火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)
微動震幅の変化を伴う超長周期パルス
Ohminato and Ereditato (1997) の観測した微動震幅の変化を伴う超長周期パルス(VLP; very long period seismic pulse)と Ohminato (2006) が提案している発震メカニズムを示します.
左上(a) :様々な周波数帯域で見た上下動地震動(観測点ST1):上から原波形,原波形の包絡線,40Hz以上の高周波成分,0.2Hz以下の低周波成分.
左下(b) :振幅変化の模式図:包絡線,高周波成分,超長周期パルス
右上:超長周期パルスの軌跡,TOP VIEWは 平面図,SECTION VIEWは 山頂を通る断面図:3観測点の超長周期パルス初動の軌跡は山頂火口直下のソースの膨張を示唆しています.
左下:Ohminato (2006) が発震メカニズムとして提案しているwater pocket model:山頂火口下100m付近の傾いた水に満たされたクラックと高温ガスの通り道のネットワークによりこの現象をモデル化しています.
Ohminato (2006) のFigs.4,10,17を引用.