火山研究解説集:薩摩硫黄島 (産総研・地質調査総合センター作成)


地震活動の履歴

加茂(1976,1977,1978)の観測点C 及び 京大防災研(SVO)の定常観測点(IWO)における1975年~1978年と1995年6月~2000年12月の火山性地震の月別発生回数(上図),地震波放出エネルギーの積算曲線(中図) 及び 1975年~1978年と1995年6月~1998年12月の火山性地震のマグニチュード(下図).

1976~1978年のデータ(加茂, 1976,1977,1978)については,加茂(1976,1977,1978)の観測点Cと1995年以降の京大防災研の定常観測点 IWO との位置の違い,使用観測システムの特性の違い,カウントする閾値の違い等を考慮する必要があります.地震発生数については,硫黄岳-観測点間の距離差に応じた実体波振幅の距離減衰を考慮して補正しています.プロットしている火山性地震は,観測点IWO において最大振幅(p-p)が>16 μm/s となる地震ですが,1975 年~1978 年の地震は観測点C において観測されているので,実体波の幾何減衰を考慮して,観測点IWO における振幅に換算して地震回数を計数しています.

地震波放出エネルギーの積算曲線に付随する破線は,地震波のエネルギー放出率7×1014 erg/年を示しています.1996年6月の有感地震を除けば放出エネルギーはほぼ一定であることがわかります.また,この1996年6月の有感地震以外はマグニチュード2以下の無感地震となっています.

井口(2002) の図3・図4, 及び Iguchi et al. (2002) のFig.6 の一部 を編集して使用.

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