火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)
硫黄岳登山道(稲村岳の北東側)からみた稲村岳火山
稲村岳火山は,底径約780m,高さ約230m(三角点標高236.2m),小型の玄武岩質成層火山です.一見単成火山のようにみえますが,稲村岳起源の降下テフラ(K-In)は土壌を挟んで2部層あり,複数回の噴火事件を起こした複成火山です. 写真のように,山頂には北北東側に開いた火口があります. 浸食谷の発達はよくないうえ全山竹林に覆われており,内部構造は南海岸沿いでわずかに露出するだけです.
手前は,硫黄岳の溶岩流です.
カルデラ縁を構成する長浜溶岩流と矢筈岳火山が背後に見えます.
1998年11月に斎藤元治が撮影.