火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)
1996年6月8日の M2.9 有感地震の割れ目の形成モデル
1996年6月8日 21:06 に発生した M2.9 の有感地震の割れ目の形成モデル(左)及び発震機構(右下).
火山ガスの放出(Gas emission)に伴う山頂火口(Summit crater)直下の圧力減少(Pressure decrease)によって,火口内の地盤が沈降して正断層(Normal fault)型の地震が発生したと考えられています(Earthquake June 8, 1996).断層は地表まで達し,火口の南東に割れ目を形成し(Formation of crack),火山ガスはこの断層と割れ目を通って放出されました(New gas emission).
地震発生後の1996年10月の調査において,山頂火口外側の道路上に北東-南西方向の開口性割れ目が確認されています(→最近の火山活動の推移).
Iguchi et al. (2002)のFig.7(p192)とFig.9(p194)を引用.