火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)


1998年火山灰XRDチャート

X線回折分析(XRD)とは,物質の原子配置にある程度の規則性があった場合,それにX線を照射すると回折する現象を利用した分析方法です. X線の回折が起こる角度や回折X線の強度は結晶構造と結晶の濃度に依存するため,通常は粉末試料中の結晶の構造,種類や濃度の分析に用いられています.

図は1998年7月に採取した火山灰のXRDチャート(X線回折図形)です.横軸はX線の回折角,縦軸はその強度で,どの回折角にピークがあるかを読みとれば結晶の種類を知ることができます.この図から,火山灰構成物の主成分が石英,クリストバライト,トリディマイトであることが判ります.

Shinohara et al. (2002)のFig.5を改変.