火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)


周期的に発生する空気振動を伴った微動

2001年11月19日~21日に,産総研と京大防災研の共同で,観測点F2に近い火口縁に低周波マイクと1Hz速度計を設置し,火口近傍における空振観測を実施した結果を示します.

左:観測点ID560近傍の火口縁に設置した1Hz速度計による2001年11月20日12:00 ~ 11月21日24:00 の連続記録.周期的に発生する空気振動を伴った微動.数分~10分程度の継続時間の微動が少しずつ周期を変えながら数十分間隔で周期的に発生しています.

右:周期的に発生している微動の波形及び周波数スペクトル:観測点ID560の広帯域地震計,火口縁(観測点F2)に設置した1Hz速度計と空振計のデータを示します.微動直前に地震計が記録しているパルスは,定常的に発生している高周波の極微小地震です.

Ohminato and Ereditato(1997)が観測した微動震幅の変化を伴う超長周期(VLP)パルスと比較すると,微動の包絡線波形が異なり超低周波パルスが発生しないこと,観測期間中に時間間隔が変化していること等の差異はありますが,同じ時間オーダーの現象であり,類似のメカニズムを持つ可能性があります.

各観測点に位置については→こちら

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