火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)


竹島火砕流とそれを覆う後カルデラ期テフラ

硫黄島東部に分布する竹島火砕流は,主に流紋岩片からなる多量の類質異質岩片と白黄色軽石からなる火砕流堆積物であり,写真に示す坂本へ下る道沿いの竹島火砕流も類質異質岩片の量が著しく増大しています.火口近傍のlag breccia相と考えられます.

後カルデラ火山の活動に伴う降下テフラが,竹島火砕流堆積物を覆っているのが観察できます.この後カルデラ期降下テフラは,大きく3つのグループに区分できます.Kawanabe and Saito (2002)はこの降下テフラを下位からK-Sk-l,K-In,K-Sk-uと命名し,さらに腐食土壌層により,K-Sk-lを2つ(K-Sk-l-1とK-Sk-l-2),K-Inを2つ(K-In-1とK-In-2),K-Sk-uを4つ(K-Sk-u-1からK-Sk-u-4)に区分しました.K-Sk-u最下部にはK-In最下部まで達するsag構造が認められます.

1978年 曽屋龍典氏撮影

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