伊豆大島火山地質図 解説目次
1:はじめに - 伊豆大島の地形
2:伊豆大島火山の地質
3:伊豆大島火山の岩石
4:カルデラ形成以降の伊豆大島火山活動史
5:19世紀以降の活動
6:観測体制 - 防災上の注意点
7:文献(火山地質図での引用)
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3:伊豆大島火山の岩石
伊豆大島火山の岩石は,ソレアイト系列の玄武岩-安山岩( 第2表)である.斑晶鉱物として斜長石,かんらん石,単斜輝石(普通輝石,まれにピジョン輝石),斜方輝石,鉄チタン酸化物を含む.斜長石斑晶の量(最大25vol.%)で化学組成が大きく変化するが,FeO*/MgO比で見ると( 第3図)伊豆大島火山の活動初期ほど未分化なマグマが噴出している傾向がある.
中央火口丘からのスコリアに,その後流出した溶岩流より多くの斜長石斑晶が含まれることが多い.これはH2Oが少なく鉄が多いため密度が大きいマグマ中で斜長石斑晶が浮上・濃集したことによると考えられている.