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第四紀火山>活火山>九重
九重火山地質図 解説地質図鳥瞰図
5:噴出物の岩石学的特徴

 九重火山の噴出物は,玄武岩質安山岩からデイサイトまで,SiO2 = 53〜68 wt.% の広い組成範囲をもつ( 第2表 第10図).このうちSiO2 = 57〜63 wt.% の安山岩が多くを占める.斑晶鉱物は,かんらん石,単斜輝石,斜方輝石のほか,SiO2 が 59 wt.% 以上の岩石には普通角閃石斑晶が含まれ,黒雲母斑晶もデイサイト組成の岩石には珍しくない.石英とかんらん石のような非平衡な斑晶組み合わせや,縞状溶岩,縞状スコリアも見られ,苦鉄質マグマと珪長質マグマの混合が起きていたことが示唆される.全岩 SiO2 量に対する K2O 量を見ると,安山岩組成では時代とともに K2O 量が多くなる傾向があるが,SiO2 が 65 wt.% を超えるデイサイトの組成は全活動期でほぼ一定である.

 層序がよくわかっている第4期の噴出物に限ると,大船火山・北大船火山の各噴出物は,それぞれ特定の組成範囲をもち,溶岩とテフラの対比が比較的容易である.このうち大船火山の大船東溶岩は SiO2 = 59.8〜66.2 wt.% と組成範囲が広くかつ K2O 量が最も多く,さらに SiO2 量の増加とともに K2O 量が減少するという特異な組成トレンドを持つ.最新のマグマ噴火である黒岳火山噴出物は逆に K2O 量に乏しい.


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