、同時に活動して1つの地震を起こす可能性のある範囲、と概ね見なすことができます。
このデータベースにはこれら「起震断層」と「活動セグメント」、つまり日本全国でこれまでに知られている長さ10km以上の活断層のデータが収録されています。

パラメータ代表値の設定

それぞれの活動セグメントについて、さまざまな調査データに基づいて、活断層の活動性評価の指標となる断層活動パラメータを算出しました。断層活動パラメータとは本来かなり幅を持つ値ですが、本データベースでは全国の活断層を包括的に比較することを目的とし、独自の算出基準に基づき、代表値をひとつに設定しています(調査データが不十分な場合でも一定の値を表示するようにしていますので活動セグメントによっては誤差が非常に大きいこともあります。ご注意下さい)。
本データベースの活動セグメント検索システムではこのパラメータ代表値によって活動セグメントを絞り込み・並べ替えすることが出来、またパラメータ一覧のダウンロードも可能です。一般の皆さんには活断層の概要把握に、公共団体や事業者の皆さんには防災活動の基礎資料に、そして研究者の皆さんには全国の活断層の概括的な比較研究やモデル計算等に、その他多様な目的に、パラメータ代表値をご活用ください。

定期的な見直し

産総研は、起震断層・活動セグメントの区分・評価を実施し、2005年に『全国主要活断層活動確率地図』(文献に登録し検索結果にリンク)として発行しました。
当データベースでは公開開始時(2005年3月)から2012年3月の期間、この『全国主要活断層活動確率地図』に示されたパラメータを表示していました。
2012年3月以降は新たな活断層調査結果に基づいて活動セグメントの分布や区分とその評価の見直しを行い、新バージョンを公開しています。
今後も数年おきに最新の調査成果に基づき見直しを実施し、活断層データベースに反映させる予定です。

■1万を超える文献の書誌データを収録

日本の活断層に関する文献を網羅的に収集して、題名・発行年などの書誌データを、網羅的に採録しています。現在一万を超える文献の書誌データを収録し、新しく出版された文献からも、随時データを追加しています。
活断層関連文献検索では複数のキーワードで段階的に絞り込める、柔軟な検索システムを用意しており、検索結果はCiNii(NII論文情報ナビゲータ)にリンクしており、CiNiiサイトからPDF等の関連情報がご利用になれます。 また一部の文献についてはPDFへの直接リンクも作成しています。
活断層学はもとより、地震学・地質学・地震工学やその他広範な研究分野の文献資料収集などにご活用ください。

■1万地点を越える調査地点のデータを収録

文献からできる限り忠実に、調査地点ごとに調査結果データを採録しています。調査地検索を使用して、地図上の任意の範囲内の調査地点を検索できます。
調査地点データには活断層が、どこで(座標)、どのような調査が行われ(調査方法)、地層/地形等が(変位基準)、どのくらい動いたか(変位量)、といった具体的なデータが収録されています。さらに、各地層から得られた年代測定結果や、各地点での過去の断層活動時期(イベント年代)の解読結果なども見ることができます。

■数十キロメートルまでの地下構造を可視化

オプション機能として、地下数十キロメートルまでの断面を表示できる機能(地下構造可視化システム(リンク))が付属しています。このシステムのオンデマンド版を使用すると、日本列島の任意の場所での地下構造の断面を見ることができます。

■ご意見をお寄せ下さい

このデータベースは、開発当初は活断層の研究者による利用のみを念頭においていました。しかし公開直後からの広範な皆さんのご利用を受けて、より多くの皆さんに、より多様に、より円滑にご活用いただくための改良を開始しました。皆さんが気軽にご近所の活断層について調べられるように、大地震への備えのお役に立てるように、また活断層学・地震学のみならず広範な研究に活用いただけるように、今後も改訂を続けてまいります。
分かり難い箇所については、用語解説のページやよくある質問などを随時ご参照いただくとともに、ご意見やご感想をお寄せいただきますようお願いいたします。今後の改訂の指針とさせていただきます。