火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)


顕微赤外分光光度計の写真と測定原理

顕微赤外分光光度計は,珪酸塩ガラス中のH2O, CO2がある特定の波長の赤外線を吸収することを利用した測定方法です.

右図のように,試料(ガラス包有物)を100〜数10µmの厚さの薄片にし,それに赤外線を照射し,透過した赤外線の強度を測定します.試料を透過した赤外線の強度と試料の無い状態での赤外線の強度から試料中のH2O, CO2による吸収の大きさを算出します.この吸収の大きさと,試料の厚さやモル吸収係数(波長,試料の化学組成に依存する)とから,各濃度を算出します.

写真の手前の箱の中に,赤外線の光源とミラーがあり,奥の顕微鏡に赤外線を導入します.顕微鏡のステージ上に水平に試料を置き,赤外線を垂直方向に照射します.透過光を,顕微鏡奥の検出器に導入し,その強度を測定します.

斎藤(2004)の図5を改変.

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