火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)


重力測定値の補正

地表で測定された重力値に対し,地球潮汐の影響,地球が回転楕円体であることの影響,測定する高度の違いによる影響,地形に凹凸があることによる影響を補正し,ある基準面に対する値としてお互いに比較できるようにしたものをブーゲー補正といいます.その際,基準面から観測点までのあいだに占める物質の引力を補正するために,その空間の密度を仮定しています.密度の仮定にあたっては,重力測定値の高度変化の傾きが仮定する密度値に比例するという関係を利用することができます.硫黄島の場合,この相関から求められる平均密度は1.15 g/cm3となります.なお,岩石サンプルの測定からは平均的密度として2.17 g/cm3という値が得られています.

地質調査所(1976)の第4.3図を改変.