火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)


地温測定結果

地図に示された10点(山頂部の測点は省略)にて10mの測定孔を穿ち,24時間以上放置した後,地表から1mおきの地温を測定した結果が示されています.地温はNo.5孔とNo.10孔を除いて,いずれも地表から3~4mまでは上昇し,その後若干低下しています.10m深では18.5℃~19.6℃と比較的高い一定値を示しています.No.5孔とNo.10孔は地表から急激に温度が上昇し,10mでは23.5℃と34.9℃の高温になっています.No.5孔は東温泉,No.10孔は付近で地下に何らかの熱源が予想されます. 図には示されていませんが,山頂地域の3ヶ所はいずれも1m以深で82℃以上,10m深で97.2℃以上の高温度となっています.

本調査は全国地熱基礎調査(地質調査所, 1976)の一環として行われました.未公表資料を改変.