火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)
島内の連続GPS観測結果
硫黄島内の微小な変形の経時変化を調べる目的で,島南部の東温泉付近(HGSO点)と北東部の平家城付近(HEIK点)にそれぞれ2001年2月と2002年11月に現地収録型1周波GPSセンサーを設置しました.これらは島西部の電子基準点「鹿児島三島:960723」(ここではGSI点と呼ぶ)を基準にして相対変位を調べています.
鬼界カルデラ内の唯一の連続GPS観測点であるHGSO点は.非常に緩やかで微小ながら東西伸張傾向が認められましたが,2006年ころから反転したようにも見えます(左下).
右下のグラフは,各観測点の相対変位の上下成分に屋久島測候所の気象観測値(Web)を元に気象補正(斎藤・井口,2006)した結果です.緩やかな沈降が2006年夏以降に隆起に転じたようにも見えます.