火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)


火山ガス水素・酸素同位体組成

縦軸のδDは水素同位体比(D/H),横軸のδ18Oは酸素同位体比(18O/16O)です.いずれも,標準平均海水の同位体比(図では◇)からの千分偏差(‰)で表しています.

高温火山ガスは,δD=-30‰,δ18O=+7‰程度の,島弧火山ガスに典型的な水素・酸素同位体組成を持ち,非常に狭い組成範囲に分布します.山頂の低温噴気ガスは,高温火山ガス付近に分布しますが,より高い水素・酸素同位体比を持つ傾向にあります.高温火山ガスの分別により生じた傾向と予想できますが,その具体的な原因は不明です.山麓の低温噴気は,高温火山ガスと天水(○)の混合線上の組成を持っています.

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