火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)
観測値との比較(火道の透水係数)
周囲の地層の透水係数を1x10-13m2(一部は1x10-12m2),脱ガスの深度を標高125m,火道の透水係数を1x10-10m2,6×10-11m2,1x10-11m2としたときの計算結果と観測値との比較を示します.ここで横軸は山頂火口からの距離,縦軸は単位面積当たりの放熱量(W/m2)を示します.これは,火口の中央部を中心として火口からの距離rとr+drの円周によって囲まれた領域の放熱量をSekioka and Yuhara (1974)の方法で求め,その領域の面積で割ったものです.観測結果から得られたものを白丸で示します.計算結果と観測値を比較すると,この条件では火道の透水係数として6×10-11m2が適当であるということが分かります.