A. 活断層とはいわば大地の深いキズです。
このキズは普段はずれ動くことはありませんが、あるとき突然ずれ動き、大地震を引き起こします。
このような大地のキズのうち、最近まで繰り返しずれ動き、今後もずれ動いて大地震を起こす可能性のあるものを「活断層」と呼んでいます。
A. まず、その活断層がどのような性質を持っているのか、およそ何年おきに大地震を発生させるのか、活動したときにどのような被害が想定されるのかを知っておくことが重要です。
活断層の性質や活動間隔については、このデータベースでも見ることができますが、国の評価結果については地震調査研究推進本部の活断層の長期評価に掲載されています。活断層が活動したときの被害の想定や対策については、都道府県などでまとめられています。
A. 活断層にはほぼ一定の間隔で、同じ場所で、同じ程度の量で、繰り返しずれ動くという性質があります。
活断層のずれ動く量は地震の規模に比例しますので、活断層が過去いつ頃にずれ動いたか、どの程度の量ずれ動いたかを知ることにより、将来の地震発生を概ね予測することができます。
A. 断層がどこにあるのかを調べる方法としては、まず地形の調査が挙げられます。活断層は繰り返しずれ動きますから、1回の地震のときのずれはわずか数メートルでも、何万年、何十万年の間繰り返しずれ動くことにより、そのずれは何十メートル、何百メートルの食い違いになって地形に残ります。このような地形の食い違い(段差、谷の屈曲など)を、空中写真等を使って調べます。
さらに、地下の地層をくり抜くボーリング調査や、人工的に地面を揺らして地下の断面を見る反射法地震探査などで、地下の地層の食い違いを調べたり、断層の上にトレンチと呼ばれる溝を掘って、地下の断層のずれを直接観察するという方法(トレンチ調査)で、その活断層がどの程度活発に活動しているのか、過去いつごろ活動したのか、などを調査します。
反射法探査の模式図 | |
トレンチ調査 |
A. 日本列島の陸上部に存在する活断層のうち、単独で大地震を発生させるような規模の活断層は、おおむねすべて発見されていると思われます。
ただし、沿岸部や火山地域には、まだ十分に確認できていない活断層が存在する可能性があります。
また、活動度の低い活断層や短い活断層についても、未確認のものが存在する可能性はあります。
A. 発掘調査などの調査が非常によく進んでいる活断層については、数メートルの単位で活断層の位置を特定できるものもありますが、地形のみから推定されている活断層の位置については、数十メートルかそれ以上の誤差がある場合があります。
A. 主に次の資料があります。
A. 地震調査研究推進本部のこちらのページに、一般向け、子供向け、英語版など、地震や活断層についての各種パンフレットのpdfファイルがまとめられています。
特に活断層について詳しいものは、「日本の地震防災 活断層」です。
A. 国の地震調査研究推進本部では,全国の主な活断層について,今後の長期的な活動性を評価し,インターネットで公表しています。
この活断層データベースの検索結果からもリンクを張っています。
A. 太平洋の海底はプレートと呼ばれる岩盤からなり、そのプレートは常に日本列島に向かって移動しています。
日本列島はこのプレートの動きによって常に東西方向に押しつけられており、この力に耐えられなくなったときに活断層がずれ動きます。
A. 陸上の浅い場所(おおむね20km以浅)で発生するマグニチュード7クラス以上の地震は、ほぼ活断層で発生します。しかし、それより深い場所で発生する地震や、マグニチュード6クラス以下の地震については、活断層以外の場所でも発生します。
A. 地震の揺れは主に地下数キロメートルより深い場所から発生しますので、地表での揺れは活断層の真上だけではなく、幅広い範囲で同じように揺れます。
また、活断層から離れていても、地盤の悪い場所ではより大きく揺れることもあります。
ただし、活断層のずれによって建物が引き裂かれたり傾いたりする被害は、断層の真上付近のみに限られます。
A. 一般的に活断層の幅はせいぜい数メートル以内ですが、活断層によっては幅1km以上に及ぶ断層帯を形成している場合があります。
また、厚い堆積層に覆われた逆断層などは、断層によるずれが地表では幅広いたわみ(これを撓曲[とうきょく]と呼びます)となって現れることがあり、その幅は場合によっては数百メートルに及ぶ可能性があります。
撓曲の模式図 |
A. このデータベースには、日本全国でこれまでに知られている長さ10km以上の活断層のデータが収録されています。
このデータベースを見ることで、そのような活断層がどこにあるのか、それぞれの活断層がどのような性質を持っているのか、を調べることができます。
検索の方法や流れについては使い方や検索経路図をご覧下さい。
A. このデータベースには、これまでに知られている長さ10km以上の活断層が収録されています。
したがって、長さ10km未満の活断層や、まだ十分に確認されていない活断層は収録されていませんのでご注意下さい。
A. 厳密に言うと、どこからどこまでを1つの活断層と決めることはできません。
活動セグメントとは、活断層の最小単位と思われる範囲を産総研で定義したものです。一般的には、1つずつの活動セグメントが○○断層と呼ばれることもあれば、いくつかの活動セグメントが集まって△△断層と呼ばれることもあります。
A. このデータベースに収録された活断層は、産総研の基準で「起震断層」と「活動セグメント」に区分されています。
「起震断層」や「活動セグメント」が、一般に名前が付けられている活断層と異なった範囲で区分されている場合は、混乱のないように、あえて異なる名前を付けるようにしています。
A. 活断層の調査結果には、さまざまな誤差やばらつきがあります。地震調査研究推進本部では、これらの調査結果を委員会で審議し、一定以上の信頼度のものを採用した上で、将来の地震発生確率を、値がとりうる幅をもって示しています。
これに対し、このデータベースでは、具体的なデータが得られている場合はその平均値を、十分なデータが得られていないものは、暫定的な値を仮置きし、データが不十分なものでも1つの値を出すようにしています。
このように、このデータベースに表示される将来の活動確率は、いくつかの仮定に基づくものであり、あくまでも研究目的のものであることにご注意下さい。
A. 活断層の活動確率は、過去の活動間隔と、最後に活動してからどのくらいの時間が経っているかに基づいて計算しますが、ポアソン過程とは、最後の活動時期がわからない場合でも、活動間隔の値のみから、平均的に地震が発生するとして確率を求める方法です。これに対し、BPTモデルとは、最後に活動してからの時間を考慮した上で、一定のばらつきを与えて計算する方法で、より正確な計算方法と言えます。
A. 地下構造可視化システムとは活断層の地下の構造として3次元的な物性値 (現時点では弾性波速度のみ) の分布を「見る」ためのシステムです。
地殻や上部マントルといった地下数十キロメートルにわたるスケールの構造を概観できます。
そのようなスケールでは穴を掘って実際に見るわけにはいかないので、ここで言う「見る」(=可視化)とは、自然地震の記録を用いて地下構造の推定イメージを図示することを意味しています。
詳しくはこちらをご覧下さい
A. 活断層線の電子データにつきましては、研究目的等の理由であっても、データ提供をお断りしております。ご了承ください。