火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)
硫黄岳流紋岩と酸性温泉の元素含有量
酸性温泉(Acidic springs),新鮮な硫黄岳流紋岩(Fresh rhyolite)および700℃より高温の火山ガスの各元素濃度を示しています.
東温泉などの酸性温泉水には,新鮮な硫黄岳流紋岩の主成分元素である,Na, K, Ca, Mg, Al, Fe, Mnなどが陽イオンとして多く含まれています.酸性温泉水の元素含有パターンも,火山ガスの元素含有パターンよりも流紋岩のそれに似ています.従って,山頂あるいは山体内部で岩石中の元素を溶脱しながら流れ下ってきた酸性熱水が,山麓で酸性温泉として湧水しているものと考えられます.
Hedenquist et al. (1994)のFig.4を引用.